防水工事とは?工事の種類・耐用年数・単価まで徹底解説

更新日:2024年12月5日 BY 福島 慎介
防水工事とは

防水工事を怠ると建物の老朽化が進み、雨漏りなどの問題が起こります。

防水工事の手抜きや、技術がない業者が防水施工すると、耐用年数10年のはずが、半年~1年で雨漏りが起こりえます。

防水工事は業者により見積もり金額が大幅に違う業界のため、依頼主が4種類ある防水工事工法のメリットデメリットや、費用、耐用年数などの知識を持っていないと、多額な費用を支払ってしまう事になります。

防水工事の見積もり先
<防水工事の見積もり先調査>

防水工事見積もり.comのユーザー調査の結果(2018年)、見積りを防水工事業者以外に依頼したという方が93.1%でした。防水工事業者以外に依頼すると、短時間で雨漏りの再発したり、二次委託され中間マージンを取られ、費用が跳ね上がる可能性もあります。

本記事では防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザーの福島が、防水工事の失敗を防ぐために、防水工事の基礎知識ついて詳しく解説いたします。

防水工事の工法選びと業者探しにお悩みがある方は、防水工事見積もり.comの福島までお問い合わせくださいませ。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

防災工事推進協会 代表理事 紹介ページへ


防水工事とは雨から建物を守る工事です
<防水工事とは雨から建物を守る工事です>

防水工事とは雨水を遮断し、雨漏りを防ぐために行う工事のことです。

主に建物の屋根や屋上、ベランダ、バルコニーに防水施工されています。

主にコンクリート造の建物に行われる工事で、雨漏りによる建物の劣化を防ぐことを目的としています。

建物を建てる際に防水工事は実施されますが、経年劣化により防水効果が薄れてくるため、定期的な防水施工が必要になります。

防水工事をせずに放置していると雨漏りが起こってしまいます。実際、防水工事見積もり.comにお問合せを頂くお客様は、雨漏りしているお客様が半数以上です。

問い合わせタイミングは雨漏りあり52.4%なし47.6%
問い合わせのタイミングは雨漏りあり?なし?

防水工事は雨漏りする前に防水施工しておくことをおすすめします。雨水が建物に侵入すると、建物へのダメージも大きく、建物の価値を下げたり、雨漏り修理の費用が高額になる可能もあります。

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経年劣化により防水効果が下がる
<防水工事は定期的な防水施工が必要>
歯の劣化と屋上防水の劣化は同じ!
<歯も定期的なメンテナンスが必要>

雨風、紫外線によりダメージを受けた建物は、建物の表面にひび割れなどの劣化症状を生じます。

建物表面にできた破損部分から雨水が侵入すると、雨漏りはもちろん、建物の柱や梁が腐ったり鉄筋にサビが生じたり、建物の劣化にも繋がってします。

これらのリスクを抑えるために、建物の防水工事やメンテナンスは必要不可欠です。

防水工事については動画でもわかりやすく解説していますので、併せてご覧ください。

防水工事の4つの種類
<防水工事には主にに4つの種類があります>

屋上の防水工事は大きく分けて下記の4つの種類があります。

工法 特徴 耐用年数 単価
ウレタン防水 複雑な形状の建物でも防水施工が可能 10年~15年
(密着工法は5年ほど、通気緩衝工法は15年ほど)
5,000~7,500円
シート防水 下地を選ばずに防水施工が可能 12年~18年
(加硫ゴムシートは10年ほど、塩ビシートは15年ほど)
5,000~7,500円
アスファルト防水 実績のある防水工事 12~18年 5,000~7,500円
FRP防水 耐久性に優れている 10~12年
(通気緩衝工法は13~15年ほど)
6,000~8,500円

防水工事の4つの種類ごとの特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水の仕上がり
<ウレタン防水は建物の形状を選ばず半永久的な防水効果がある>

ウレタン防水は液体状のウレタン樹脂を塗り固めて防水層を作る方法です。

防水工事の中では最もポピュラーな工法となり、2023年の一般社団法人 防水材協会が公表のデータによると市場シェア全体の31.3%がウレタン防水となっています。

樹脂を塗って防水層を作るため、建物の形状を選ばず、複雑な形の面でも対応することができます。

また、メンテナンスをきちんと行えば半永久的に持つというのも大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、手作業で塗装を行うためムラが出やすいのも特徴です。

塗装のムラは劣化を早める原因となるため、防水施工の際はウレタン防水工事が得意な業者に依頼するようにしましょう。

※引用元:一般社団法人 防水材協会が公表している2023年データ

ウレタン防水について他の防水工法より詳しく知りたい方は「ウレタン防水とは?」の記事をご覧ください。

メリット 建物の形状を選ばず、複雑な場所にも防水施工可能
工期が短くコストを抑えることが可能
雨漏りにも強い
メンテナンスを行えば半永久的に重ねて工事可能
デメリット 手作業のため塗装のムラが出やすく、仕上がりが職人の技術に左右されやすい
定期的なトップコートの塗替えが必要
耐用年数 10年~15年ほど
単価 5,000円~7,500円

ウレタン防水の有名メーカーとしては「ダイフレックス」「サラセーヌ」「田島ルーフィング」「日本特殊塗料」などが挙げられます。

一部の製品の中には価格が「激安」な粗悪製品が紛れていることもあるようです。

見積もりの際に「どこのメーカーの材料を利用しているのか」までチェックしておくとより安心できます。

ウレタン防水における2つの工法

ウレタン塗膜防水における2つの工法の比較
ウレタン塗膜防水における2つの工法の比較

ウレタン防水の工法として「密着工法」と「通気緩衝工法」と呼ばれるものがあります。

密着工法は、既存の下地に直接ウレタンを塗布し防水層を作成する方法です。

比較的安価に防水施工できますが、既存の下地が同じウレタン防水でないと防水施工できないこと、下地に水分が溜まった場合は防水層が浮き上がってしまうなどデメリットも多くあります。

一方で通気緩衝工法は、通気性のある「通気緩衝シート」というシートの上からウレタンを塗布する方法です。

通気緩衝シートを貼る作業
通気緩衝シートを貼る作業

通気緩衝シートが水分を逃してくれるため、防水層の浮き上がりや膨れを防止することができます。

デメリットとしては、密着工法に比べてコストが高いこと、脱気筒と呼ばれる金属製の筒の設置が必要なため、ベランダなどの狭い箇所には向いていないという点が挙げられます。

ウレタン防水のメリット・デメリットをもっと詳しく知りたい場合はこちらの記事で紹介しています。

ウレタン防水のメリット・デメリット!事例も含めて解説!

シート防水

シート防水の仕上がり
<シート防水は下地を選ばず施工が可能>

シート防水とは、塩化ビニルやゴム製のシートを建物の上に貼りつけ、防水層を作る方法です。

シートは専用の接着剤や機械で固定を行い、隙間から水が侵入しないように設置します。

シート防水のメリットは下地を選ばずに施工が可能であることです。

通常、防水工事は二回目以降の修繕の際は、既存の防水層を撤去する必要があるのですが、シート防水の場合は、下地が異なる工法であっても、重ね貼りによる防水施工ができます。

一方で、複雑な施工箇所には不向きです。

シートを被せて施工するため、凹凸が多い面や、障害物のある箇所への防水施工も難しくなります。

また、防水シートは工場で作成されているため、シートの品質が一定に保たれているという利点もあります。

シート防水について他の防水工法より深く知りたい方は「シート防水とは?」の記事をご覧ください。

シート防水とは?特徴とメリット・デメリットを防水工事の専門家が解説!

メリット 下地を選ばずに防水施工が可能
広範囲を一度に防水施工が可能なため工期短縮が可能
耐久性に優れている(※使用するシートの種類による)
工事中の天候に左右されない
デメリット 複雑な施工箇所には不向き
工事中に騒音が発生する可能性がある
耐用年数 12年~18年ほど
(加硫ゴムシートは10年ほど、塩ビシートは15年ほど)
単価 5,000円~7,500円

シート防水の有名メーカーとしては「アーキヤマデ」「ロンシール工業」「田島ルーフィング」「タキロン」などが挙げられます。

以前はシート防水といえば「加硫ゴムシート」を利用した防水が主流でしたが、近年は「塩ビシート」が主流です。

塩ビシートの弾性率は150%と他のシートと比較すると非常に高く(改質アスファルトシートの弾性率は15%程度)、しなやかで揺れなどに強いことから採用率が上がっています。

シート防水における2つの工法

シート防水の工法として「密着工法」と「機械的固定工法」があります。

機械固定工法
シート防水の工法である密着工法と機械固定工法

後述の機械的固定工法と異なり専用機器の持ち込みが必要ない機械ため、ベランダやバルコニーなど狭い箇所にも防水施工が可能です。

機械固定工法
ディスク設置した上に塩ビシートを貼る機械固定工法

一方で「機械的固定工法」は「専用の固定器具を用いてシートを固定する工法」となり、固定されている箇所以外はシートと下地の間に隙間ができます。

シートが下地に完全に密着しないため、通気性を確保可能なことから、既に漏水が発生している箇所にも防水施工が可能となります。

しかしながら、固定用の機械を設置するときに騒音が発生するため注意が必要な工法です。

アスファルト防水

アスファルト防水の仕上がり
<アスファルト防水はビルや大きなマンションなどの屋上の使用例多数>

アスファルト防水とは、加熱して溶かしたアスファルトを利用し、専用の防水シートを貼り重ねていく方法です。

数ある防水工事の中で公共工事を含め最も古くから採用されており、絶対的な実績のある防水工事になります。

アスファルト防水はこちらに記事でより詳しく解説しています。

アスファルト防水とは?3つの工法の特徴と単価・施工手順を解説

アスファルト防水にも工法がいくつかありますが、現在は「改質アスファルトシート」を利用した工法が主流となっております。

改質アスファルトシート防水
冷工法の断面図

アスファルトを密着させながら防水シートを積層するため、塗膜防水とシート防水のメリットを集約したような防水施工方法です。

耐久性に非常に優れるため、ビルや大きなマンションなどの屋上に数多く防水施工されています。

一方で、他の防水層と比較すると重量があるため、耐震性のない建物や木造の建物には向いてません。

トーチ工法作業
アスファルト防水トーチ工法の作業
メリット 信頼性の高い確かな工法押えコンクリート仕上げが可能。防水施工後すぐに防水性能を発揮可能雨にも強く耐久性に優れている
デメリット 複雑な形状の建物や木造の建物には防水施工不可。防。施工中に熱や臭いが発生するため近隣への配慮が必要。防水施工が可能な業者が限られているため、専門業者への依頼が必要
耐用年数 12年~18年ほど
単価 5,000円~7,500円

防水層を覆うようにコンクリートを打つ「押えコンクリート仕上げ」の防水施工が可能なのもアスファルト防水の特徴です。

押えコンクリート仕上げにすることで、屋上を歩行可能な状態に整えることができます。

アスファルト防水における3つの工法

アスファルト防水の工法にが主に3つの種類があるため、特徴を抑えて防水施工方法を選ぶ必要があります。

・熱工法

アスファルト防水 熱工法
<アスファルト防水 熱工法>

アスファルトを高温(200℃から270℃)に熱し、これを流し込んだ場所に防水シートを重ねていく工法です。

日本では100年以上前から行われている歴史ある工法で、信頼性が非常に高い工法として、公共工事や大型施設などの新規物件の屋上で採用されています。

アスファルトがすぐに固まるため防水層の形成を簡単に行えますが、高温でアスファルトを溶かす際に異臭や煙が出るため、近隣住民への配慮が必要となります。

・トーチ工法

改質アスファルト防水 トーチ工法
<改質アスファルト防水 トーチ工法>

現在の主流となりつつあるアスファルト防水の工法で、改良されたアスファルトシート(改質アスファルトシート)を高温(800~1000℃)のトーチバーナーで炙りながら防水施工する方法です。

上述の熱工法では、アスファルトの溶解とシートの貼り付けは別工程で実施する必要がありますが、トーチ工法ではバーナーでシートを炙りながら貼り付けていくため効率的に施工が可能です。

注意点は、シートを熱しながら貼り付けていく際、完全に密着させる技術力が必要な点が挙げられます。

そのため、トーチ工法を選択する際は、より確かな技術力のある業者へ依頼する必要があります。

・冷工法

改質アスファルト防水 常温粘着工法(冷工法)
<改質アスファルト防水 常温粘着工法(冷工法)>

冷工法とは熱でアスファルトを溶かさずに防水施工する方法です。

トーチ工法で利用する「改質アスファルトシート」の裏に粘着層のコーティングを行い、熱を利用せずにシートを密着させていきます。

煙も臭いも出ず環境にやさしい工法ですが、シート同士の隙間を埋めるために上述の2工法よりも多くのシートを重ねる必要があります。

防水層の重量が大きくなるため、建物や屋上の耐久性を考慮する必要がある防水施工法です。

一般的に煙や臭いが出にくいため、密集している住宅街でも採用されることが多いです。

FRP防水

FRP防水の仕上がり
<FRP防水は工期が1~2日で済み木造のベランダや土間など狭い場所で採用>

FRP防水とは、建物下地の上にFRP(繊維強化プラスチック)製のシートを敷き、更に上から樹脂製のトップコートを塗って硬化させる方法です。

FRP防水の断面図
防水の断面図

FRPは高い防水性と丈夫さを兼ね備えているため、人気のある工法となります。

また、塗膜の硬化も早く、工期が最短1~2日で抑えられるのもメリットです。

一方で、FRP防水の注意事項としては、広範囲」の床面には防水施工に向いていないという点があります。

FRPシートは伸縮性に乏しく、広範囲に設置してしまうと割れやヒビの原因となるのです。

FRP防水の作業
FRP防水の作業

同様に木造の下地も外気や湿度により伸縮することがあるため、ひび割れを誘発するおそれがあります。

FRP防水は木造のベランダや土間など狭いところで多く採用されている工法です。

新築の戸建で採用されることが多いため、改修工事を専門としている業者の中には、FRP防水工事の施工頻度が低く、不慣れな業者も多く見られます。

メリット 高い水密性を保持
耐久性に優れている
工期が短く1~2日で工事が完了することも
デメリット 対応できる業者が少なく、費用がやや高め
施工場所をやや選ぶ
耐用年数 10年~12年ほど(通気緩衝工法は13年~15年)
単価 6,000円~8,500円

それでは、屋上防水工事が必要となるタイミングはどのような時でしょうか。

ここでは写真と共に事例を紹介していきます。

  • 雨漏り
  • 色褪せ
  • ひび割れ・膨れ
  • パラペットや笠木の劣化・破損
雨漏りの症状例
<天井以外にも壁にも雨漏りのシミが出る>

まずは実際に雨漏りしてしまったケースです。

雨漏りの原因としては「屋上防水の劣化」の他にも「外壁の劣化」や「目地の破損」「給水管の劣化」など様々な要因が挙げられます。

そのため、まずは雨漏りの原因を見つけるために雨漏り調査が必要となります。

目視での調査に加え、赤外線を利用した調査や、散水テストなどを実施し、雨漏りの原因箇所を突き止め、必要な工事を検討していきます。

調査の結果、防水層の劣化が雨漏りの原因となっていた場合は、防水工事が必要です。

この場合は、調査費用や修繕費用が併せて必要になるケースが多く、通常の防水工事よりもコストが高くなる傾向があります。

可能であれば雨漏りを起こす前に防水工事を実施するようにしましょう。

色褪せ

色褪せの症状例
<色があせて艶がなくなり、表面が焼けるようにくすみます>

上記の写真は、色があせて艶がなくなり、表面が焼けるようにくすんでいます。

トップコートが剥げてしまい、触ると指に粉がついてくる状態です。

急いで対応が必要な状況ではありませんが、早めに対応することで防水層を長持ちさせることができます。

緊急性:★★

ひびわれ・膨れ・浮き

ウレタン防水のひび割れの症状例
<ウレタン防水で見られる劣化のサインです>

ひび割れは塗膜系の工法やアスファルト防水で見られる劣化のサインです。

進行すると、ひび割れた隙間から雨水が侵入し、雨漏りや建物劣化に繋がります。

また、アスファルト防水の場合、抑えで使用しているコンクリートの収縮や劣化によりひび割れが生じる場合があります。

アスファルト防水の症状例り
<アスファルト防水で見られる劣化のサインです>
ウレタン防水の膨れの症状例
<防水層の中で水蒸気が膨らみ、防水材を押し上げて膨れる>

膨れは、ウレタン防水で発生します。

上の写真のように、目視で確認しやすく業者以外の方でも発見可能です。

防水層の中で水蒸気が膨らみ、防水材を押し上げて膨れとなっています。

防水層に水分が入っている状態はかなり危険な状態ですので、このような症状が見られる場合は、可能な限り早めに修理の依頼を行いましょう。

危険度★★★★

・浮きはシート系の工法で見られる劣化のサインです。

防水層の浮きの症状例
<防水層の浮きは雨漏り寸前の状態です>

上記のような状態は雨漏り寸前の状態のため、一刻も早い修理が求められます。

雨漏りを起こす前に工事を行うことで、修理費用を抑えることが可能です。

直ぐに修理を依頼しましょう。

危険度:★★★★★

パラペットや笠木の劣化・破損

防水工事というと、屋上やベランダ・バルコニーの床面を想像しがちですが、その他にも重要な箇所があります。

重要なのに見落としがちな箇所として、屋上にある「パラペット」や「笠木」が挙げられます。

パラペットとは、屋根の外周部にある立ち上がった壁のことです。

パラペットとは
<パラペットとは、屋根の外周部にある立ち上がった壁のことです>

また最上部に取り付けられている仕上材(手すり部分)を「笠木」と呼びます。

笠木の隙間の症状例
<劣化すると剥がれてパラペットと笠木の間に隙間ができ水が浸入します>

パラペットや笠木が劣化するとパラペット自体が割れたり、剥がれて笠木との間に隙間ができます。

笠木はパラペットの上に被せるように設置してあるため、下から巻き上げるような強風のときは笠木とパラペットの隙間に水が侵入することがあります。</p >

鉄製の製品であればサビが生じ、劣化の原因となるケースも多いです。

実際にどの程度劣化しているかは笠木を外してみないとわかりませんが、笠木に触れた際、ポロポロと剥がれ落ちてくるようであれば劣化しているサインと考えましょう。

また、笠木の繋ぎ目に塗布されているコーキングの劣化も雨漏りの原因となります。

コーキング材が劣化し柔軟性が低下すると「割れ」や「切れ」の原因となり、できた隙間から雨水が侵入してしまいます。

防水工事の専門業者は笠木を外してのチェックや手すりの根本、コーキングの確認までしっかり行う事ができますので、床面だけではなく細部まで併せて見てもらうようにしましょう。

防水工事には定期的な点検メンテナンスが必要不可欠です。

定期的な点検を行い、メンテナンスを施すことで、防水層を長持ちさせることができ、次回工事コストを抑えることも可能となります。

防水層は、雨風や紫外線に晒され続けるため、少しずつ劣化が進んでいきます。

下記に記載している各工法の耐用年数をチェックし、耐用年数が経過する前に予防工事を実施するのがベストです。

万が一耐用年数を過ぎてしまっている場合は、劣化のサインが目立たなくても早めの工事を検討しましょう。

防水工事のメンテナンスについては動画でも紹介しています。

ウレタン防水 10年~15年
(密着工法は5年ほど、通気緩衝工法は15年ほど)
塩ビシート防水 12年~18年(シートの素材による)
加硫ゴムシート防水 10年~12年
改質アスファルトシート防水 12年~18年
FRP防水 10~12年
(通気緩衝工法は13年~15年ほど)

定期点検

定期的に点検し、予防工事を行うことは、雨漏りを防ぐだけではなく、工事費用を抑えることにも繋がります。

雨漏りしてからの工事は「調査」「修繕」「防水工事」となります。予防工事と異なり「修繕」の工数が大幅に増えるため、見積もり価格も高くなります。

定期点検を実施することで、上述のトップコートやジョイントシールの劣化、シートの浮きや剥がれなどにいち早く気がつき、早めの対処を実施することができます。

点検は、前回工事を行った業者に依頼するのが理想ですが、違う業者に依頼することも可能です。

点検の目安としては、費用は「2〜3万円程度」、頻度は「5年に1度」となります。

※防水工事見積もり.comの業者による防水工事には「1年・5年・10年」の無償点検をお付けしています。工事後のアフターフォローもお任せください。

トップコート塗り直し作業
トップコート塗り直しの作業

メンテナンスにおいて最もメジャーなメンテナンスとしてはトップコートの塗り直しが挙げられます。

「ウレタン防水」「加硫ゴムシート防水」「FRP防水」「アスファルト防水」の防水層の上にはトップコートと呼ばれるコーティングが施されています。※「塩ビシート防水」は基本的にはトップコートは不要です。

トップコートについては下記記事で詳しく解説しています。

ウレタン防水のトップコートとは?単価と塗り替えタイミングも解説!

トップコートは、雨や風、紫外線から防水層を守る役割を担っているものです。

防水層の耐用年数が10年~20年であるのに対し、トップコートの寿命は5~10年と短くなっています。

トップコートに寿命が来ると防水層がむき出しになるため、塗りなおす必要があります。

トップコートの種類は主に3種類あり、中でもシリコントップコートとフッ素トップコートは、10年くらいは長持ちするのでおすすめです。

トップコートの塗りなおしを行うことで、時間の防水工事の費用も安く抑えられるため、定期的にトップコートの塗りなおしを実施しましょう。

また「塩ビシート防水」はトップコートは不要ですが、代わりにジョイントシールの注入が必要です。
(ジョイントシールとはシートとシートの繋ぎ目を接着している溶着剤)

こちらも経年劣化で粘着力が低下するため、10年に一度補修を行っておくと安心です。

ドレンの掃除

ドレンのつまりの症状
<ドレンに土やゴミが詰まっている状態>

屋上の四隅に設置されている、ドレン(排水溝)の役割は、屋上にたまった雨水などを排水するための排水溝です。

ドレンのストレーナー(キャップ)に風などで飛んできた木の葉やゴミがたまりやすい場所です。

木の葉やゴミが詰まると、雨水の排水が妨げられすと、水の流れが悪くなります。

最悪、屋上がプール状態になってしまい、防水層にひび割れや剥がれがある場合は、雨漏りする危険性が高まります。

水の流れが悪くならないように、定期的にドレンとその周辺のゴミを撤去することが重要です。

これにより、防水層の劣化や雨漏りのリスクを低減できます。

年1回はドレンを清掃する

1年に1度は屋上に上っていただき、ドレンを清掃されることはオススメです。

台風や風の強い日は、屋上にゴミがたまりやすいため、近日中に屋上に見にいくと良いかもしれません。

自分で清掃するか、清掃業者に依頼をする

ご自身で、家庭用高圧洗浄機、パイプクリーナーを使って清掃すると楽です。
*ホームセンターで売っています。

近所の便利屋さんに頼んで、定期的なドレン清掃を行うことが効果的です。

便利屋さんは時間給が多く、比較的、安価で清掃してくださるのでオススメ方法です。

防水工事の専門家
防水工事は防水工事専門の業者に依頼しよう

防水工事を成功させるためには、優良防水工事業者に依頼しなければなりません。優良防水工事業者を選ぶコツは下記の通りです

  • 防水工事専門業者へ依頼する
  • 複数社見積もりをする
  • 適正価格の業者を選ぶ
  • パラペットや笠木の劣化・破損
  • 防水工事アドバイザーや業者紹介サービスに相談する

防水工事の専門業者へ依頼する

防水工事を業者に依頼する際に、塗装業者やリフォーム業者に依頼する方が多くいます。

防水工事の認識調査
<防水工事の勘違い調査>

2018年に防水工事見積もり.comでユーザー調査を行ったところ、90%の方が防水工事と塗装は同じものだと思っていたと回答しました。

塗装業者やリフォーム業者に依頼をすると、塗装業者が防水工事業者に二次委託する事があります。その場合、中間マージンを取られてしまい、工事費用が高額になります。

防水工事業者でも業者ごとに得意分野が変わる

加えて、同じ屋上防水工事であったとしても、実は業者ごとに得意な分野というのが存在します。

ウレタン防水工事が得意な業者とシート防水工事が得意な業者が居た時、それぞれに専門の工法を依頼することでコストを抑えることが可能となります。

安く抑えられる理由としては、専門の業者は年間の工事量が多く、メーカーからの仕入れ等が比較的安価になることから、見積もり価格も下がる傾向にあります。

そのため、同じ工法・使用材料であったとしても価格に差が出るのです。

せっかく同じ工事をするのであれば、より安価に押えられる専門の業者に依頼するようにしましょう。

複数社から見積りを取り比較する

見積もりは必ず複数の業者に依頼をしましょう。

防水工事の費用が下がった事例
<防水工事見積もり.comの事例>

防水工事見積もり.comは、優良防水工事業者を最大3社紹介するサービスを行っており、実際のお客様で先に別の業者で見積もりを取られたときに、3億円の見積もりだったものが、防水工事見積もり.comが紹介した業者が現地調査と見積もりを取ったところ、なんと1億円まで下げることができました。

要因としては様々ありますが、こちらのケースだと中間マージンが高額であった事が原因でした。

防水工事は高額でありつつ、見積りの内容や相場が分かりにくいため、適正ではない費用を支払ってしまう方も多くいる現実があります。

相見積もりを取ることで、価格の相場や適切な工法を把握しやすくなります。

また、現地調査の際に可能であれば業者の方に色々質問してみましょう。

しっかりと話を聞いて回答してくれる業者の方が安心です。

見積内容についても同様に、細部までしっかりと説明してくれる業者を選ぶようにしましょう。

防水工事の見積もりの見方や不正の見抜き方は下記の記事で紹介しています。

防水工事の相場と費用は?|見積もりを公開中。3ステップで簡単!不正な見積りの見抜き方

適正価格の業者を選ぶ

見積もり価格だけで業者を選ばないように注意しましょう。

価格が安すぎる見積もりには、必要な防水施工の内容が含まれておらず、トラブルに発展するケースが多く見られます。

高い見積もりが悪いわけではなく、本当に必要な項目が入っているため、費用が上がっているケースもあります。

高い見積りのよくあるケースは、一般管理費や現場管理費などの不要な項目が含まれています。

見積の内容を確認し「必要な工事が含まれているか」「適正価格から外れた金額ではないか」を確認の上、業者を選ぶようにしましょう。

防水工事アドバイザーや業者紹介サービスに相談する

10数年に一度の工事では、良し悪しのジャッジメントをするだけの経験は詰めないですし、 ネットに書いてある事では、何が正しいかよく分からなくなる場合も少ないくないかと思います。

防水工事は専門性が高いため、必要な項目、適正価格を見分けるのが、難しいです。

そこで、見積もりの解説を防水工事アドバイザーや第三者機関に見てもらうことは選択肢の1つです。

防水工事見積り.comでは「見積もり解説サービス」や「優良業者紹介サービス」を実施しております。

複数の業者から見積を取ったがどれが良いのかわからない、適正価格かどうか判断がつかない、オススメの業者を紹介してほしい…などお困りのことがあればぜひご相談ください。

皆様の工事を全力でサポートさせていただきます。

は防水工事の方法4種類の特徴、耐用年数、単価、メンテナンス、業者の選び方までご紹介しました。

防水工事は、修理が高額であり、建物の維持コストに大きく関わる工事になります。業者の提案そのままに採用してしまうと、ぼったくりや手抜きの被害に合う可能性があります。

まずは基本的な知識を知ることが大切ですが、防水見積もり.comでは見積書の無料診断や優良防水工事業者を最大3社無料紹介を行っています。

工事費用を大幅に削減しているケースがほとんどです。防水工事を検討されているのであれば、ぜひご活用くださいませ。

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