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アスファルト防水とは?3つの工法の特徴と単価・工程を解説

更新日:2024年5月21日 BY 福島 慎介

アスファルト防水とは?

アスファルト防水は、多くの大規模建築で採用され、過去から現在にいたるまで公共工事にも使われてきた歴史と信頼性がある防水工法です。

国土交通省:公共建築改修工事標準仕様書

大型のビルやマンション、学校など、特に広い面積の建物に最適なアスファルト防水ですが、塩ビシート防水機械固定工法が採用される傾向も強まっています。

アスファルト防水は他の防水工法と比較しても建物へ負荷もかかるため、メリットデメリットを理解し、他の防水工法と比較しながら、アスファルト防水を採用するかどうかを決定する必要があります。

こちらの記事は、防水工事を検討されている不動産のオーナーさんや管理組合さんがアスファルト防水について基礎知識をつけ、適切な防水工事の導入をサポートします。


アスファルト防水アスファルト防水は歴史が長い工法

アスファルト防水とは、加熱して溶解したアスファルトと専用の防水シートを使用し、層を重ねて施工する方法です。これは防水工事の中で最も古くから行われており、絶対的な実績のある防水工法です。

現在、主に使用されているのは「改質アスファルトシート」を利用した工法で、従来の方法に比べてさらに温度特性や耐候性が強化されています。

アスファルト防水は大きく分けて二つの方法があります。

2種類の工法アスファルト防水の2つの分類

一つは従来型のアスファルトシートを溶解アスファルトで躯体に接着する方法。

もう一つは「改質アスファルトシート防水」と呼ばれる技術で、こちらは合成繊維不織布を使用した改質アスファルトシートを直接躯体に接着します。

通常のアスファルトシート防水が、3層から4層の積層となることに対し、改質アスファルトシートを使用する工法の場合、1層から2層で十分な防水効果を得ることができます。

また、合成繊維不織布の使用は、アスファルトシートにおいてしばしば問題となる「亀裂の発生」を防ぐことができます。

アスファルト防水基礎データ

メリット信頼性の高い確かな工法押えコンクリート仕上げが可能施工後すぐに防水性能を発揮可能雨にも強く耐久性に優れている
デメリット複雑な形状の建物や木造の建物には施工不可施工中に熱や臭いが発生するため近隣への配慮が必要施工可能な業者が限られているため、専門業者への依頼が必要
耐用年数12~18年ほど
単価5,000円~7,500円

アスファルトで密着させながら防水シートを積層するため、塗膜防水とシート防水のメリットを集約したような施工方法です。耐久性に非常に優れるため、ビルや大きなマンションなどの屋上に数多く施工されています。一方で、他の防水層と比較すると重量があるため、耐震性のない建物や木造の建物には向いてません。

アスファルト防水は、どんな建物に向いていますか?

アスファルト防水が向いている建物アスファルト防水が向いている建物

構造はRC造で、200㎡以上ある広い面積の建物に向いています。アスファルト防水の材料の重量が塩ビシート防水やウレタン塗膜防水にくらべて約3倍くらいあります。

  • アスファルト防水:約7kg/1㎡
  • 塩ビシート防水:約2kg/1㎡
  • ウレタン塗膜防水:約1kg/1㎡

そのため、ある程度広い面積と構造がコンクリート造ですと相性が非常に良いです。大型の分譲マンション・学校・病院・施設で採用されることもありますが、塩ビシート防水が主流になってきています。
理由は、塩ビシートは耐久性が15年~20年と長く、30年も耐久性が持つ工法も出てきています。アスファルト防水は5~10年ごとにトップコートの塗り直しのメンテナンスがありますが、塩ビシート防水はメンテナンスが不要です。

改質アスファルトシート改質アスファルトシートを敷く作業

改質アスファルトシートは、標準のアスファルトにポリマーを添加して改良された防水材です。アスファルトの柔軟性と耐久性を兼ね揃え、低温でのひび割れや、高温でやわらかくなることによる機能低下も防ぐことができます。屋上だけでなく、地下室の防水層としても使用されています。

改質アスファルトシートは環境に配慮されており、リサイクルできる材料を使用しています。耐候性に優れ、防水層の耐用年数を延ばす事ができるシートです。

アルファルト防水には主に下記の3つの工法があります。

  • 熱工法
  • トーチ工法
  • 常温粘着工法(冷工法)

熱工法は、溶融釜で溶かしたアスファルトを貼り重ねて施工する方法ですが、大型のビルやマンション・施設(学校や病院など)の新築時のみに使います。アスファルトの改修工事は、トーチか冷工法(正式名 常温粘着工法)が一般的です。

熱工法

アスファルトを高温(200℃から270℃)に熱し、これを流し込んだ場所に防水シートを重ねていく工法です。日本では100年以上前から行われている歴史ある工法で、信頼性が非常に高い工法と言われています。

歴史はあるものの、現在では改修工事で使われることがほとんどありません。変わるものとして、ストライプ工法、BANKS工法があります。

アスファルトがすぐに固まるため防水層の形成を簡単に行えるのがメリットですが、高温でアスファルトを溶かす際に異臭や煙が出るため、近隣住民への配慮が必要となります。

熱や煙がでるので周りの環境を配慮していることと、取り扱える業者が少なくなっています。また溶融釜で溶かした2~4枚のアスファルト防水をすると重さで建物に負荷もかかるため、採用がされていません。

トーチ工法

トーチ工法の作業トーチ工法の作業
トーチ工法の断面図トーチ工法の断面図

現在の主流となりつつある工法で、改良されたアスファルトシート(改質アスファルトシート)を高温(800~1000℃)のトーチバーナーで炙りながら施工する方法です。上述の熱工法では、アスファルトの溶解とシートの貼り付けは別工程で実施する必要があるのですが、トーチ工法ではバーナーでシートを炙りながら貼り付けていくため効率的に施工が可能となっています。

注意点としては、シートを熱しながら貼り付けていく際、完全に密着させるには技術力が必要となる点が挙げられます。そのため、トーチ工法を選択する際は、より確かな技術力のある業者へ依頼する必要があります。

常温粘着工法(冷工法)

常温粘着工法(冷工法)の作業常温粘着工法(冷工法)の作業
常温粘着工法(冷工法)の断面図

冷工法とは熱でアスファルトを溶かさずに施工する方法です。トーチ工法で利用する「改質アスファルトシート」の裏に粘着層のコーティングを行い、熱を利用せずにシートを密着させていきます。

煙も臭いも出ず環境にやさしい工法ですが、シート同士の隙間を埋めるために上述の2工法よりも多くのシートを重ねる必要があります。防水層の重量が大きくなるため、建物や屋上の耐久性を考慮する必要がある施工法です。一般的に煙や臭いが出にくいため、密集している住宅街でも採用されることが多いです。

アスファルト防水の各工法にはそれぞれ独自の特徴とメリット・デメリットがあります。

改質アスファルトトーチ工法改質アスファルト常温粘着工法(冷工法)アスファルト防水熱工法
特徴改質アスファルトを用いたルーフィングシートを貼り付ける工法。改質アスファルトを用いたルーフィングシートを貼り付ける工法。アスファルトルーフィングを、溶融したコンパウンドで貼り付ける工法。高い信頼性と実績を誇ります。
メリット・防水性が高く、接着性も強い

・既存のアスファルト防水の上にかぶせることができる

・マンションや大型建物の実績数が多い
・広範囲を一度に施工可能なため工期短縮が可能

・剥離紙をはがして接着するので、アスファルトが溶けたときの臭いがしない

・火を使用しないため室外機などが設置されていても、焦げたり溶けたりしない
・歴史が古いのでデータなどが豊富

・130年の実績がある

・水密性や耐久性に優れ、寿命年数も17年以上

・厚ミリは6~10ミリと一番分厚い
デメリット・高温の火で炙るため、下地を痛める可能性がある

・煙や臭いが籠りやすい

・火を使うため室外機などがあると焦げたり、溶けたりと危険

・定期的(5~8年毎に)にトップコートをする必要がある
・剥離紙をはがして接着するので、溶かした時よりも密着度が低い

・定期的(5~8年毎に)にトップコートをする必要がある
・小さい面積の建物には向いていない

・非常に重いので建物に負荷がかかる

・工事中の匂い・煙がでる
単価/㎡6,500~7,500円5,000~6,000円10,000~15,000円

熱工法は、日本における防水工事では100年以上もの歴史があり、信頼性の高い工法ですが、そもそも修繕工事には採用されません。修繕工事には、トーチ工法と冷工法のどちらかの工事を選択されるのがほとんどです。

アスファルト防水の3つの工法の工程(やり方)を紹介していきます。
プライマーの塗布までは同じ工程になりますが、パラペットから違いが出てきます。
1つずつ紹介していきます。

トーチ工法の流れ

トーチ工法の流れトーチ工法の流れ6ステップ

工期:7日~12日/100~150㎡

①下地清掃

最初に、施工面の全ての汚れや不純物を徹底的に除去し、防水層がぴったりと接着できるようにします。

②下地処理およびドレン設置

下地の状態を整え、建物の状態に応じて補修を行った後、雨水の排水のためにドレンを設置します。ドレンは、水の滞留を防ぎ、長期的な防水性能を保つために重要です。

③プライマー塗布

防水シートを接着させるために、プライマーを均一に塗布します。プライマーは下地と防水シート間の結合を促進し、耐水性を高めます。

④パラペットにシートの貼り付け

パラペット立ち上がり部分には特に注意深くシートを貼り付けます。このエリアは水漏れが発生しやすいため、細部にわたる防水が重要です。

⑤アスファルトシート貼り付け

トーチバーナーを使用してシートの裏面と下地を加熱し、アスファルトを溶解させながらシートを接着します。この方法は、シートが下地に密着することで高い防水効果を発揮します。

⑥トップコート塗布

紫外線や悪天候から防水層を守るため、最後にトップコートを塗り完了です。トップコートで仕上げることで、シートの耐候性を向上させ、長期間、防水効果を保つことができます。

常温粘着工法(冷工法)の流れ

常温粘着工法(冷工法)の流れ常温粘着工法(冷工法)の流れ7ステップ

①下地清掃

最初に、施工面の全ての汚れや不純物を徹底的に除去し、防水層がぴったりと接着できるようにします。

②下地処理およびドレン設置

下地の状態を整え、建物の状態に応じて補修を行った後、雨水の排水のためにドレンを設置します。ドレンは、水の滞留を防ぎ、長期的な防水性能を保つために重要です。

③プライマー塗布

防水シートを接着させるために、プライマーを均一に塗布します。プライマーは下地と防水シート間の結合を促進し、耐水性を高めます。

④パラペットにシートの貼り付け

パラペット立ち上がり部分には特に注意を払い、シートを貼り付けます。ここは水漏れが起こりやすいため、特に丁寧な作業が求められます。

⑤アスファルトシートの貼り付け

改質アスファルトシートを下地に対して貼り付けます。この工法では、高温での加熱が不要であり、施工環境に応じた対応が可能です。

⑥繋ぎ目のシーリング

シートの接合部にはシール材を充填し、水の浸入を防ぎます。これにより、全体の防水性が強化されます。

⑦トップコート塗布

紫外線や悪天候から防水層を守るため、最後にトップコートを塗り完了です。トップコートで仕上げることで、シートの耐候性を向上させ、長期間、防水効果を保つことができます。

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カテゴリー :アスファルト防水 

福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして10,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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