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ウレタン防水とは?適正単価と業者選びの注意点を公開

「ウレタン防水の見積もりをもらったけど、価格が適正か分からない」「見積もりを比較してみたけど、どうやって業者を選べばいいか分からない」という人も多いのではないでしょうか。

ウレタン防水は日本の防水工法でもっとも主流な工法ですが、悪徳業者も多く注意が必要な工法です。

本記事では2000件以上の防水工事をサポートしてきた「一般社団法人 防水工事推進協会」のアドバイザーが、ウレタン防水について徹底解説します。

メリットやデメリット、工法の違いから適切な見積もりチェックの仕方まで紹介するので、参考にしてみてください。


ウレタン防水基礎データ

ウレタン防水は国内で施工される防水工法の46%を占めており、最も主流な防水工事の工法の1つです。

防水工事の中では比較的安価なうえ、塗り重ねの改修が可能。複雑な建物にも適しており、メリットが多く提案されることも多い工法です。

しかし手抜き工事をする悪徳業者も多く、注意が必要な防水工法でもあります。

1-1. メリット:安価で補修しやすい

比較的安価

ウレタン防水は他の防水工事の工法よりも安価です。全体の工事金額で見ると、他の工法よりも50万円ほどは安くなります。

【工事金額例】
・ウレタン防水100㎡:50万円
・塩ビシート100㎡:120万円

もちろん工法によって耐用年数も変わりますが、工事費用を抑えたい人にはおすすめの工法です。

工事後も補修しやすい

ウレタン防水は重ね塗りをして改修できる工法。工事後に破損があった場合も、一部を重ね塗りして補修できます。

他の工法ではウレタン防水ほど、一部改修をしやすいものはありません。

ウレタン防水ではメンテナンスの費用も比較的安くできますよ。

複雑な建物にも適している

ウレタン防水はシートを貼るのではなく、塗るタイプの防水工法。だから複雑な建物の防水工事にも適しています。

凹凸があったり、正方形ではない複雑な形をした建物も工事がしやすいです。

1-2. デメリット:信頼できる業者を見つけないと、失敗の可能性も

悪徳業者に要注意

手抜き工事をしやすい

ウレタン防水は塗った後、その下がどうなっているかは見た目では分かりません。そのため業者にとっては、手抜き工事をしやすい工法でもあります。

信頼できる職人に頼まないと手抜き工事をされ、1年後にまた雨漏りをしてしまうことも。

職人の腕で仕上げが変わる

ウレタン防水の工事は、職人の腕次第で仕上がりが異なります。

工場で作られた既製品を使うシート防水などと異なり、ウレタン防水は職人が現場で材料を混ぜて使います。

また「何ミリで重ね塗りをする」などと、職人の技術が必要な工法。

見積もりが安いというだけで選ぶと、ギャンブルと同じでどう仕上がるか分かりません。

1年も経たずに剥がれやすい、膨れやすいなどの硬化不良が起こることもあります。

ウレタン防水工事は、信頼できる業者に依頼することが重要です。

ウレタン防水2つの工法

ウレタン防水は2つの工法があり、それぞれ特徴が異なります。工法によって向いている建物や耐用年数が異なるので、どちらの工法がいいのか判断できるようによく理解しておきましょう。

【ウレタン防水の代表的な工法】
・雨漏りに最適な「通気緩衝工法」
・初期費用が安い「密着工法」

2つの工法の一番大きな違いは、通気緩衝シートの有無です。 通気緩衝シートは雨水を吸い取ってくれ、雨漏り対策に有効です。

2-1. 雨漏りしている建物に最適な「通気緩衝工法」

ウレタン防水2つの工法
雨漏り有効度 ★★★★★

雨漏りに有効な工法です
価格相場(目安) 5,500円~6,500円
平均寿命(目安) 12年~15年
保証 10年

通気緩衝工法は通気層を持つため、雨漏りに最も効果的な工法です。初期費用は上がりますが、雨漏りに悩んでいる方は「通気緩衝工法」を選びましょう。

なお、通気緩衝工法は防水工事の専門業者でないと提案ができません。

塗装業者さんなどが見よう見まねの通気緩衝工法を提案するケースもあるため、どんな業者かよく確認する必要があります。

メリット

  • ・通気層を持ち、雨漏りしている建物にも効果的
  • ・膨れにくいため、密着工法よりも長持ちする
  • ・工事後のメンテナンスが楽
  • ・工事後のメンテナンスの費用が安い
  • ・しっかりメンテナンスをすれば、半永久的に持つ

一番のメリットは長持ちすること。密着工法よりもメンテナンス工事の頻度が下がります。結果的にランニングコストを下げられますよ。

【工法別の耐用年数】
・通気緩衝工法:1度の工事で15年維持できる
・密着工法:1度の工事で5年維持できる

デメリット

・初期費用が高め
密着工法の1.5〜1.7倍はかかります。

デメリットは初期費用が高めなこと。しかし密着工法に比べて、メンテナンスの工事は1/3回で済むため、長期的には安くなることが多いです。

こんな人におすすめ

  • ・雨漏りした建物の防水工事をしたい人
  • ・1回の工事でより長持ちさせたい人

「何度も工事をしたくない」「メンテナンスに時間をかけたくない」という人や、時間があまりないマンションオーナーさんにもおすすめの工法です。

【参考記事】ウレタン防水通気緩衝工法とはどんな工程なの?▽

2-2. 「密着工法」は安いが雨漏りしている建物には向かない

ウレタン防水 密着工法とは
雨漏り有効度 ★☆☆☆☆
雨漏りしている建物には不向きな工法です
価格相場(目安) 4000円~5500円/1㎡
平均寿命(目安) 5~10年程度
(5年~8年毎のメンテナンスを推奨)
保証 5年~10年

密着工法は雨漏りしている建物では選んではいけません。

下地と防水層を密着させる工法で、雨水を吸い取る機能がありません。

下地に含まれてしまった雨水はそのまま。膨れの原因になって雨漏りが再発してしまいます。こちらの動画をご覧ください。

ウレタン密着工法とトップコートの塗りなおしのみの工事は、雨漏りした建物では選んではいけません。

雨漏りをしていない建物だったら、初期費用を安く防水工事ができます。

メリット

  • ・初期費用が安い
  • ・工程が少なく工事の日程が短い(晴れていれば2日、3日で終わることも)

初期費用が安いため、予算を抑えて防水工事をしたい人には向いています。

デメリット

  • ・通気性能を持たないため破断が起きやすく、雨漏りした建物には向かない
  • ・耐久性が強くないため、10年に1回はメンテナンスの工事が必要
  • ・防水工事の専門ではなくてもできる工事のため、業者を慎重に選ばないと失敗する可能性が高い

密着工法は防水工事の専門業者以外も提案できます。そのため業者を慎重に選ばないと、専門技術のない人が工事をする可能性もあります。

こんな人におすすめ

  • ・数年後には売却、建て替えを考えている(直近5年ほど維持できればいい人)
  • ・10年おきにメンテナンスの工事ができる人

<ウレタン防水の基礎データ>

手抜き注意度 ★★★★★
価格相場(目安) 4000円~6000円/1㎡
平均寿命(目安) 5年~15年程度
(5年~10年毎のメンテナンスを推奨)
保証 5年~10年
工法 X-1工法 (通気緩衝工法・絶縁工法 ・ 脱気工法 )
X-2工法 (密着工法 )
適した建物 基本的に、どの箇所でもお勧め
複雑な形状の建物でも施工出来る
ビルやマンション等、貯水槽や室外機等が多いところ
オススメ工法 ウレタン密着工法  :5年程度持てばよい人
           (売却予定有りなど)
ウレタン通気緩衝工法:確実に10年以上は持たせたい人
不向きな建物 ALC(軽量鉄骨:ハウスメーカー)
主なメーカーと特徴 AGCポリマー建材 …サラセーヌが有名です
ダイフレックス  …エバーコートが有名です
田島ルーフィング …オルタックが有名です
日本特殊塗装   …プルーフロンバリューが有名です

3-1. 密着工法の正しい見積もり

<屋上防水 密着工法 100㎡>

高圧洗浄 高圧水洗浄150kg圧:35,000円
下地処理・ケレン清掃 100㎡×500円=50,000円
下地補修 ひび割れ、欠損補修(100㎡×20%)
20㎡×3000円=60,000円
平場ウレタン塗膜防水 密着工法100㎡×4000円=400,000円
立上りウレタン防水 密着工法45m×2500円=112,500円
改修用ドレン設置 新規設置4箇所×15,000円=60,000円
小計 717,500円

<諸経費>

発生残処費分 1式30,000円
諸経費・現場管理費 1式30,000円
材料荷上げ費、荷下ろし費 1式30,000円
小計 90,000円

<その他サービスに含まれるもの>

  • ・保証期間:屋上5年
  • ・アフター点検1・3・5年実施
  • ・屋上DSM-300(ダイフレックス)

3-2. 通気緩衝工法の正しい見積もり

<屋上防水 通気緩衝工法100㎡>

高圧洗浄 高圧水洗浄150kg圧:35,000円
下地処理・ケレン清掃 100㎡×500円=50,000円
下地補修 ひび割れ、欠損補修(100㎡×20%)
20㎡×3000円=60,000円
伸縮目地撤去・打ち換え シーリング処理1式:20,000円
平場ウレタン塗膜防水 通気緩衝工法100㎡×5500円=550,000円
立上りウレタン防水 密着工法 補強メッシュシート入り

45m×3000円=135,000円
改修用ドレン設置 新規設置3箇所×15,000円=45,000円
脱気筒設置 新規設置2箇所×12,000円=24,000円
小計 919,000円

<諸経費>

発生残処費分 1式30,000円
諸経費・現場管理費 1式30,000円
材料荷上げ費、荷下ろし費 1式30,000円
小計 90,000円

<その他サービスに含まれるもの>

  • ・保証期間:屋上5年
  • ・アフター点検1・3・5年実施
  • ・屋上DSM-300(ダイフレックス)

3-3. その見積もり正しい?セルフチェックポイント

その見積もり正しい?セルフチェックポイント

防水工事のプロがいつもチェックする見積もりのポイントを公開します。見積もりをすでに持っている方は、下記項目をチェックしてみてください。

保証年数が書いてある

保証がサービスに含まれている場合、見積もりに記載してあります。5年、10年などの保証年数の記載があるか、しっかり確認しましょう。

メーカー名や工法名の記載がある

メーカー名や工法名の記載があるかも確認してください。防水工事の見積もりは工法名やメーカー名の記載が一般的です。

下地処理・材料名の記載がある

防水工事には必ず下地処理が必要です。材料名と単価が記載されているか確認しましょう。下地処理を「1式」などと書いてある見積もりには注意してください。

定期点検年数が記載してある

定期点検がサービスに含まれる場合、見積もりに記載してあります。防水工事は定期点検によって長持ちさせられるので、必ずサービスに含まれている業者を選んでください。

当サイトで紹介している業者はすべて、「1年・5年・10年」の定期点検をサービスに含んでいます。

諸経費・管理費が適切な価格か

諸経費、管理費を高く設定する業者もあるから注意してください。目安としては100㎡のウレタン防水工事で10万円以内が妥当です。

もしも見積もりをチェックしていて不安な点があれば、「防水工事推進協会」の防水アドバイザーに無料相談してみましょう。

防水工事の費用を安くする方法についても紹介しています。

>>防水工事の専門家に無料相談をしてみる

【参考記事】既に見積もりを持ってるなら必ずチェック!▽

ウレタン防水工事をした方がいいタイミング

屋上やベランダで、以下の症状が1つでもあると危ないです。早急に防水工事をした方がいいため、放置をせずに信頼できる業者を探しましょう。

  • ・ 塗装の剥がれや色褪せがしている
  • ・至る所にひび割れが発生している
  • ・塗膜が浮いている、または膨れている
  • ・水が溜まりやすくなっている
  • ・ドレン(排水溝)が錆ていたり、植物が生えている
  • ・一度でも雨漏りしたことがある

5-1. 屋上防水工事の実績がある会社を選ぶ

屋上防水工事の実績があるか

ベランダではなく、屋上防水工事の施工実績がある業者に依頼しましょう。防水工事をする業者の中には防水工事専門ではなく、塗装業者が提案してくることもあります。

ベランダぐらいの狭さの防水工事はで塗装業者でもできますが、屋上防水は難しいです。雨漏りを止めたり、10年以上長持ちさせるような防水工事は、屋上防水の実績がある防水業者に依頼しましょう。

ウレタン防水は「何mmで重ね塗りをする」などの専門的な技術が必要で、面積が広かったり雨水が直接触れる屋上は特に難しいです。

【参考記事】防水業者と塗装業者の大きな違い、知ってますか?▽

5-2. 防水工事専門の業者に依頼する

ウレタン防水を依頼する際の業者の選び方

ウレタン防水はあまり知識のない塗装業者やリフォーム会社が 「塗ればいいんでしょ?」と勘違いし、悪徳業者の被害が多い工法でもあります。

防水工事専門の会社に依頼するために、必ず会社概要を確認しましょう。事業内容の一番上に「防水工事」の記載がある業者は、防水専門業者といってほぼ間違いないです。

ウレタン防水は本来は2層3層と重ね塗りをしますが、最後のトップコートを重ねれば、中の防水層は一切わからないため、最もごまかしのきく工法でもあり注意が必要です。

本来の防水層の厚さは2mm以上です。 防水層の厚さだけでなく、硬さも大切で、実は奥が深い防水です。

悪徳業者の被害に合わないためにも、必ず防水工事専門の業者に依頼しましょう。

【参考記事】防水工事を提案されたけど本当に大丈夫?

1.仮防水

既存防水を撤去した箇所に、仮防水(カチオン樹脂)をしていきます。下地がむき出しになってしまため、工事中に雨が降った対策として仮防水を行っています。
防水専門業者以外だと、省かれるケースがあります。

2.通気緩衝シート(旭硝子サラセーヌ)

シート全体で水を吸っていくタイプのシートで、高機能です。他のメーカーさんですと、アスファルト性でできた通気シートを下地に貼っていく方法もあります。防水専門業者では、建物や状態によって、同じ通気緩衝工法でも、使うメーカーを変えた提案を行います。

3.ウレタン防水(2層目)ウレタン剤をまく

晴天の日は、硬化スピードが早いため素早く防水加工をしていく必要があります。天気によって、作業スピードを変える必要があります。

4.ウレタン防水(手すり・クラウド注入)

手すりがガタガタになっている建物に、手すりの根本にクラウド剤(腐食防止)を注入していきます。腐食を防ぐだけでなく、手すりの強化にもなり、安全対策に効果があります。防水専門業者では、屋上防水のスペシャリストのため細かい部分も提案してくれます。

火災保険が適応されるケース

強風で物が飛んできて、防水層が傷ついた、など自然災害により火災保険が適応されるケースがあります。
とにかく、現場の状況が分かる写真を撮ることが重要です。

「これは保険対象になるのかしら?」と少しでも気になったらご相談ください。
火災保険の申請のスペシャリストに無料相談できます。お気軽にお問合せください。

8-1. 大雨の前にドレン排水溝の掃除をする

ドレン(排水溝)の清掃は定期的に行う

大雨が降る降る前に、ドレン周辺の落ち葉などを掃除しましょう。落ち葉が排水溝に詰まると、大雨のときに屋上に水が溜まってしまい、雨漏りの原因になります。

台風が来る前の7月などに掃除をして、昨年の落ち葉を処理しておくと安心です。

マンションやアパートのオーナーさんは、夏の間に管理会社さんに屋上を掃除してもらえるように依頼をしておきましょう。

8-2. 業者に定期点検をしてもらう

ウレタン防水は、隅部とシーリングが大事

ウレタン防水は、隅部とシーリングが部分が大事ですが、残念ながら自分自身で処理できる部分ではありません。
こちらは、業者さんの定期点検で、しっかりチェックしてもらってください。

見積もりをとったときに、定期点検がサービスに入っているか確認しておくといいです。

1年、5年、10年は点検をしてもらった方が安心ですよ。当サイトで紹介する業者は、すべてサービスとしてやってもらっています。

>>【無料】防水工事の優良業者に見積もりを依頼してみる

8-3. トップコートを塗り直す

定期的なトップコートの塗りなおしで、永続的に持たせる

ウレタン防水は、5年~10年に1度はトップコートの塗りなおしが必要です。
万が一、何かあっても早めにメンテナンスをすることで、一部補修で済み、結果的に費用を抑えることができます。

トップコートの塗り直しのタイミングは、定期点検のときに業者に確認しましょう。

日当たり具合や立地などの条件で、塗り直しのタイミングが異なってきます。塗り直しのタイミングを逃さないためにも、定期点検をしっかりするのがおすすめです。

ここまでウレタン防水について解説してきました。悪徳業者の被害に合わないためにも、下記の点は特によく覚えておいてください。

  • ・ウレタン防水は、定期的なメンテナンスが必要
  • ・雨漏りしている建物に、密着工法は採用しない
  • ・通気緩衝工法は、防水専門業者しか施工できない

9-1. 【無料】あなたの見積もりを診断!優良業者の一括見積もりも

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