ウレタン防水通気緩衝工法の施工手順(絶縁工法)

更新日:2024年9月5日 BY 福島 慎介
ウレタン防水通気緩衝工法

ウレタン防水通気緩衝工法は、別名ウレタン防水絶縁工法とも呼ばれています。

ウレタン通気緩衝工法は、防水工事見積もり.comでシート防水機械固定工法の次に採用されている工法です(2019年~2023年の施工実績)。

ウレタン防水の過程で、屋上を塗装する部分があるため、塗装業者や工務店などが自社でできると勘違いされがちですが、実際は様々な工夫や職人の技術が必要です。

「ウレタン防水」=「雨漏りに対応できる防水」ではなく、「雨漏りに対応できる防水」=「ウレタン防水通気緩衝工法」になります。ウレタン防水の密着工法は既に雨漏りをしている場合に施工しても雨漏りは止まりません。

本記事は防水工事アドバイザーである福島が、ウレタン防水の通気緩衝工法について解説します。施工工程の動画も観衆しているので、通気緩衝工法の基礎知識から施工手順まで知ることができます。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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ウレタン防水の単価については下記の記事でも纏めています。


ウレタン防水通気緩衝工法の断面図
<ウレタン防水通気緩衝工法の断面図>
雨漏り有効度 ★★★★★
雨漏りに有効な工法です
価格相場(目安) 6,000円~7,500円/1㎡
平均寿命(目安) 13年~15年
(5年~8年毎のメンテナンスを推奨)
保証 10年

ウレタン防水通気緩衝工法は最も主流な防水工事の工法の1つで、雨漏りをしている建物に適しています。

 比較的低コストで高い耐久性と優れた伸縮性を持ち、通気シート(絶縁シート)を挟み脱気筒を設置することで防水層内部の蒸気を逃し、膨れを防ぐことが可能です。

液状であるため、施工が難しい凹凸のある建物や屋上、階段、ベランダなど、複雑な建物にも適している工法です。

通気緩衝工法だけでなく、ウレタン防水の全体を理解したい方は、ウレタン防水とは?の記事をご覧ください。

ウレタン防水とは?防水専門家が工法・メリットデメリット・費用を解説!

ウレタン防水通気緩衝工法については下記の動画でも解説しています。

ウレタン防水通気緩衝工法は呼び方が3つある

ウレタン防水通気緩衝工法は、3つの呼び方があるので、間違えないように注意しましょう。

ウレタン防水通気緩衝工法でも3つ呼び方
<ウレタン防水通気緩衝工法でも3つの呼び方がある>

業者ごとに呼び方が違うため、複数社に見積もりを取ると分かりにくくなってしまいますので、覚えておきましょう。

ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法)の施工手順
<ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法)の施工手順>

ウレタン防水通気緩衝工法は、1~20までの工程があります。こちらのセクションでは動画付きで解説していきます。

2-1. 既存ウレタン防水の撤去作業

既存の防水層に水が溜まっているため、一度既存防水を撤去をしています。

2-2. 入隅(いりずみ)箇所の仮防水

一度シーリングをし、カチオン樹脂で丁寧に仮防水をしていきます。隅の部分から雨漏りしやすいため、丁寧に処理します。

2-3. 仮防水

既存防水を撤去した箇所に、仮防水(カチオン樹脂)をしていきます。下地がむき出しになってしまため、工事中に雨が降った対策として仮防水を行っています。

防水専門業者以外だと、省かれるケースがあります。

2-4. 接着剤を作成中

緩衝シートを貼り付けるための接着剤です。

2-5. AVボンドを塗る作業

仮防水の後、AVボンド(接着剤)を塗っています。これは、直後からひく緩衝シートを密着させるためのボンドで、旭硝子サラセーヌさんの工法です。メーカーにより多少手順が異なります。

2-6. 通気緩衝シートを張る

緩衝シートは2種類あります。今回のはシート全体で水を吸っていくタイプのシート(旭硝子サラセーヌ)のため、高機能です。

他のメーカーさんですと、水分は吸わずに地上に逃がしていくシートがあります。サラセーヌさんのシートは、下地に含んだ水をシート全体で吸って、脱気筒を通じて地上に少しずつ水分を逃していていくため、効率的です。

雨漏りしている建物に効果絶大です。

他、下地の挙動を抑えるため、屋上のヒビ割れ対策になり、地震に強くなりますが、緩衝の効果は、他メーカーさんの方が高いこともあります。
防水専門業者では、建物や状態によって、

同じ通気緩衝工法でも、使うメーカーを変えた提案をします。

2-7. 通気緩衝シート(その2)

シートをひいた後、よれやねじれを防ぐため、ローラーで綺麗に丁寧に整えていきます。

2-8. 脱気筒の設置

下地に含んだ水分を逃がす脱気筒を取り付けています。この脱気筒から水分が逃げていきます。脱気筒の設置場所によって、効果が変わります。防水専門業者では、

最少の数で最大の効果が発揮できるように脱気筒を設置しています。

工事費用の節約にもなります。

2-9. ウレタンの溶剤を混ぜる

ウレタン防水剤は、主剤と硬化剤を混ぜて使用することが主流です。この液体を、屋上に塗装していきます。


建物や防水の状態ごとに配合を変えるため、硬さや粘度が大事になってきます。

2-10. ウレタン防水(一層目)

通気シートをひいた後、ウレタン防水の一層目を塗っています。隅部から丁寧に処理します。

2-11. ウレタン防水(パラペット)

パラペットの部分(隅部)は、不具合(ヒビ割れ)が起きやすいため、丁寧に念入りに作業する必要があります。

2-12. ウレタン防水(パラペット・刷毛)

通気シートをひいた後、ウレタン防水の一層目を塗っています。隅部から丁寧に処理します。

2-13. ウレタン防水(2層目)
ウレタン剤をまく

晴天の日は、硬化スピードが早いため素早く防水加工をしていきます。天気によって、作業スピードを変えています。

2-14. ウレタン防水(2層目)
ウレタン剤を伸ばす

ウレタン剤を撒いた後、素早く伸ばしていきます。

2-15. ウレタン防水(シーリング工事)

分かりにくいですが、

防水加工後でも小さい穴が空いているため、

シーリングを注入し、綺麗に埋めていきます。最後までしっかり丁寧な工事が必要です。

2-16. ウレタン防水(ドレン周り)

ドレン周り(排水口)は、水が通るところなので丁寧に防水加工をしていきます。

2-17. ウレタン防水(脱気筒まわり)

脱気筒はとても大切な機能をもっているため、より丁寧に防水加工をしていきます。

2-18. クラウド水抜き

手すりに溜まっている水を一度抜くため、またクラウド注入するための穴を空けています。

2-19. ウレタン防水(手すり・クラウド注入)

手すりがガタガタになっている建物に、手すりの根本にクラウド剤(腐食防止)を注入していきます。

腐食を防ぐだけでなく、手すりの強化にもなり、

安全対策に効果があります。防水専門業者では、屋上防水のスペシャリストのため細かい部分も提案してくれます。

2-20. ウレタン防水(トップコート)

遮熱入りのトップコート(最上位保護層)を塗っていきます。太陽の紫外線による防水塗膜の劣化を防ぐ塗料です。一番見える部分なので、より丁寧にローラーで塗っていきます。

防水工事見積り.comを利用してウレタン防水工事を施工いただいたお客様の声をご紹介いたします。

各防水工事で雨漏りが止まり、お客様から感謝の声をいただいております。

施工事例①

何度も雨漏りがしていて、前回の雨漏り工事では、半分の平米で200万円かけていました。
工事直後に大雨が降りましたが、雨漏りせずほっとしました。
やっぱりはプロは違いますね。

ガタガタになっていた手すりも塗装・修繕していただき、しっかりとした手すりになりました。

施工事例②

ネットで探したので、最初は大丈夫かなと不安はありました。それでも代表の福島さんが業者の手配から、費用の相談などものってくれたので、安心感は ありましたね。費用も安くなったし、使ってみて良かったなと思います。一度、相談はされてみることはオススメします。

施工事例③

最初から最後まで本当に親身に相談にのってくださって、本当に感謝しています。 オーナー歴30年以上やっていますが、防水工事は本当に難しく、分からないことが 多いです。賃貸オーナーにとって心強いサイトになるんじゃないかなと思いますよ。

防水工事見積もり.comでは、ウレタン防水通気緩衝工法を実施しようとされている方へ、技術力があり工事費用が安い優良防水工事業者を最大3社を紹介しています。

防水工事見積もり.comでは、ウレタン防水通気緩衝工法の施工率は29.7%と高く施工実績が豊富です。

12,000枚以上の見積もりを見てきた防水工事アドバイザーが、業者より提案された工法と見積もりを診断させていただき、失敗しない防水工事のアドバイスをさせて頂きます。

最終的に、現在の業者の提案・見積もりと、優良業者の提案・見積もりを比較し、信頼できる業者を採用するのが良いかと思います。

 

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