シート防水に必要なメンテナンスとは?頻度や他の工法との違いを紹介

更新日:2024年10月24日 BY 福島 慎介

防水工事アドバイザーの福島が、シート防水のメンテナンスについて解説いたします。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

防災工事推進協会 代表理事 紹介ページへ



トップコートの塗布
<トップコートの塗布>

塩ビシート防水の耐久年数は12~18年と長く持ち、トップコートの塗り直しのメンテンナンスが不要な工法です。

一般的に塩ビシート防水のトップコート塗布は不要ですが、防水層の寿命を伸ばす目的でトップコートを塗る場合もあります。

同じシート防水のゴムシート防水の耐久年数は10~12年ですが、5~8年ごとにトップコートの塗り直しが必要になります。

注意が必要なのは、トップコートにも種類があるということです。

シート防水に塗布するトップコートは、ウレタン防水などの塗膜系防水に使用するトップコートとは別のものになります。

シート防水専用のトップコートを使う必要があります。

技術のない業者に依頼すると、シート防水専用のトップコートを使用しない場合があり、防水層の劣化に繋がります。

トップコート以外の劣化症状のメンテナンスは必須

塩ビシート防水の劣化症
<塩ビシート防水の劣化症状>

シート防水はトップコートの塗り直しのメンテナンスが必要のない工法ですが、防水性能を多の津ためにメンテナンスは必要になります。

防水層の劣化状況を把握し、メンテナンスをする事で防水層の寿命を伸ばすことが出来ます。

劣化の症状に合わせた、シート防水のメンテナンスは以下になります。

つなぎ目や端部のメンテナンス

シートのつなぎ目
<シートのつなぎ目>

シート防水のつなぎ目や端部は、施工が難しい部分のため、技術のない業者が施工した時に接着不足や隙間が出来き、亀裂や剥がれることがあります。

亀裂や剥がれ部分が小さくても、水が入り防水層の劣化や雨漏りに繋がります。

小さな亀裂や剥がれの場合は、部分的な補修をすることができます。

一度亀裂などから水が入ってしまい、亀裂や剥がれの部分が大きくなると、部分補修ではなく全体的に工事することになります。

つなぎ目や端部の補修方法

  • 部分補修
    小さな隙間であれば、防水テープを貼ったりや、シール剤や接着剤などを注入し、亀裂を塞ぐこともできます。

    最近は、パッチという剥がれた箇所を覆うことで部分補修することもあります。
  • 再施工
    隙間が広範囲にわたる場合や、シートが全体的に劣化している場合は、同じシート防水を新しく再施工(被せ工法)することが必要です。

    既存のシートの状態が悪い場合は、古いシートを撤去し、新しいシートを敷設(撤去新設)することで対応します。

DIYなどで隙間をコーキングしたり、防水テープを貼ることで一時的に塞ぐこともできますが、あくまで一時的な物ですので、早めに専門業者さんに見てもらい補修することをオススメします。

シート防水の亀裂についてはこちらをご参照ください。

シートの膨れや剥がれ・破れのメンテナンス

シートの膨れ
<シートの膨れ>

シートが膨れている場合は、中に水が入って夏場の暑い時期に水蒸気になり膨れてしまいます。

膨れてしまった部分は、シートが薄くなっているため、衝撃を受けると破れる可能性があります。

また、破れた部分から更に強風などで、防水層が一気に剥がれてしまうことがあります。

シートの剥がれ
<シートの剥がれ>

そのため、膨れを見つけた場合は早めに専門業者さんに見てもらい補修することをオススメします。

膨れ・剥がれ・破れの補修方法

  • 部分補修
    膨れは、一部切開して水分を抜いてからシール材や接着剤を注入して塞ぎます。

    小さな破れであれば、防水テープを貼ったりや、シール剤や接着剤などを注入し、亀裂を塞ぐこともあります。

    最近は、パッチという破れ箇所を覆うことで部分補修することも多いです。
  • 再施工
    膨れ、剥がれ・破れが広範囲にわたる場合や、シートが全体的に劣化している場合は、同じシート防水を新しく再施工(被せ工法)することが必要です。

    既存のシートの状態が悪い場合は、古いシートを撤去し、新しいシートを敷設(撤去新設)することで対応します。

シート防水の補修についてはこちらもご参考にしてください。

ドレンの清掃

ドレンの詰まり
<ドレンの詰まり>

ドレンは屋上に溜まった水を排水する役目があります。

ドレンの入口付近は、風や雨などで土や木の葉などが溜まりやすく、溜まった土から植物が生えることがあります。

ドレンの入口を塞いでしまうと、排水出来ない水が防水層の上に溜まり、防水層の劣化が進んでしまいます。

また、溜まった水分が、つなぎ目の剥がれや、傷などから防水層の中に入り、雨漏りを引き起こします。

そのため、ドレンはこまめに清掃し、溜まった土や木の葉などを撤去しましょう。

ドレンのの補修方法

  • 清掃
    季節の変わり目など(2か月~半年に1度)はドレンを点検をして、掃除しましょう。
    大雨などが降り、オーバーフローさせてしまうと、改修ドレン部分以外の経年劣化した防水層から雨漏りする可能性があります。

  • ドレン改修
    既存のドレンを外し、新しいドレンを設置します。
    防水層の劣化が激しい場合は、既存ドレン廻りの防水層の補修を行ってから改修ドレンを取り付けなければいけません。

注意して欲しいのは、「ドレン塗装」は、「改修ドレン」の設置とは異なります。

ドレン塗装とは、既存のドレンの上から防水塗料を塗り、見た目を綺麗にする塗装のことです。

改修ドレン設置(新規ドレン設置)は、既存のドレンを撤去して、新しいドレンを設置する防水工事のことです。

経年劣化している既存のドレンに防水塗装をしても、雨漏りを止めることは出来ません。

ドレンの清掃、改修ドレンの設置の工程について、詳しくはこちらをご参照ください。

工法耐用年数トップコートメンテナンス頻度メンテナンス費
シート防水12~18年原則的に不要トップコート塗り替えのメンテナンスフリー0円
ウレタン防水10年~15年5~8年に1回5~8年に1回2500円~/1㎡

シート防水

シート防水はウレタン防水に比べ、12~18年と耐久年数も長く、トップコートの塗り替えも不要のため、メンテナンスが楽です。

また、基本的にはトップコート塗り替えのメンテナンス費用もかかりませんので、コストパフォーマンスの高い工法です。

ただし、鳥害や、飛来物などの外部からの刺激に弱いため、台風などの強風で破れた部分から一気にめくれてしまうことがあります。

専門業者に依頼して点検してもらい、異常が見つかったら補修を依頼しましょう。

有料で点検してもらった場合でも2~3万円程度ですみます。

見に行く職人さんの賃金と経費になります。
シート防水は施工が難しいため、メンテナンスする際は技術のある業者に依頼しましょう。

ウレタン防水

ウレタン防水の耐久年数は10年~15年で、5~8年ごとにトップコート塗り直しが必要な工法です。

メンテナンス時のトップコート塗り直しには、2,500円/1㎡ほどの費用が掛かります。

ウレタン防水は、メンテナンスをきちんとしていれば半永久的に持つ工法です。

定期的に専門業者に点検してもらい、メンテナンスをしましょう。

シート防水とウレタン防水で迷われている方は、こちらもご覧ください。

シート防水は施工が難しく、技術のある業者しか取り扱えない工法です。

点検してもらい、不具合がある場合は専門業者に補修・改修してもらうようにしましょう。

防水見積もり.comではシート防水を得意としている、優良防水専門業者を最大3社無料紹介を行っています。

シート防水をご検討の方は、防水アドバイザーの福島までご相談ください。

カテゴリー :シート防水  タグ:シート防水 メンテナンス