雨漏り修理に失敗?雨漏りが再発する4つの原因とケース別の業者の選び方を解説!
雨漏り修理に失敗して困っていませんか?
実は雨漏り修理が1年以内に再発するという事はよくあるケースです。
雨漏り再発は、「修理業者選びの失敗」です。
雨漏り修理を行う業者はそもそも3種類ですが、業者の種類により技術力が異なります。
雨漏りが再発したケースのほとんどが、業者の技術力不足で再発しています。
本記事では防水工事アドバイザーである福島が、雨漏り修理の失敗を防ぐための業者選びのポイントと、もし失敗した場合の再発原因を徹底解説します。
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
雨漏り修理で失敗しないためには業者に依頼すべき
雨漏り修理はDIYではなく、雨漏り・防水工事の専門業者への依頼が必須です。
その理由は、雨漏りの原因特定には、専門的な調査方法を用いた上で調査を行い、その上で経験が知識が必要とされるためです。
雨漏りの発生箇所と原因箇所は異なることが多く、素人判断や、雨漏り修繕・防水工事の知識と経験が浅い業者が修繕を行うと、問題の解決にはいたらず、逆に被害を大きくする可能性があります。
また、防水工事には専用の設備や材料が必要で、下地と雨漏りの状態に併せて数ある「防水工法」の中から対策を選ぶ必要があります。
また、防水工法は主に4種類あり、その種類の中でも様々な方法が分かれており、10以上の工法があります。
種類 | 主な工法 |
---|---|
ウレタン防水 | ウレタン防水密着工法 |
ウレタン防水通気緩衝工法 | |
高強度ウレタン防水 | |
オルタックバリボード工法 | |
ウレタンメッシュ工法 | |
シート防水 | 塩ビシート防水接着工法 |
塩ビシート防水機械固定工法 | |
加硫ゴム系シート防水 | |
アスファルト防水 | アスファルト防水熱工法 |
改質アスファルト防水 | 改質アスファルト防水トーチ工法 |
改質アスファルト防水常温粘着工法 | |
FRP防水 | FRP防水密着工法 |
FRP防水通気緩衝工法 |
10以上の工法がある中で、業者によっては1~2つの工法しか工事できない場合もあります。
つまり、プロに依頼しても、技術力が高くなければ、完全な雨漏り対策工事ができないのです。
雨漏り修理の業者選びに失敗するとどうなる?
雨漏り修理の業者選びに失敗すると、以下の4つの問題が発生する可能性があります。
- 1年以内に雨漏りが再発する
- 再工事など無駄な費用がかかる
- 二次災害が引き起こされる
- 建物の寿命が短くなる
「修理の失敗」によるこれらの問題は、費用、手間、建物の資産価値低下など、多くの問題を引き連れて問題を更に大きくします。そのため、雨漏り修理の業者選びは、慎重に行う必要があります。
それでは1つずつどのような問題に発展するか詳細を解説します。
1年以内に雨漏りが再発する
防水工事を行うと、通常5年~15年再発しないようになります。しかし、1年以内に雨漏りが再発するケースがあります。
これは業者の手抜きと工法の判断ミスが要因です。
雨漏りの防水工事に、ウレタン塗膜防水密着工法が採用されるケースが多々あります。
これは、塗装業者に雨漏り防水工事を依頼すると提案されますが、既に雨漏りが起こっている建物に対して、ウレタン塗膜防水密着工法を施工しても雨漏りは止まりません。
雨漏りを止めたい場合は、同じウレタン塗膜防水でもウレタン塗膜防水通気緩衝工法という工法を実施する必要がありますが、これは技術力が必要とされる工法のため、提案すらされない可能性もあります。
また、ウレタン塗膜塗料を塗るスキルが低かったり、塗料を薄めて使って費用を削減しようとする悪徳業者もおり、このような業者が施工すると、雨漏りはすぐに再発してしまいます。
再工事など無駄な費用がかかる
雨漏りが再発すると、もう一度防水工事が必要になります。
特に雨漏りが起こっている場合は、既存の防水層を一度撤去しないとならないケースもあります。
現在の防水層に誤った工法が採用されている場合、防水工事を根本からやり直す必要があります。
やり直し作業は、新規で防水工事を行うよりも費用がかかってしまいます。
この問題を引き起こさないためにも、雨漏りの調査・工法の提案は、複数の業者に依頼すべきです。
二次災害が引き起こされる
雨漏りを放置すると、建物内部に深刻な二次被害が発生します。
- 木材の腐食
- シロアリやゴキブリなどの害虫の発生
- カビの発生
- ダニの発生
- 空気の汚染によるシックハウス症候群
- 漏電の危険性
木材の腐食や害虫の発生、カビやダニの繁殖など、住環境が悪化してしまいます。
さらに、空気の汚染によるシックハウス症候群や漏電の危険性もあります。
雨漏りは自然に直ることはないため、発見次第、直ちに専門業者への修理相談をお勧めします。
建物の寿命が短くなる
建物に水が侵入すると、建物の寿命は急激に縮まります。
特に深刻な影響を受けるのが、建物の構造材です。木材の含水率が20%を超えると腐朽菌が活性化(※)し、柱や梁などの構造強度が著しく低下していきます。
※参考:住宅金融普及協会
また、雨水は建物の基礎も着実に蝕んでいきます。
鉄筋が錆びることで基礎の耐久性が失われ、地盤との接地面にはヒビが入りやすくなります。
これにより、本来50年以上とされる建物の耐用年数が、早ければ15年程度にまで短縮されてしまいます。
結果として、建物の資産価値は大きく目減りし、最悪の場合、建て替えが必要になることもあります。
このような事態を防ぐためにも、雨漏りの工事は失敗しないように、業者選びが重要になります。
雨漏り修理を依頼できる業者の種類とは?
特徴 | 技術レベル | 注意点 | |
---|---|---|---|
防水工事業者 | ・屋上、外壁の雨漏り ・防水工事に特化した業者 | ・高いレベルで防水工事 ・雨漏り修繕が可能 | ベランダだけなど狭い工事は割高になる |
住宅雨漏り特化の雨漏り工事業者 | ・三角屋根の雨漏りの工事は得意 | ・中程度 ・一時的な雨漏り修理の可能性あり | マンションやハウスメーカーの雨漏りは対応できない |
外壁・屋根塗装業者 | ・防水塗装を得意としている ※防水塗装は防水工事の一部 | ・中程度 ・雨漏りの修繕と、屋上防水は得意ではない | 既に雨漏りしている場合は、防水塗装ではカバーできない |
リフォーム業者 | ・防水工事は多くの場合、防水工事専門業者に二次委託を行っている | ・低い ・下請け会社に依頼するので高くなる | 中間マージンが高くなり、費用が上がる |
雨漏りの修繕は、防水工事業者に依頼することがが確実です。
一般住宅でもハウスメーカーの場合、高いレベルの雨漏り修繕技術が求められるため、防水工事業者に依頼しましょう。
ハウスメーカーの防水工事ついてはこちらをご覧ください。
この防水工事業者選びでミスマッチを起こしてしまうと、雨漏りの再発につながる可能性があります。
雨漏り修理に失敗しないためのケース別業者の選び方
雨漏り修理に失敗しないために、ケース別の業者の選び方を紹介します。
建物 | 依頼すべき業者 |
---|---|
アパート・マンション・ビル | 防水工事専門業者 |
一般住宅の雨漏り | 陸屋根、ベランダ:防水工事専門業者 三角屋根の住宅:雨漏り修理専門業者 |
ハウスメーカーの一般住宅 | 防水工事専門業者 |
アパート・マンションやビルの雨漏り
必ず防水工事業者に依頼しましょう。アパート、マンション、ビルの屋上は「陸屋根」になっていると思います。
陸屋根は、雨水が自然に流れる構造ではないため、下地の上に「防水層」を作り、雨漏りの侵入を防ぎます。
防水層を作る方法は、複数の工法から選択されます。
下地の状況や、歩行があるかないか、今後のメンテナンス計画など多角的な視点で、どの防水工法を選択するかを考える必要があります。
ここで「施工できない工法」の数が多いほど、最適な提案が減ることになります。
必ず技術力がある防水工事業者から提案をしてもらいましょう。
マンションの屋上防水についてはこちらも参考にしてください。
一般住宅の雨漏り
一般住宅の雨漏りの場合、防水工事業者に依頼しましょう。
三角屋根の場合は雨漏りの専門業者でもかまいません。
もし外壁・屋根の塗装業者に相談をしている場合は、雨漏りを修繕した事例が豊富であるか必ず確認を取りましょう。
外壁・屋根の塗装業者の全てが雨漏り修繕ができないわけではなく、技術力が高い業者はもちろん存在しているため、事例を確認することが大切です。
ハウスメーカーの一般住宅の雨漏り
ハウスメーカーの一般住宅の場合、ハウスメーカーに相談するか、防水工事業者に相談をしましょう。
ハウスメーカーの屋上は、ハウスメーカー独自の防水層が作られているので、ハウスメーカーに相談する方が対応は早く確実でしょう。
しかし工事費は高くつく可能性があります。費用が高くつくため、ハウスメーカーの屋上防水を、防水工事業者に依頼する方はとても多いです。
ハウスメーカーの屋上防水は、多くはシート防水が採用されています。
シート防水は、ウレタン塗膜防水より施工技術が必要とされるため、防水工事業者に相談することをおすすめします。
ただし、シート防水が出来る防水業者のなかでも、ハウスメーカーの防水工事を出来る業者は一握りです。
依頼する際は、塩ビシート防水が出来ることに加え、ハウスメーカーの建物を得意としていることも確認して依頼しましょう。
雨漏り工事が失敗?再発する4つの原因とは?
雨漏り工事が失敗し、再発してしまうのには4つの原因があります。
- 根本的な原因が特定できていなかった
- 防水工事の「工法選び」が間違っていた
- 手抜き工事・技術力不足
- 地震や台風など外的な刺激が強くかかった
それでは1つずつ解説していきます。
そもそも根本的な原因が特定できていない
雨漏りで最も厄介なのは、水の侵入箇所と漏水箇所が異なることです。
例えば、2階の天井に染みができていても、実際の原因は屋根の別の場所にあることが少なくありません。
水は建物内を伝って移動するため、素人判断や経験の浅い業者では的確な原因特定ができません。
「散水調査」を行うなどを怠り、雨漏り原因を特定する技術や経験が不足した業者による安易な補修は、問題の根本的な解決にならず、結果として雨漏りの再発を招いてしまいます。
雨漏り修繕・防水工事の「工法」が間違っている
建物の構造や、下地の状態、雨漏りの状況によって、防水工事の工法は異なります。
例えば、陸屋根の防水工事を行う場合、ウレタン防水かシート防水が採用されることが多いです。
しかし、ウレタン防水とシート防水には、以下のように工法が更に分岐しています。
ウレタン防水密着工法 | 雨漏り時は採用不可 | ・安値で納期が早い ・施工技術を求められない |
ウレタン防水通気緩衝工法 | 雨漏り時はこちらを採用 | ・金額は密着工法より高い ・施工には技術力が必要 |
シート防水接着工法 | 雨漏り時は採用不可 | ・安値で納期が早い ・技術・経験が必要 |
シート防水機械固定法 | 雨漏り時はこちらを採用 | ・金額が最も高い ・高い技術力が求められる |
よくある工法選びの失敗のケースとして、雨漏りが起こっている状態で、ウレタン密着工法やシート防水接着工法を採用し、雨漏りが再発するケースです。
しかし、コスト削減や技術力不足、工期短縮を優先するあまり、不適切な工法が選択されることがあります。
ウレタン防水の工法についてはこちらをご覧ください。
塩ビシート防水の工法についてはこちらをご覧ください。
手抜き工事・技術力不足
手抜き業者に施工をされると、1年足らずで雨漏りをしてしまいます。
実際にあった事例を紹介します。
- ウレタンをただ一層塗っただけだったこと
- 塗り方も荒く、厚みが少なくとも2ミリは必要だったところ1ミリ以下しかなかったこと
- あきらかに雨漏り箇所と思われる部分は何とテープを貼っただけ
- 工事は屋上部分の約半分しか行われていなかったこと
- さらには雨漏り箇所には「塗り」は施されていなかったこと
ウレタン防水は防水層を作ることで防水効果を発揮しますが、一層だけでは防水効果を発揮できません。
ウレタン防水は、仕上がった状態に手抜きがあるかどうかを見極めるのは、プロでも難しい作業です。
その為、初めから依頼する業者が信頼できるかどうかが重要になります。
地震や台風など外的な刺激が強くかかった場合
地震による下地の揺れで、防水層が破損するケースはあります。
ひびや割れが発生し、そこから雨水が侵入することになります。
最近では地震の揺れに追従できるような高強化ウレタンなどの素材も出てきています。またゴムシート防水のように、地震の揺れに対して追従性が高い防水工法もあります。
地震以外では、台風で飛来物が防水層に外的な刺激を与え損傷を与える場合や、ゴミと雨水がドレンに詰まって水はけが悪くなり、雨漏りにつながってしまうときもあります。
地震や台風の後は、必ず建物の防水層の状態を点検するようにしましょう。
雨漏り修理に失敗しない優良業者を最大3社紹介
本来は雨漏りする前に、防水工事をすることが大事ですが、雨漏りしてしまったら、まずは防水工事専門業者に見てもらいましょう。
特にマンションオーナーさんは、雨漏りすることで入居率に関わるため、早急に雨漏りを止めることで建物を長持ちさせることが必要です。
また、ハウスメーカーの建物は、ハウスメーカーに特化した技術が必要なため、普通の防水工事業者では対応が難しいのが現状です。
ハウスメーカーに特化した業者をご紹介することも可能ですので、防水アドバイザーの福島までご相談ください。