【2024年版】ウレタン防水の5つの工法と施工手順(工程写真付き)|防水工事の専門家が解説
ウレタン防水は主に5つの工法があり(2024月時点)、工法ごとに工程(施工手順)、工期、単価が異なります。
ウレタン防水の種類は、密着工法、通気緩衝工法(絶縁工法)、メッシュ工法の3種類と認識しがちですが、2024年現在ではメッシュ工法は立ち上がり部分など限定的に使われるようになっています。
本記事では、ウレタン密着工法とウレタン通気緩衝工法(絶縁工法)、そして新しいウレタン防水工法であるオルタックバリボード工法と、ウレタン高強度工法の工程も含め、5種類の工法の工程・施工手順を紹介します。
防水工事アドバイザーである福島が、ウレタン防水の工法ごとの違いと特徴、施工手順を工程写真とともに紹介していくので、イメージがつかめるはずです。
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
ウレタン防水の5つの工法の特徴と工期日数
ウレタン防水には主に4つの工法があり、工法別の日数は以下の通りです。
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 | |
---|---|---|---|---|
ウレタン密着工法 | 10年程度 | 5日~8日 | 80万円~120万円 | ★☆☆☆☆ |
高強度ウレタン工法 | 10年~12年 | 5日~8日 | 80万円~120万円 | ★★★☆☆ |
ウレタン通気緩衝工法(絶縁工法) | 13~15年 | 7日~12日 | 120万円~180万円 | ★★★★★ |
ウレタンメッシュ工法 | 10年程度 | 6~11日 | 80~120万円 | ★☆☆☆☆ |
ウレタンバリボード工法 | 15~18年 | 7日~12日 | 150万円~200万円 | ★★★★★ |
工法ごとに特徴がありますが、「下地の上にウレタン塗膜を塗る工法」と「下地とウレタン塗膜の間にシートを入れる工法」の2つに分類できます。
シートを入れることにより、防水効果や耐用年数が異なり、作業工程と材料が増えることで金額も上昇します。
下地の上にウレタン塗膜を塗る工法
下地の上にウレタン塗膜を塗る工法は以下の2つです。
- ウレタン密着工法
- ウレタンメッシュ工法
- 高強度ウレタン工法
下地の上にプライマー(接着材)を塗り、その上からウレタン塗膜を重ねて塗っていきます。
この工法は費用が安いことがメリットにありますが、既に雨漏りをしている場合、下地に含まれている水分を外に逃がすことができないため、雨漏りしている場合はこれらの工法を施工すべきではありません。
下地とウレタン塗膜の間にシートを入れる工法
下地とウレタン塗膜の間にシートを入れる工法で、代表的な工法はウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法)です。別名として、ウレタン絶縁工法とかX-1工法とも呼びます。
- ウレタン通気緩衝工法(絶縁工法)
- オルタックバリボード工法
他にウレタンメッシュ工法もメッシュシートを貼り、ウレタン塗膜を塗る工法ではありますが、ウレタンメッシュ工法は雨漏りをしてしまうため、近年、採用されることがほとんどなくなっています。
トップコートの仕上げは全ての工法に共通
ウレタン防水はどの工法を選択しても、仕上げにトップコートを塗ります。トップコート自体に防水効果はありませんが、ウレタン塗膜防水層を外部刺激から保護する役割を持っています。
強風による落下物や紫外線はウレタン塗膜防水層を劣化させる原因になるため、トップコートで保護をします。ウレタン防水のメンテナンスはトップコートの塗直しがメインとなる作業です。
ウレタン密着工法の施工手順(工程写真付き)
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 |
---|---|---|---|
10年程度 | 5日~8日 | 80万円~120万円 | ★☆☆☆☆ |
工程1:下地にプライマーを塗る
下地と防水層を接着させるためのプライマーを塗ります。
工程2:ウレタン塗膜を塗る
ウレタン塗膜を2層、均一に塗ります。
厚ミリが均一になっていなと防水層の膨れや破れの原因の一つになります。
工程3:トップコートで仕上げる
トップコートは紫外線からウレタン塗膜を守ってくれます。標準のアクリルトップコートの他に、耐熱性のあるシリコン、最も長持ちするフッ素、遮熱性の高い遮熱トップコートがあります。
高強度ウレタン防水の施工手順(工程写真付き)
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 |
---|---|---|---|
10年~12年 | 5日~8日 | 80万円~120万円 | ★★★☆☆ |
工程1:下地にプライマーを塗る
下地と防水層を接着するプライマーを塗ります。
工程2:高強度ウレタン塗膜を塗る
通常のウレタン塗膜と同様に均一に塗ることで、膨れや破れにくくなります。
工程3:トップコートで仕上げる
通常のウレタン防水と同様にトップコートの種類で、トップコートの耐久年数が変わります。
ウレタン通気緩衝工法(絶縁工法)の施工手順(工程写真付き)
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 |
---|---|---|---|
13~15年 | 7日~12日 | 120万円~180万円 | ★★★★★ |
工程1:下地にプライマーを塗る
下地と防水層を接着させるためのプライマーを塗ります。
工程2:通気緩衝シートを敷く
通気緩衝シート(絶縁シート)を貼ります。
通気緩衝シートには自着性があります。脱気筒を設置することで、水蒸気を外に逃がすことがでます。
工程3:脱気筒を取り付ける
脱気筒を設置することで、通気緩衝シートからの水分や蒸気を逃してくれます。
工程4:ウレタン塗膜を塗る
ウレタン塗膜を2層、均一に塗ります。
工程5:トップコートで仕上げる
トップコートを塗り紫外線などから防水層を守ります。
ウレタンメッシュ工法の施工手順(工程写真付き)
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 |
---|---|---|---|
10年程度 | 6~9日 | 80~120万円 | ★☆☆☆☆ |
立ち上がり部分にメッシュ工法を施工する工程を紹介します。
工程1:下地処理
下地の状態を確認し、必要に応じて補修します。
工程2:プライマーを塗る
下地と防水層を接着させるためのプライマーを塗ります。
工程3:メッシュシートを貼る
場所に合わせてメッシュシートをカットし、貼り付けていきます。
工程4:防水材を塗り重ねる
メッシュシートの上から防水層を2回重ねて塗ります。
工程5:トップコートで仕上げる
防水層を保護するため、トップコートを塗ります。
ウレタンオルタックバリボード工法の施工手順(工程写真付き)
耐用年数 | 工期日数 | 費用 | 雨漏り有効度 |
---|---|---|---|
15~18年 | 7日~12日 | 150万円~200万円 | ★★★★★ |
工程1:バリボード(アスファルトパネル)を敷く
既存防水の上に、バリボード(アスファルトパネル)を敷きます。
防水層を撤去しないため、工事中の雨による雨漏り被害が抑えられます。
工程2:オルタックシートを敷く
オルタックシートを敷、専用のテープで止めます。
工程3:ウレタン密着工法か通気緩衝工法(絶縁工法)で施工する
ウレタン防水密着工法、または、ウレタン防水通気緩衝工法(絶縁工法)を施工します。
工程4:トップコートで仕上げる
トップコートを塗り紫外線から防水層を守ります。
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