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防水工事ぼったくり実話|見積もり差額700万以上!?初めての防水工事で大混乱

更新日:2023年12月7日 BY 福島 慎介

防水工事大混乱の話
アパートの相続

初めまして加藤です。
普段は小学校の先生として働いております。
私が亡くなった父から相続したのは、築20年ほどのアパートでした。
生前、父がこのアパートをとても大事にしていたのを私はよく知っています。
しかしながら、父は口数の多い人ではなかったので、アパートに関するあれこれを私に知らせないまま旅立ってしまいました。
詳しい資料も残されておらず、父がなくなったあとは契約の変更や手続きに四苦八苦したのをよく覚えています。
そんなアパートでなんと突然の雨漏り。
右も左もわからず、慌てふためいた私の話です。

父がなくなってからしばらく経ったある日のことです。
相続に関する一通りの手続きが完了しホッと息をついたのも束の間、アパートの管理会社から一本の電話が入りました。

管理会社
「こんにちは、oo管理会社です。加藤さん、突然ですが…アパート最上階のお部屋で雨漏りしているとの連絡がありました。」

加藤さん
「えぇ!それは大変!入居者さんは無事なの?」

管理会社
「先日、退去される方が『天井にシミがある』と教えてくださったので発覚したようです。今は空室なのでとりあえず入居者さんはいない部屋になりますが…」

加藤さん
「あぁ、それならよかったわ。ひとまずは安心ね。」
「でも雨漏りはすぐに直さないといけないわね。急いで部屋を見に行ってみるわ。」

慌てて部屋へ向かい確認してみると…天井の角になにやら怪しいシミがありました。

加藤さん
「まぁ大変!このままでは良くないわ。部屋にカビも生えるだろうし…早めに直しましょう。」

自宅に帰って早速、父の残した僅かな資料を眺めてみましたが…
残念なことに、修理の履歴やメンテナンスの記録は残っておりませんでした。

加藤さん
「困ったわ…これじゃあ何もわからないじゃない。雨漏り…雨漏り…あっ!そういえば!」

回想:加藤さん父「そうそう、あのアパート。屋上防水はやっておいたほうが良いよ。防水のメンテナンスは何もしてなかったからね。」

加藤さん
「そうだったわ!『屋上防水』よ。これをしなきゃいけないのね。」

思い立った私はすぐにインターネットで「屋上防水 見積もり」と検索し、複数の見積もりを取ることにしました。

加藤さん
「よし、必要な工事も分かったし。あとは見積もりをたくさん取って良さそうな業者に依頼しましょう。」

選択肢は多ければ多いほど良いと思い、合計10社ほどに見積もりに来てもらいました。
その中から納得の行く業者を探して依頼しようと思っていたのですが…

加藤さん
「まぁ、大変!沢山見積もりをとったのは良いけど、何がなんだかわからないわ…。」
「こっちの見積もりは900万なのに、こちらは135万。何が違うのかしら?」
「ええっと、項目は…ウレタン通気緩衝工法…?何かしら…これ…」

10社ほど取った見積もりですが、なんと「金額」も書いてある「工事方法」も全てバラバラで、私には何のことやら全くわかりませんでした。
高いところは900万の見積もりでしたが、一番安いところは135万と価格差も大変大きく、何を比較して良いのかすらわからなかったのです。

加藤さん
「困ったわ。屋上防水と言っても、多分種類が色々あるのね。」
「でも、私にはどれが良いのかさっぱりわからないわ…。」
「あんまり金額が高いのは嫌だし、かといって安すぎるのはちょっと怪しいわね…。」

大量の見積書を眺めながら、なんとか気になる一社を見つけたのですが…

加藤さん
「本当にここに依頼して良いのかしら。最近は手抜き工事なんてニュースも聞くから心配ね…」

決して安くはない屋上防水工事。
悩んでも悩んでも答えは出ず、不安は募るばかりでした。

そんなある日、インターネットで調べ物をしていたら偶然「防水工事見積もり.com」のサイトにたどり着きました。

加藤さん
「もう見積もりは懲り懲りだわ。これ以上は悩みの種を増やしたくないもの。」

そう思いサイトを閉じようとした私の目に「見積もり解説」という文字が飛び込んできました。

加藤さん
「これは…今持っている見積もりの解説をしてくださるということかしら。」
「新しい見積もりを取るのは嫌だけど、今持っている見積もりが妥当かどうか見てもらえるならお願いしてみようかしら?」

Googleのレビュー評価も高く怪しい業者ではなさそうだったので、電話くらいはしてもいいか…と思い連絡してみることにしました。

加藤さん
「初めまして、加藤と申します。この度雨漏りの修理をしようと見積もりをしたのですが…頂いた見積もりがどれもよくわからなくて。ちょっと見てもらいたいのだけどお願いできるかしら」

アドバイザー
「こんにちは!もちろん大丈夫ですよ。雨漏りの修理ですね。今回はどうされたのですか?」

加藤さん
「実は…」

試しにダメ元でかけてみた電話でしたが、大変親切に対応していただき少しホッとした私は、後日オンラインでの打ち合わせを予約しました。

アドバイザー
「早速ですが、見積もりの解説から始めましょう。送ってくださったのは4社の見積もりですね。」

加藤さん
「はい、本当はもっと沢山あったのですが…私が気になったのはこの4社だけでしたので。」

アドバイザー
「承知しました。では早速内容を見ていきましょうか。」
「まず、この『900万』の見積もりは『屋上防水』に加えて『外壁塗装』も見積もりされているようです。そのため高額になっているようですね。」

加藤さん
「あぁ、そういえば業者さんが『外壁のタイルが浮いてますよ』なんて言われてた気もするわ」

アドバイザー
「恐らくそれですね!もちろん外壁の修理もとても大事なのですが…今一番困っているのは『雨漏り』でしたよね」

加藤さん
「そうなんです。まずは雨漏りを直さないと入居者さんにも迷惑になるし…」

アドバイザー
「そうですよね。それでしたら、まずは『屋上防水』にフォーカスを置いて考えてみましょうか。」
「それから、こちらの『135万』の見積もりですが、これは防水工事ではなくてトップコートの見積もりのようです。表面のコーティングのみ実施するので、防水工事とは全く別物ですね。」

加藤さん
「あら、やっぱりそうだったのね。少し安すぎるからおかしいとは思ってたのだけど…。何も知らずに頼まなくて良かったわ。」

アドバイザー
「とりあえず、現時点で『屋上防水』のみの見積もりはこの2社だけみたいですね」

加藤さん
「そうなんですね。ここの『B社』はちょっと気になっていました。見積もりも350万だし良いかなと思って」

アドバイザー
「私も『B社』の見積もりは比較的良いと思います。塩ビシートを利用するようなので耐久性も高いです。ですが…」

加藤さん
「ですが…?」

アドバイザー
「見積もりが相場に対してやや高いように思います。15%から20%くらい高いかもしれません。」

加藤さん
「あら!そうなのね!まだ少し安くなる可能性があるってことかしら」

アドバイザー
「可能性は十分にあります。それから、見積もりの一部、既存シートの取り扱い方法について気になる箇所もありますね。」
「既存のシートは『ゴムシート』を使われているようですが、これは出来れば剥がしておいたほうが良いかもしれません。今回『塩ビシート』を上から貼りますと、次のメンテナンスのときに『塩ビシート』と『ゴムシート』の両方を剥がす必要が出てきてしまいます。次回のメンテナンスが少し大変になるかもしれません。」

加藤さん
「あら、そうなのね…。次からはなるべくメンテナンスは楽なのが良いわ。」
「話をまとめると『より安く、より質の良い工事ができる可能性がある』ってことかしら。」
「でも、正直もう私には見つけられないわ。これだけ見積もりしたのに、納得のいく業者さんが見つからなかったのだもの。ねぇ、どうしたら良いのかしら…?」

アドバイザー
「もし、よろしければこちらで信頼できる業者さんを紹介することもできますよ。我々の紹介する業者さんは不誠実な見積もりは出しません。私達が保証します。」
「出てきた見積もりとお手元の『B社』の見積もりを比較して、『B社』のほうが良いということであればそちらにご依頼いただいても構いません。」
「よろしければ一度見積もりさせていただけませんでしょうか?」

加藤さん
「そうね…。ここなら信頼できそうだわ…。ぜひ、こちらこそお願いします。」

こうして「防水工事見積もり.com」から紹介された業者さんに見積を依頼することになりました。

そして見積もり当日、業者さんはアパートまで来てくれました。

業者
「早速ですが現状から見ていきましょうか。」
「既存の屋上防水シート、ここがめくれ上がっていますね。お部屋のシミはここが原因だと思われます。」

加藤さん
「やっぱりそうなのね。」

業者
「はい、どうしても経年劣化は避けられないので…。こちらの既存のシートは『ゴムシート』なので、だいたい10年で張り替える必要があるものです。」

加藤さん
「あら、10年ですか…。もう20年も変えてないですもの。それは雨漏りしても仕方ないですね。」

業者
「それから、外壁もタイルの劣化があるようです。いずれ修理したほうが良さそうですね。」

加藤さん
「そうみたいね…。でも金額的に今回は屋上防水だけにしたいわ。」

業者
「そうですよね。でしたら今回の見積もりはこちらとなります。」

そう言って手渡されたのは「250万」と書かれた見積書でした。

加藤さん
「えっ!こんなに安くなるんですか!」

業者
「はい、こちらが今回出させていただいた金額となります。」

▼見積もり画像

見積もりをもらった私は、改めて相談することにしました。

加藤さん
「紹介していただいた業者さんに見積をしていただいたら、なんだかとても安い金額が出てきたの。これってどうしてなのかしら」

アドバイザー
「そうですね、今回金額が下がった理由としては次のことが考えられます。」

  • 防水工事専門の業者となるため価格が安い
    専門業者は仕入れ価格等も安くできるため他社と比較すると価格を抑えることができます
  • 下請け業者がいない
    →下請けの業者さんを利用している会社では中間マージンなどが発生するため価格が上がりやすい
  • 他の業者が適正価格を出してない可能性も…
    →もしかしたら足元を見られているかもしれません

加藤さん
「そうだったのね。納得できたわ。」
「ところで、今回は『ウレタン防水』と書いてあるけど、前に『B社』の見積もりで出てきた『塩ビシート防水』とは別物のようね。」

アドバイザー
「はい、今回見積もりした業者さんは『ウレタン防水』のほうがメリットがあると判断してオススメしてくれているようです。」
「前にお伝えした通り『塩ビシート防水』では次回のメンテナンス時に『既存シート』と『塩ビシート』の両方を剥がす必要が出てきます。ですが、シートを2枚まとめて剥がすとなると実はとても大掛かりな工事になるのです。」

加藤さん
「そうなのね。確かに、工事中に雨が降ったりしたら大変だわ。」

アドバイザー
「その通りです。対して『ウレタン防水』は、液体状のウレタン樹脂を塗り重ねて防水層を作っていく方法です。シートとは異なり、次回メンテナンス時も剥がす必要はなく、上から塗り重ねていくだけで対応できます。」

加藤さん
「なるほどね!今後は『ウレタン』を塗り直して行くだけで、防水効果を維持できるようになるのね。」

アドバイザー
「耐久性としては『塩ビシート防水』のほうが勝りますが、今回のケースではメンテナンスの手軽さを重視して『ウレタン防水』を提案しているようです。」

加藤さん
「とてもよく理解できたわ。それなら、今後のメンテナンスが手軽にできる『ウレタン防水』にしてしまったほうが良さそうね。」

今後のメンテナンスはとにかく楽にしたい。そう思い、今回は紹介して頂いた業者さんで「ウレタン防水」の屋上防水工事をお願いすることにしました。

決して安い工事では無いので、本当にこれで良いのかと何度も不安になりましたが、そのたびに相談に乗っていただき、私の不安を最大限取り除いてくれたので、最終的には安心してお願いすることができました。

工事は順調に進み、完成も間近になった頃のことです。
工事関係の書類を眺めていると、ふと以前見積もりに来てくれた業者さんが「今回の修理、火災保険を使って直せますよ。」と言われていたのを思い出しました。

こんなに高い工事ですから、少しでも負担が減るなら保険を使いたい。
そう思って担当のアドバイザーさんに連絡してみることにしました。

加藤さん
「こんにちは。そういえば今回の工事では火災保険が使えるって聞いたような気がするんです。使えるなら使いたいのですが…どうしたらいいかしら。」

アドバイザー
「わかりました。まずは現在の契約内容を確認してみましょうか。」

幸い、父の残した少ない資料の中に火災保険に関する資料が残っていましたので、こちらを送って確認していただくことにしました。

加藤さん
「この書類かしら…見ていただける?」

アドバイザー
「そうですね…。ふむふむ…。加藤さん、大変残念なのですが、現在のご契約では今回の修理に保険金は降りないようです。」

加藤さん
「えぇ!そうなの!火災保険に入っていれば修理費用が降りるって聞いたのに!」

アドバイザー
「もちろん、そのようなオプションが整った保険はあります。保険料は少々上がるとは思いますが『天災』や『人災』で被害を受けた際に補償が受けられる保険の方が絶対におすすめです。」
「今回のように、天災や人災はいつ起きるかわかりません。もしものときに使える保険にしておけばその後は安心ですし、きっとお役に立つと思いますよ。」

加藤さん
「そうよね…もしものときのために入っている保険が、必要なときに使えなかったら意味がないわ。」

保険に関しても父に任せっきりでしたので、私は何も知らなかったのです。
どうやら父の知り合いのお店で加入した保険のようでしたが、必要なときに使えないなら意味がないと思い、保険も乗り換えることにしました。

加藤さん
「今後、このアパートはより一層大事にしていきたいわ。せっかく父から受け継いだ物だし。」
「そのためにも保険もきちんと見直しておきたいのだけれど、どうしたら良いかしら?」

アドバイザー
「それでしたら、保険に詳しい方をご紹介できますよ。もちろん信頼のおける者です。よろしければご紹介いたしましょうか。」

加藤さん
「そうね、せっかくの機会だしお願いできるかしら」

紹介していただいた葛西さん(仮名)に、おすすめの保険を教えてもらい無事に契約変更をすることができました。
今後は天災や人災にも対応できるとのことで、もしものことがあっても安心です。
保険を切り替えてホッとした私に、葛西さんは別の問いかけをしてきました。

葛西さん
「それから、加藤さん。保険以外にも色々あるけど、そちらは大丈夫そうですか」

加藤さん
「いろいろって、例えばどんなことかしら…?」

葛西さん
「例えば、管理会社とのこと。今後のメンテナンスの方針も考えていかないといけないし、入居者の募集のことも検討が必要だ。それから銀行融資とか…」

加藤さん
「ちょっと待って!そんなに沢山やることがあるのですか!」
「どうしよう。私、本当に何も知らないんです…!」

葛西さん
「大丈夫ですよ。それでしたら、私も手伝える範囲でお手伝いしますので、一緒に一つずつ考えていきましょう。」

加藤さん
「ありがとうございます。こんなに沢山やることがあって…アパート維持はとても大変なのですね」

今回の屋上防水工事を通して、マンション維持の大変さを心から痛感しました。

加藤さん
「お父さんはこれらを全て一人でやっていたのね。とても凄いわ…。」
「何一つ手伝うことが出来なくて本当に申し訳なかったわ。」

父が大事にしてきた大切な建物。
せっかく引き継いだので、今後はより一層大事にしていきたいと思いました。

今回の防水工事を経験して、私は次のことを学びました。

むやみに複数の業者に見積もりをとってもしょうがない
必ず立会して、業者さんの話を直接聞くことが大切
見積もりの金額だけで判断しない

また、自分ひとりで技術力のある専門業者を探すことはとても難しいことです。
可能であれば、第三者の視点で見積もりの解説をしてくれる方がいればより安心ですね。

これからは私自身も沢山勉強しながら、大事な建物を守っていけるように頑張りたいと思います。
ここまで私の話を読んでくださり、ありがとうございました。

8.今回の施工例

工法:ウレタン通気緩衝工法 保証10年
平米数:218
金額:270万(税込)
工期:2週間

8-1.今回使ったサービスはこちら

カテゴリー :防水工事の基礎知識/防水工事失敗事例  タグ:ウレタン防水 外壁塗装 屋上防水 見積もり 雨漏り 

福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして10,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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