1.ハウスメーカーとは?

ハウスメーカーとは、国内全域や広範囲の規模で、注文住宅などの事業展開をしている会社のことをいいます。
ハウスメーカーには正式名称はなく、ハウスメーカーの他に住宅メーカーなどとも呼称されたり、フランチャイズ系の組織に所属する企業を指すこともあります。
住宅建設会社に対する呼称だと覚えておくと分かりやすいでしょう。
2.有名なハウスメーカー

ハウスメーカーはCMや広告などを使い、全国的に知名度が高いのが特徴です。
全国的に有名なハウスメーカーには、ヘーベルハウス・セキスイハイム・セキスイハウス(積水ハウス)・パナホーム・トヨタホーム・ダイワハウス・パルコンなどがあります。
その他、住友林業や一条工務店・タマホームなどもハウスメーカーに分類され、全国的に事業展開している企業です。
3.メーカーメンテナンス押さえたいポイント!

3-1.建物調査・定期点検
ハウスメーカーは住宅を建てたあとに、10年〜20年の間で建物調査という名目のもと、定期点検やメンテナンスをサポートしています。
▼ハウスメーカーの見積もり提案
①メンテナンス工事の見積もり
「外壁のコーキング剤が割れている」「屋上防水の劣化が進んでいるため改修防水の工事をおこないましょう」など、外壁塗装や屋根塗装・屋上防水のメンテナンス工事の見積もりが提案されます。
➁高額な提案
「点検するたびに改修工事の高額な提案をされる」ことが住宅オーナー様の一番の悩み。
③まだ綺麗なのに、工事の提案
素人目に見てもまだ綺麗なのに、工事の提案をされることも珍しいことではない。
ハウスメーカーは、 一度にまとめて工事の見積もりをすることが多く、それによって見積もりも高額になってしまいます。
あまりの高額見積もりに躊躇してしまうオーナー様も多いようです。
3-2.ハウスメーカーを施工可能な業者は?
工事項目 | ハウスメーカー | リフォーム業者 塗装業者 |
協会 加盟業者 |
---|---|---|---|
高圧洗浄 | ○ | ○ | ○ |
下地調整 | ○ | ○ | ○ |
笠木カバーの取り外し | ○ | × | ○ |
笠木カバーの復旧 | ○ | × | ○ |
手すりの脱着 | ○ | × | ○ |
先端鋼板設置 | ○ | × | ○ |
入隅鋼板設置 | ○ | △ | ○ |
立ち上がり防水撤去 | ○ | ○ | ○ |
平場塩ビシート新設 | ○ | × | ○ |
フェンス基礎防水 | ○ | ○ | ○ |
脱気等新設 | ○ | ○ | ○ |
塩ビ用改修ドレン設置 | ○ | × | ○ |
敷材撤去 | ○ | ○ | ○ |
敷材再設置 | ○ | △ | ○ |
価格 | 高い | 対応できない | 相場 |
▼総評
【〇】ハウスメーカー
ヘーベルハウス・積水ハウス・パナホームなどの大手ハウスメーカーは、出来ない項目はできません。
ハウスメーカーでのみ取り扱いのある材料もあるため一番安心できます。
ただし、中間マージンが入っているため、工事金額は高いです。
結局するのは下請けの業者が工事しています。
【×】リフォーム業者・塗装業者
対応できない項目が多いです。
ハウスメーカーに対応できる技術や経験がありません。
自分たちが施工できるウレタンなどの塗り物防水で提案することが非常に多く、工事後のトラブルが発生します。
また、金額は安すぎる傾向にあります。
【〇】協会 加盟業者
ヘーベルハウス・積水ハウス・パナホームなどの大手ハウスメーカーの建物の取扱が多く、技術経験ともにメーカーと遜色ありません。
(ハウスメーカーの下請け業者が多いです)
余計な中間マージンがなく、工事金額も抑えられます。
ただし、大手ハウスメーカー取り扱い業者は全国の業者の1%ほどのため、地域によっては紹介が難しいです。
★まずは、あなたの住んでいる地域にハウスメーカー取り扱いの出来る業者がいるかお問い合わせください。
3-3.ハウスメーカー営業マンに対する悩み
あまりの高額な見積もりを見て、他社の改修工事業者に依頼しようとした場合、
不安を煽ってくる業者の営業マンもいます。
▼良くある営業トーク
・独自の工法であるため、ほかでは技術的に難しい
・うちでしか手に入らない材料なのでほかでは手にはいりません
・他社で改修工事をした場合トラブルにつながる可能性が高い
・うちで改修工事をおこなえば建物保証を延長できる
ハウスメーカーの仕事を受注したことのない業者が改修工事をおこなった場合は、経験値も少なく建物の構造(鉄骨造)のつくりを熟知していないため、トラブルに発展する可能性も事実といえます。
4. 防水改修工事が技術的に難しいといわれるのはなぜ?
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ハウスメーカーの建物での防水改修工事は一般的に難しいとされています。
特に屋上防水は難しく、 経験や専門知識をもった業者へ依頼することがおすすめです。
また、ハウスメーカーの屋上防水改修工事をおこなうには、以下の3項目が重要視されています。
4-1. 塩ビシート機械固定できる技術を持っていること

塩ビシートを機械固定する工法は、接着剤を使わず固定ディスク盤を用いて、防水シートを屋根下地に固定する工法です。
▼ 塩ビシート機械固定の作業工程
① 絶縁衝撃シートを敷き詰めていきます。
② 敷き詰めた絶縁シートの上に、固定ディスクを取り付ける位置にドリルで穴を開け
ます。
③ 固定ディスク盤をセットしアンカービスで止めていきます。
④ 入隅(二つの壁が内向きに入り凹になっている部分)のコーナー部などは、塩ビ鋼板で固定する作業です。
ディスク盤を固定する際は、 ビスが斜めにならずフラットに固定できる技術も必要になってきます。
ディスク盤を先に固定し、防水シートと接合する固定ディスク 先打ち工法や、塩ビシートの上から、塩ビ鋼板ディスクの固定する固定ディスク 後打ち工法があります。
どちらも意匠性の技術が問われる作業です。
地震などの揺れで、塩ビシートが引っ張られたとき、破けたりしないよう鋼鈑と鋼鈑の間は、敢えて2mmから5mm隙間を空けなければいけないなど、専門的な作業工程が多く塩ビシートを機械固定できる技術を持っていなければ、ハウスメーカーの防水改修工事はできません。
4-2.塩ビシート機械固定で重要なポイントとは

塩ビシートを機械固定する際、塩ビシートと塩ビシートを溶剤でつける作業やビスの選定が重要なポイントとなります。
▼塩ビシートを溶剤で貼りつける作業
① 塩ビシートに溶剤をつけすぐに剥がすことで、 溶剤のムラができていないかを確認します。
➁ 塩ビシートを剥がしたときに溶剤の量が多すぎていないか、または少なすぎていないか確認をします。
塩ビシートに溶剤をつけすぐに剥がすことで、「適量の溶剤がついているか」「溶剤がムラになっていないか」を調べられます。
溶剤の量が適量でない場合や、ムラになっているときは、 すぐに修正をおこなうことが重要です。
▼ハウスメーカーの建物ではビスの選定が難しい
へーベルハウス構造では、すべてALC(軽量気泡コンクリート)ではないため、同じビスを使用することができません。
ビス打ちをするときも、鉄筋部を避けるなどの細かい規定があります。
建物の年式により断熱材の厚みも違うため、防水する箇所や建物の年式・素材などで、ビスの種類や長さなどを選定します。
ビス打ちでは、打っている最中に「ビスが利いているか」を正確に確認できることも重要です。熟練の職人ならビスを打っているときに、しっかりビスが利いてるかがわかります。
ビスの効きが悪ければ、ビスが緩まり浮いてきます。浮いたビスがシートを突き破り、雨漏りの原因となるのです。
4-3.笠木の脱着ができること
笠木の写真をお願いします。
笠木(かさぎ)とは、パラペットの天板を覆う金属のことです。主に屋根スラブと壁面との接合部の防水効果を高めたり、補強したりするために設置されています。
▼笠木の腐食は雨漏り原因の30%を占めている!
※ 経年劣化により笠木の内部に水が溜まり、金属板裏面が腐食してきます。
そのため雨漏り原因の30%は、笠木部分が占めているといわれているのです。
▼実は難しい笠木の脱着
屋上防水の場合は、下記の手順で笠木の工事をします。
①笠木や手すりを取り外す。
②具体の根本の防水シートを交換する。
笠木をやみくもに外すと、分解しただけの形になってしまい、復旧するときに大変な作業となるためです。
笠木の構造はハウスメーカーによってつくりが違い、手すりを外す専門の職人もいます。
▼ポイント!
笠木を取り外す際、リベットを抜く順序や手順を踏んで解体・防水シート交換することが重要です。
このことから、笠木の脱着は慣れていないと失敗しやすい工程であるため、業者が外すのをやりたがらない作業のひとつでもあります。
ハウスメーカーの改修工事をおこなう場合、防水専門業者でもメーカーの笠木構造を理解していなければ怖いと感じることが多い工事です。
4-4. 塩ビ用のドレン(排水溝)改修工事ができること

屋上の屋根やベランダにあるドレン(排水溝)から雨漏りがおきている事例もあります。
▼塩ビ用ドレンの改修工事方法
① 塩ビ用ドレンの改修工事をおこなうには、現地調査の時点で 既存のドレンが差し込み式か、ねじ込み式かの確認が重要。
➁ 差し込み式か、ねじ込み式かで ドレンの内径が変わるため、ドレン内径を調べる作業も必要。
③ 既存ドレンのストレーナー及び上皿、ならびに周囲防水層を撤去し、改修工事を進めていきます。コンクリート下地などでドレンが深く沈んでいる場合は、モルタルを用いてドレンの嵩上げをするため、モルタル調整もおこないます。
④ 内径下地調整やプライマー塗布・ウレタン塗膜を塗布するなど細かい作業も多く、均一な厚さでないと上手く排水できません。こちらも防水改修工事では、重要な作業といえるでしょう。
① ハウスメーカーによって改修工事のやり方が変わってくるため、経験や構造を知っていることが重要視される。
➁ ドレンの設置されている場所によって、交換ができないケースがあり、 メーカーの建物の構造によって、改修方法はさまざま。
塩ビ用ドレンの位置は下側にあるため、一番水圧がかかり漏れやすい部分だといえます。ドレン構造をしっかりと把握したうえで、改修工事をしなくてはなりません。
このことから、ハウスメーカーの屋上防水工事は、技術的に難しいといわれているのです。
5. ハウスメーカーの防水工事が高い理由

ハウスメーカーの防水工事はなぜ高いのでしょうか?その理由を探ってみましょう。
① 大手のハウスメーカーでは、 防水工事を下請け業者へ委託しています。
実際にハウスメーカーが、直接防水工事をしているわけではなく、下請けや孫請けが主に防水工事をするのです。
➁ 下請け業者へ委託するため、高額な中間マージンなどが発生します。マージン料は約35%〜50%ほどといわれており、防水改修工事費として上乗せされているのです。
※ 本来150万円で出来る防水改修工事が、300万円ほどの見積もり金額になることもあります。そのほか、リフォーム工事など現時点では直す必要がない工事も、見積もりに入れてくる場合があります。
5-1. 各メーカーごとのお見積りと協会加盟業者の見積もり比較
▼セキスイハウスのお見積もり

▼協会加盟業者のお見積もり(セキスイ)

▼ヘーベルハウスのお見積もり
只今準備中です
▼協会加盟業者のお見積もり(へーベルハウス)
只今準備中です
▼パナホームのお見積もり
只今準備中です
▼協会加盟業者のお見積もり(パナホーム)
只今準備中です
▼大成パルコンの見積もり

▼協会加盟業者の見積もり(大成パルコン)

▼トヨタホームのお見積もり

▼協会加盟業者のお見積もり(トヨタホーム)

しかし工事の施工技術は難しく、しっかりとした防水工事のできる下請け業者は限られています。ハウスメーカーの見積もりが高いからといって、安さだけで他の業者へ依頼すると後悔するときもあります。施工が上手く出来ずに防水工事をやり直すなど、最終的に高額な防水工事になるケースもあるのです。
6. メーカー以外で施工すると保証が無くなる?

他社で施工すると建物の保証が無くなるという話をよく聞きますが、本当でしょうか?
① セキスイハイムやセキスイハイツ・へーベルハウスなどのハウスメーカーで、建物を建てた場合、ハウスメーカーに オーナー登録されています。
➁ ハウスメーカー側は、建てた物件の責任(保証)を持つ必要があるのです。
アフターメンテナンスや独自の20年や30年の補償制度を設けています。
気になる場合は、契約書を確認してみましょう。
① 建てたハウスメーカー以外で工事をすると、メーカー保証されなくなります。
しかし、メーカーの見積もりが高すぎて金額的に躊躇する人は、 他社に見積もり依頼することもひとつの方法です。
➁ 施工の箇所に関してのハウスメーカーの保証はなくなりますが、代わりに施工会社と材料メーカーのW保証へ変わります。
7. ハウスメーカー以外で施工する時の注意点

ハウスメーカーでの施工料金が高いので、他社で依頼したいと考えている場合、注意点があるのも事実です。
注意点① 近所の塗装業者や工務店ではハウスメーカー同等の防水工事はできません。
ハウスメーカーで建てた建物は、構造体を理解した上でも、施工経験が必要になってくるからです。
注意点➁ 塩ビシート、笠木の脱着、外壁・防水の納まり、改修ドレンの知識や経験を有するため、塗装業者や工務店で取り扱えないことを覚えておきましょう。
注意点③ ハウスメーカーの建物は、独自の構造体になっていて、施工したことがない業者が施工してしまうと、かえってトラブルをひきおこします。
ハウスメーカー以外で施工する場合は、ハウスメーカーの防水・外壁補修を数多く経験されている専門業者を、慎重に選びましょう。
8. 専用のシートでなくても、防水工事は可能

ハウスメーカーの専用シートでなくても、防水工事はできます。
なぜなら、ハウスメーカーと同等品の防水シートを出しているメーカーを使うことで、ハウスメーカーでなくても防水工事が可能になるからです。
① へーベルハウス・セキスイハイム・積水ハウスなどのハウスメーカーは、 住ベシートのオリジナル塩ビシート(DNシート)を採用しています。
➁ ハウスメーカーが採用している防水シートメーカーと社名が違うだけで、防水性能は同等で値段は安いです。
③ ロンシール工業は工法に合わせて、最適な性能を引き出す防水シートで、防水性能はもちろんのこと耐久性や防火性・寸法安定性などにもすぐれています。
④ アーキヤマデは、耐候性や耐久性に優れた塩化ビニル樹脂を主原料として使い、夏期や冬期の寒暖差の影響を受けにくいのが特徴です。
➄ 田島ルーフィングは、アスファルト防水や改質アスファルトシート防水やシート防水・塗膜防水など防水シートの種類が豊富です。
① これらのメーカー防水シートは、 ハウスメーカーの建物でも施工が可能です。
シート防水のメーカーは異なっても、機能はほぼ同等なので安心できるでしょう。
➁ シート防水以外では、既存のシートの状況によりますが、ウレタン系の塗膜防水も工事可能ですが、ハウスメーカーは独自の構造(ALC)ですので、必ず経験のある業者に依頼することがおすすめです。
9. ハウスメーカー以外のおすすめ施工業者を探すには?

日本の建設業者は、コンビニの数より多い50万社ほどといわれています。
しかし、その50万社の中で、ハウスメーカーの防水・外壁工事を得意としている業者は、全体の1%〜2%ほどなのです。
9-1. ハウスメーカーの防水工事業者を自分で探すのが難しい理由
① 自分で信頼できる業者を探していくのは難易度が高く、なかなか見つけ出せません。
➁ 運よく見つかったとしても、そこにたどり着くまでの時間と労力を考えると気が遠くなる作業です。
③ 防水工事のプロである専門業者であっても、 ハウスメーカーの防水・外壁工事を得意とする業者は数が少ないといわれています。
④ ハウスメーカーの建物は、独自の構造体になっています。万が一施工したことがない業者が施工してしまった場合、トラブルをひきおこす可能性もあります。
ハウスメーカー以外でおすすめの施工業者を探すには、 ハウスメーカーを得意とする専門業者を紹介してくれる専門機関に問い合わせする方法がおすすめです。
専門機関に問い合わせをして、住宅に合った防水専門業者を探して貰う方法なら、確実に負担を減らせるということです。
防水工事見積もり.comなら、ハウスメーカーの防水・外壁補修を数多く経験されている専門業者を紹介することが可能です。ハウスメーカーからのお見積りを複数社とっていただき、当サイトから紹介した業者と比較することをおすすめします。
ハウスメーカーの防水・外壁補修と同様の施工で、安い見積もりがお渡しできると思います。
その他、ご質問などございましたら、当社の無料相談をお気軽にご利用ください。
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