防水工事と塗装工事の違いを分かりやすく教えてください
防水工事と塗装工事の違いについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
防水工事と塗装工事の違いについての質問と回答
【 質 問 】
防水工事と塗装工事の違いを分かりやすく教えてください。
【 回 答 】
防水工事と外壁塗装は似ているように見えて、目的や施行方法が異なります。
防水屋と塗装屋も違います。
今回はポイントに絞って違いをお伝えしていきます。
1. 工事目的の違い
防水工事
建物に水が侵入しないように防ぐための工事です。
雨水や蒸気・湿気から建物を守り、内部への雨漏りやカビの発生を防ぎます。
防水材を使って屋上やベランダなど、水の侵入しやすい場所に、塗膜やシートなどでバリアを作り守ります。
外壁塗装
建物の外壁を保護し、見た目を美しく保つための工事です。
外壁を雨風や紫外線から守る塗料を塗ることで、外観の維持と、外壁材の劣化を防止するのが主な目的になります。
2. 施工場所の違い
防水工事
屋上(棟屋含む)ベランダ、廊下、階段など、雨水や太陽の紫外線が当たりやすい場所が主な対象です。
これらの場所では、水がたまることで、建物内部に浸水するリスクがあるため、防水処理が必要です。
下地補修や入隅シーリングや笠木カバ脱着などの技術や知識も必要です。
外壁塗装
建物の外壁全体が対象です。
外壁の表面に塗料を塗り、雨風から保護するだけでなく、建物の外観を美しく保つ役割も果たします。
また目地シーリング工事や鉄部塗装といった工事も必要になってきます。
3. 使用材料(工法)の違い
防水工事
専用の防水材を使用します。ウレタン防水やFRPといった塗膜系と呼ばれる塗っていく防水材もあれば、塩ビシート、ゴムシート、改質アスファルトシートといった、シートを貼っていく防水材があります。
各材料は、それぞれ伸縮性や耐久性などの違いがあり、建物の構造や既存防水の種類によって使いわけていきます。
どちらの防水材も、水の侵入を防ぐ性質があります。
外壁塗装
塗料がメインです。防水性がある塗料もありますが、基本的には外壁を保護する役割で、防水効果を重視した材料ではありません。
付加価値として、最近は汚れに強いとか、表面温度を押さえる遮熱系の効果を持たせる塗料が選ばれています。
補足情報
防水材の厚さは、最低1.5mm~最大6mm程度まであり、分厚いのが特徴です。
外壁塗装の厚ミリは、3回塗りで0.6mm程度です。
防水材は雨漏り対策なので、分厚いのが特徴。
外壁塗料は美観目的なため薄いのが特徴。
当然、防水工事のほうが費用も高額になります。
4. 効果の違い
防水工事
直接的に水の侵入を防ぐ効果があり、雨漏りや水害から建物を守るための工事です。
外壁塗装
外壁を守ると同時に美観を整えることが目的で、防水効果は防水工事ほど強力ではありません。
補足情報
防水屋と塗装屋では専門性、技術力がそれぞれ違います。
〇専門分野の違い
- 防水屋:水の侵入を防ぐ知識・技術に特化しています。
建物内部への水漏れやダメージを防ぐ工事を行います。 - 塗装屋:外壁や建物の美観と保護が専門です。
主に外壁や屋根に塗料を塗り、見た目を綺麗に保つ工事を行います。
〇技術の違い
- 防水屋:防水の技術・知識はもちろん、建築構造の知識が求められます。
建物の構造や既存防水の種類・状態によって選択する施工方法が多岐にわたります。(塗膜で塗る、シートを貼るなど) - 塗装屋:主に塗装技術が重要で、色や仕上がりの美しさが評価されます。
工事項目も、防水工事よりも比較的シンプルです。
まとめ
防水工事は、水から建物を守る工事です。
防水屋は、水から建物を守る技術者!
外壁塗装は、建物の美観保護を目的とする工事です。
塗装屋は、外観を保護し美しく仕上げる職人!
という違いがあります。
雨漏りしている・もしくは雨漏りをしたくない方は、防水屋さんに見てもらうことをオススメします。
建物を綺麗にしたいと思う方は塗装屋さん依頼をオススメします。
判断がつかない場合は、アドバイザーの福島までお気軽にお問合せください。