初めてのマンション大規模修繕を解説!防水工事が大規模修繕成功の鍵?
長年同じところに住んでいると、修理が必要なところや経年劣化してしまうところが出てきますよね?
マンションは、積立金を行っているマンションが大半ですので、定期的に大規模修繕が行い建物を維持していきます。
初めての修繕は戸惑うことばかりですが、防水工事アドバイザーの福島が詳しく解説します。重要なポイントを学んでいきましょう!
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
1. 大規模修繕とは!?
大規模修繕は管理組合が中心となり行います。
ですが住人もきちんと把握をする事で、楽しくて快適なマンションを作る事が出来ます。
初めての大規模修繕は、およそ10年目に行う事が定番です。
最初は外的刺激に侵されている外部を中心に考えていきます。
外部は劣化しやすいので、雨漏り等に繋げてしまう事がありますので、注意が必要です。
1-1. 外部大規模修繕の箇所
・目立ってきた外壁劣化部分の修繕
マンションは、鉄筋コンクリート造が多くあります。
コンクリートは、年月を重ねて乾燥収縮していき、5年程で完全に乾燥します。
乾燥が終わると始まるのが、ひび割れです。
あちこちにひび割れが発生していくので、ひびの度合いを確認して修繕しなければなりません。
この初期の修繕を行わなければ、後に雨漏りに繋がりますので、要注意です。
外壁をくまなく確認して、不具合部分を修繕しましょう。
・外観の修繕で新築以上の外観に
築10年程になると、外壁塗装等の外壁仕上げ材の劣化が進んでいます。
外壁の不具合と一緒にチェックし、修繕又は改善を行いましょう。
塗膜の不具合、タイルの不具合、コーキングの不具合などチェックし、必要な場合は全面リフォームを行いましょう。
新築以上の外観にすると、マンションの価値も大きく上がります。
賃貸や分譲のお客様に対してのイメージが良くなりますので、必須な工事です。
・屋上防水の劣化のチェック
屋上防水も紫外線等の外的刺激に侵されるので、劣化の確認が必要となります。
屋上防水の細かい劣化を放置し、雨漏りに繋げてしまうマンションは物凄く多いです。
初期の段階で行うと修繕のみで済む
ので、細かくチェックしましょう。
この3つは、放っておくと重篤な被害に変わってしまいますので、細かく点検を行って修繕しなければなりません。
初めての大規模改修の場合は、深刻な劣化が起きていない事が大半です。
手を掛ける部位が少ないので、確実に集中的に行うようにしなければなりません。
大規模修繕の工事自体には興味が全く無くても、仕上がりの度合いには興味があると思う住民は多いと思います。
大きな費用をかけるので、充実した大規模修繕に繋げるようにしましょう。
初めての大規模改修は、管理組合も住民も経験が無いので解り辛く苦労してしまう事が大半です。
どのような大規模修繕を行う事に意味があるのか、業者に依頼して細かくチェックしてもらい、明確にして皆さんで考えましょう。
不具合箇所は全て修繕し、劣化状態を引きずらない快適なマンションを維持しましょう。
初めての大規模修繕の際の管理組合を含めての住民の集まりは、普段殆ど馴染みが無い住民とも出会う事が出来ます。
コミュニケーションの場にもなりますので、積極的に参加をするようにしましょう。
積極的に集まる事で相談や協力の輪が広がり、マンションの一体感を作る事が出来ます。
住民みんなで相談をし、有意義な大規模修繕に繋げて快適なマンションを作りましょう。
2. マンションの大規模修繕は何故必要?
マンションの大規模修繕は、高い費用がかかるマンションのビックイベントです。
その為、出来れば先延ばししたいと思うのが本音だと思います。
平均10~15年目の間で、大規模修繕を行っているマンションが大半であり、ベストなタイミングといえます。
特にマンションの場合は不特定多数が使っている建物ですので、一般住宅と比べると劣化が激しい傾向があります。
その為、建物としての資産価値が通常の建物より下がってしまう場合がよくあります。
みんなが使うマンションだからこそ、適度なタイミングを守って大規模修繕を行わなければいけないのです。
大規模修繕により、マンションの寿命を高める事に繋がります。
2-1. まず建物の状態を確認しよう!
鉄筋コンクリートや鉄骨造の建物は、一見頑丈で丈夫に見えます。
もちろんその通りなのですが、見えない部分で少しずつ劣化を起こしています。
木造と比べると確認しにくく、ついついおろそかになってしまう傾向があります。
10年経っても20年経っても丈夫で大丈夫なイメージが大きいですが、実は著しい劣化を起こしているパターンは良くあります。
それを未然に防ぐのが、大規模修繕なのです。
大規模修繕に大事な事は、今建物はどんな状態なのかを把握する事です。
外部の建築材料の寿命が10年ほどですので、
10年~15年を目安
に調査や診断を行います。
建物の状態により、今大規模改善が必要なのか、何を再前提に修繕しなければならないのかを検討します。
建物の状態を把握せず、ただ目安の年数が経ったから大規模修繕を行うのは本来違います。
必要だから大規模修繕を行わなければいけないので
建物が良好な場合は、17年目や20年目が初めての大規模修繕という場合もあります。
また、建物を常に点検し不具合を見つけて補修を行う事により、建物の寿命をより高める事に繋がります。
建主さんや管理している業者は、こまめに建物全体の点検を行って建物の寿命を高めるようにしましょう。
点検や調査の努力により、寿命の長い良い建物を維持させる事に繋がります。
見て見ないふりをしていると、建物の寿命は明らかに低くなってしまいます。
2-2. 10年目前後によく起きる不具合
- コンクリート外壁のヒビ
- 屋上防水のヒビなどの劣化
- 鋼製の手すりにサビ
- 非常階段に錆び
- 排水能力が乏しくなってきた
- 給湯器や便器などの備品関係に衰えがきた
- 駐車場の舗装部分の不具合
等、10年を境目に様々な劣化がどんどん出てくる傾向があります。
もちろん、劣化してしまう度合いは建物により様々です。
同じ築年数であっても、立地条件や住民の使い方により劣化度合いは大きく変わります。
2-3. 大規模修繕の目安
大規模修繕の時期というのは、何か法律で決まっている事ではありません。
その曖昧さゆえに、住民側と管理組合側でもめてしまう事も少なくはありません。
タイミングの目安としては
- 外部や内部の劣化状態、
- メーカーの保証期間
- 修繕積立金の残高等
により決めます。
そのタイミングが、およそ10~15年目なのです。
その一般的なタイミングを参考にし、マンションの管理組合では大規模修繕の長期的計画を立てます。
計画を立てなくては、大規模修繕の際に費用の捻出が難しくなるからです。
あくまでも計画する上での目安の年数ですので、その年数を鵜呑みにせずに適切なタイミングで大規模修繕を行うようにしましょう。
マンションを長く健康に保つ為には、面倒な不具合が起きる前に大規模修繕で建物の健康を保ちましょう。
今の建物は、100年は持たせる事が可能
と言われています。
その為には、適切な大規模修繕を行う事が不可欠となります。
建物の寿命は、建物の環境によっても大きく左右されます。
海沿いや川沿い、線路の沿線等は、どうしても劣化が激しくなってしまう傾向があります。
また、新築時の施工の技術や仕様も大きく左右されます。
これらをカバーする為には、適切な点検と大規模修繕が大事となります。
たかが点検、工事はお金がかかるなんて言う考え方ではなく、自分の建物の為に必要だという事を踏まえて大規模修繕を行うようにしましょう。
3. 分譲マンションは大規模修繕工事が必須!?
分譲マンションをお持ちの方は、築10年以降になった場合は大規模修繕が必要となります。
マンションは第三者に使われる建物なので、どうしても全体的に乱暴に使われてしまう傾向があります。
また、建物が大きいので紫外線等の外的刺激の影響を多く受けてしまう傾向がります。
その為、一般的な自己所有の建物と比べると、劣化が激しくなってしまいます。
マンションは見た目が大きなカギを握るので、劣化しているようでは買主が逃げてしまいます。
放っておかずに、適度な頻度で大規模修繕を行いましょう。
雨漏りが起きやすいのも、乱暴に使ってしまう建物ゆえに起きてしまう事と言えます。
使い方が乱暴なのは仕方ないとしても、建物に悪い影響を極力与えないように、大規模修繕でしっかりカバーをしましょう。
3-1. 長期修繕計画
分譲マンションは、新築時に30年先までの「長期修繕計画」が提示されます。
計画では、10~15年の間で大規模修繕を実施するケースが多く見受けられます。
ただし、「長期修繕計画」はあくまで計画であって、その通りにしなければならない訳ではありません。
良くない事ではありますが、どこのマンションも管理組合の対応が遅く、大規模修繕が遅れがちなマンションが殆どのようです。
大規模修繕を絶妙のタイミングで行う事で建物の劣化を最小限に留める事が出来ます。
積み立て費用もあるので、きちんとしたタイミングで行う事をオススメします。
よくある大規模修繕のタイミングは、
外壁修繕は15年周期、エレベーターや水道管の修繕は20年程が一般的
です。
これらに絡めて、その時必要な修繕を行っていきます。
分譲のマンションの場合は、積立金で大規模修繕を行う事が可能です。
費用より積立金が少ない場合は、各住戸(買主)の持ち出しとなります。
マンションのオーナーが大規模修繕の費用を負担する事は、ありません。
修繕積立金は、月額㎡当たり100~150円程です。
100円100㎡で計算すると、月額10,000円となります。
1回目の大規模修繕は15年程になっても、2回目以降はどんどん建物が劣化しているので、間隔短くなってしまう傾向があります。
2回目の大規模修繕は1回目から12年程になり、次はもっと短くなる事が大半です。
それは、建物の寿命や材料の劣化度合いが急激に進んでしまうので、仕方のない事となります。
建物の築年数に比例して修繕積立費の額が増える事がありますが、これは当然の事と言えるでしょう。
その為、マンションは築40~50年程度で建て替えの選択をする時期となります。
マンションのオーナーは、契約時に大規模修繕について区分所有者の負担の説明を買主にしなければいけません。
もし、売買時に買主に説明をしていないようでは、大規模修繕の際に費用の追加徴収を買主に出来ない場合があります。
マンション売買時には、大規模修繕の時期や費用の詳細、追加費用の有無について、買主にきちんと説明をするようにしましょう。
買主側が売買時に確認したのに後に結局は請求されてしまうと、もめてしまう事もありますので、要注意です。
3-2. 主要構造の修繕箇所
大規模修繕は、主要構造部の過半以上を行う事が該当となります。
それに合わせて、以下の修繕を行いましょう。
主要構造部 | 修繕 |
外壁 | 塗り替え、タイルの張替え等 |
玄関 | ポーチ床塗り替え、タイルの張替え、スロープに改修等 |
バルコニー | 床修繕改修等 |
階段 | 床修繕改修、手すり取付け等 |
塀 | 補修、塗り替え等 |
エレベーター | 改修、取り換え等 |
屋上 | 防水補修、防水やり替え等 |
屋根 | 屋根仕上げ材補修、葺き替え、屋根形状変更、雨樋修繕及び新規取り替え等 |
共用廊下 | 床材補修、塗床補修、壁天井補修、塗り替え等 |
建物内部 | 床、壁、天井の補修、改修 |
什器備品取り替え | ユニットバス、洗面化粧台、便器、下駄箱、システムキッチン |
木製建具の取り換え | 各部屋出入り口戸、収納建具等 |
給排水管 | 補修及び取り替え等 |
大規模修繕に合わせて、このような部分をチェックし、不具合が起きている場合は一緒に修繕工事を行いましょう。
特に水道管は、30年以上経っている建物であれば鉄管を使っているので、錆びを作ってしまい危険です。
今の水道管は銅管ですので、銅管に取り換える様にしましょう。
マンションやホテルで赤水が出やすいのは、今も鉄管を使っている悪い状態から発生しています。
健康被害に繋げてしまうので、是非検討をしましょう。
3-3. マンションの居住者へ
マンションの大規模修繕の際は、工事前に居住者に細かい説明をしなければなりません。
工事担当者やオーナー、居住者により行います。
居住者に1番にのしかかる工事ですので、全てにおいて解りやすく説明し、全住居者に納得を得なければなりません。
この時、質疑応答等も居住者より受け、どのような大規模修繕が必要なのかを把握すると、より住みやすい快適なマンションに繋げる事が出来ます。
不便な部分、良くないと思っている声が把握できるので、予算にはまるようであれば、大規模修繕工事の際に取り入れてみる事も考えてみましょう。
分譲マンションは、このように必要な時に皆さんで集まってきちんと話し合って物事を決める事で、横のつながりがしっかりして、良い建物へと繋げる事が出来ます。
オーナーだからとはいえ勝手に工事をする事は許されません
ので、常に買主さんと繋がるようにしましょう。
大規模修繕の保証期間ですが、一般的な保証期間は1年間です。
どの部位を大規模修繕したのかによっても変わりますが、個別の部位で言うと屋根防水工事は10年保証をする物もあります。
この期間外であれば、不具合が起きた場合大規模修繕をしなければならない事があります。
そんな急な大規模修繕の際には、どのような費用形体で工事を行うのかも、事前に決めておくと後から揉めずに済みます。
マンションの大規模修繕は大きな費用がかかるので、いざ行うとなると揉め事に発展してしまう事があります。
そうならぬよう、事前に決めごとをきちんとして、スムーズに大規模修繕を行えるマンションにしましょう。
4. 大規模修繕1回目に目を向けて欲しい箇所!
大規模修繕となると、塗装や内装などの建物の見た目を綺麗にする事を1番に考える方も多いのではないでしょうか。
建物は見た目も重要ですが、修繕となると目を向けなければいけないポイントがあります。
マンションの1回目の大規模修繕の際に必ず目を向けて欲しいポイントといえば、
建物に重要な部分の劣化です。
1回目の大規模修繕は築10~15年の間に行いますので、気になってくるのが
建物の防水
です。
防水状態が悪くなってしまうと、建物に致命的な影響を与えてしまいます。
徐々に建物の中に水分が入り込んでしまう致命的な影響により、マンションを長持ちさせる事が出来なくなってしまいます。
そのような状態にならないように、1回目の大規模修繕の際に徹底的に点検、補修を行うようにしなければいけません。
4-1. 防水力の低下を防ぐ箇所
・コンクリート躯体のクラック
コンクリートの躯体のクラックは、ヘアクラック程度であれば全く問題ありません。
しかし、名刺のような紙がスッと入ってしまう程の太さのクラックでは、躯体の中までクラックが突き抜けている事があります。
その場合、中の鉄筋に被害を与えてしまいますので、躯体の強度を軽減させてしまいます。
また、酷い場合は雨漏りへと発展させてしまう事があります。
補修しなければいけないクラックは、コーキングや樹脂モルタル、エポキシ樹脂等により補修します。
・外壁タイルの劣化
タイル自体は半永久的な寿命がありますが、張り付けた建物の動きには勝てずに劣化が起きてしまいます。
タイルのヒビや浮きなど、きちんと点検をして補修しておく事で、タイルの劣化事故を防ぐ事が出来ます。
外壁タイルの場合、タイルだけではなく躯体にも損傷が出ている事がありますので、タイルに不具合が起きている場合は躯体まできちんと点検を行う事が重要となります。
・コーキングの劣化
外壁のジョイントや伸縮目地に施工しているコーキングは、10年ほどで劣化してしまいます。
そのため、1回目の大規模修繕の際には、必ず打ち直しを行わなくてはいけません。
この際、補修や打ち増しではなく、打ち直しをする事が原則となります。
1部分劣化しているように見えているコーキングですが、ほぼ同時に全てが劣化しますので、
1部分だけ補修をしても意味がありません。
また、古いコーキングと新しいコーキングは密着しませんので、古いコーキングの上から新しいコーキングを打ち増ししても全く意味がありません。
古いコーキングは全て取り除き、全てを新しく打ち直ししましょう。
・屋上防水やバルコニー防水の劣化
防水は、築10~15年程度で劣化してしまう事があります。
特に、立ち上がり部分やドレン廻りは劣化しやすい場所ですので、細かく点検をして補修をしましょう。
補修箇所が多い場合は、全面やり直す事をオススメします。
下手な補修では雨漏りを引き起こしてしまう事もありますので、防水の補修は確実に行うようにしましょう。
・屋上やバルコニーの金具周り
屋上やバルコニーの金具と防水の取り合い部分は劣化しやすく、取り合いから漏水したり金具が外れて落下してしまう事があります。
細かく点検をして、しっかりと補修をするようにしましょう。
このように、1回目の大規模修繕には防水部分の点検が最も重要となります。
見た目への観念から外側の修繕をしたいのは分かりますが、建物を長持ちさせる為には機能的な部分の補修が1番重要なポイントですので、是非厳重にチェックをして行うようにしましょう。
予算が無い場合は、防水の様な建物に致命的な影響を与える部分の補修を最優先し、見た目の修繕は後回しにするようにしましょう。
5. 大規模修繕の流れって?
マンションの大規模修繕は、計画から完成までどのような流れで行われるのでしょうか。
住民に明確になるように、細かい流れで進んでいくマンションが大半です。
どのような流れなのか、解りやすくまとめてみました。
①大規模修繕の実施の発意
長期修繕計画書により、管理組合と住民の要望も含め、
大規模修繕工事の実施のGOサインを発します。
↓
②建物調査診断
専門の管理会社やコンサルタントにより、建物の詳細な調査を行ってもらいます。
細かい調査により、どの工事を優先して行わなくてはいけないのかを把握します。
その為、管理組合と住民に要望に100%そぐわない場合もあります。
大規模修繕は修繕が主なので、急いで行わなければいけない工事が最優先となります。
良くないのは、管理組合や住民の要望による行う事を重視し、調査を行わないマンションです。
↓
③修繕計画の作成
建物をきちんと診断した後、必要な修繕箇所や方法、工期や時期などを決定します。
その後、最新の長期修繕計画を作成します。
↓
➃修繕費算定
必要な修繕箇所が決まったら、必要な金額を算出します。
費用の算出は、専用の業者やコンサル会社が行ってくれます。
修繕積立金と照らし合わせて、足りないようであれば借り入れや追加費用を住民に請求するなどの計画を立てます。
↓
⑤費用が確定したら、工事業者より見積りを依頼します。
マンションは金額が大きくなるので、公募という形で何社かからの見積りを取ります。
一社の見積りでは内容が偏るので、良くありません。
↓
⑥総会で承認を貰う
業者と工事金額が決定したら、マンションの総会で承認を貰います。
臨時総会を開催して、管理組合と住民に承認を貰います。
↓
⑦工事開始
いよいよ、工事開始となります。
外部が絡む事が大半なので、雨等から逃れる事が出来る、春か秋がオススメです。
その中でも、梅雨等の雨が多い時期は避けて、計画をしましょう。
工期が決定したら、必ず着工前に住民説明会を開き、周知徹底します。
その際、工期や足場設立の期間、騒音等も把握しましょう。
↓
⑧工事中の定例会議
マンションの大規模修繕は長い期間になるので、中間時にどのような流れで工事を行っているかの報告を行います。
短い工事期間の場合は、工事中の報告は行われない場合があります。
↓
⑩工事完了
工事が完了し、工事部分の引き渡しが行われます。
その際、工事中に絡んだ書類の引き渡しを行ってもらい、管理組合で保管します。
これらが、マンションの大規模修繕の大まかな進め方です。
マンションによっては、この流れが多少違う場合もあります。
大金を使う大規模改修でも、このように内容が明確になると住民も解りやすく安心です。
6. 大規模修繕の上手な進め方!
大規模修繕というのは、とても大掛かりな工事です。
その為、進め方というのはとても大事となります。
大規模修繕に遭遇した事が無い方でしたら、どなたでもわかりにくい事となります。
大規模修繕に慣れていない方の為に、大規模修繕はどのように進めていけばよいのか、上手な進め方のポイントをまとめてみました。
6-1. まずは大規模修繕のスケジュールを決めよう
大規模修繕の計画というのは、スケジュールを大まかに決める所から始まります。
考え方は、とても簡単です。
▼ポイント!
- どのタイミングで行うのか
- 何をするのか
- ゴールはどの時点にするのか
この様に大切なポイントを決めていく事で、大まかな大規模修繕のスケジュールを決める事が出来ます。
大規模修繕工事を円滑に進める為には、この時点での計画がポイントとなります。
これらをきちんと決めて、大規模修繕を円滑に進めるようにしましょう。
6-2. 修繕委員会の設立
大規模修繕というのは、計画から工事開始するまで3~5年程度かかってしまう事が一般的です。
マンションの理事会の理事の任期は1~2年程度で交代
となる為、大規模修繕の確実な立案を理事会のみで行っていく事といのは難しい事となってしまいます。
理事が交代しても大規模修繕の立案作業が滞らない為に必要なのが、修繕委員会です。
修繕委員会は、歴代の理事や区分所有者の中から建築や設備に精通している方から選びます。
修繕委員会は、必要な改修工事の内容や実施する上での問題点、解決策などを調査検討する、大規模修繕には欠かせないメンバーです。
6-3. 業者の選定には関係者を入れない
理事会や修繕委員会は大規模修繕に対して詳しく網羅している訳ではありませんので、大規模修繕に富んでいる施工業者を選定する事が大事となります。
マンションの大規模修繕によくある事といえば、施工業者に縁故関係や知り合い等の関係者を採用してしまう事です。
大規模修繕は大きなお金が動く工事ですので、そこに縁故関係者や知り合いを入れると金銭的な問題が発生してしまいます。
よくある事といえば、リベートをもらったという噂です。
そんな事実は1つも無くても、人の噂というのは煙が立っていない所からも簡単に上がってしまいます。
そのような噂が出てしまうと厄介な状態となってしまいますので、縁故関係者等の知り合いに施工を依頼する事は絶対にオススメ出来ません。
6-4. 施工が始まったら毎月一定の施工状況をチェックする
工事が始まったら業者任せと思われる管理者もいるようですが、工事が始まってからもチェックすべき部分は多々あります。
一定のタイミングで、施工状況をチェックする事は大事となります。
その理由は、これらが挙げられます。
6-5. 工程通り工事が進んでいるか
当初の工程通りに工事が進んでいるかは、工事の完了に大きな影響を与えてしまいます。
入居者が居ながらの工事となりますので、工事の進捗状況の確認はとても大事となります。
最低でも、1か月に1度はチェックするようにしましょう。
6-6. 工事に不備が無いか
プロの業者に依頼をしていますので安心してしまいがちですが、マンションの大規模修繕の場合建物が大きいので、工事に不備が出ている可能性もございます。
そのため、見える範囲は工事の不備をチェックすべきです。
素人目に見ておかしいと思う事は、プロが見てもおかしい部分となります。
確認できる範囲で確認し、納得が出来ない部分は指摘するようにしましょう。
6-7. 工事の内容が変わっていないか
工事の内容は契約した見積書の内容のみですが、稀に工事の方法をより良い方向に勝手に変えてしまい施工を行われてしまう事も少なくはないようです。
その場合、当初の施工とは違いますので、追加工事の費用を請求されてしまう事があります。
工事の変更は互いに同意をして契約を交わした後に行いますので、勝手な工事の変更は許されません。
嘘のような話ですが、このような事は少なく無い事実です。
そのような事が起きないように、工事の内容が当初の通り行われているのかもきちんとチェックするようにしましょう。
違うなと違和感に思えたら、工事担当者に問い合わせてみましょう。
6-8. 施工後のチェックをお忘れなく
大規模修繕が完成すると、全てが終わって良くなったという気持ちになってしまうと思います。
しかし、完成しても不具合が無いかチェックする事は、とても大事となります。
きちんと細かくチェックし、不具合があった場合は更なる修繕をお願いしないといけません。
マンション等の大きな建物の大規模修繕の場合、業者の方で細かくチェックしているつもりでも抜けている部分が発生してしまう事があります。
もし不具合が見つかっても対応してくれますので、必ず完成後には確認をするようにしましょう。
大規模修繕に瑕疵を付ける事が出来る大規模修繕専用の瑕疵保険というものがありますので、入っておくと万が一の事があった場合でも保険で対処する事が出来ます。
これらのポイントを上手くつかむ事で、大規模修繕をぬかりなく進めていく事が出来ます。
細かいポイントともなってしまいますが、それらを確実に実行していく事で大規模修繕を成功させる事が出来ます。
7. 大規模修繕で発生してしまうトラブル
マンションの大規模修繕は、やらなければいけない工事がたくさんあります。
その為、色んなトラブルが発生してしまいます。
マンションの大規模修繕で発生しやすいトラブルを、まとめてみました。
7-1. 環境によって起きるトラブル
・騒音
大規模修繕に、騒音は付き物です。
部分解体や工事の作業音、作業車の出入りの音など、様々な音が発生してしまいます。
この様な騒音は、大規模修繕では発生してしまうのが当たり前です。
わざと出しているのではなく、工事を行う上で発生してしまう仕方のない事となります。
・臭いやホコリの発生
大規模修繕の場合、部分解体等を行う事が多くありますので、どうしてもホコリが発生してしまいます。
また、部分解体の際の独特な臭いや建材からの臭いも発生してしまいます。
外部に洗濯物を干せなくなってしまいますが、短期間ですので我慢するようにしましょう。
・振動の発生
部分解体や工事車両の行き来等により、振動が発生してしまう事があります。
工事における振動はやむを得ない発生であり、一時的な発生です。
慣れていない方には物凄く苦痛ですが、建物を良くする為の工事を行っている上での騒音ですので我慢するようにしましょう。
7-2. 内部で起こるトラブル
・プライバシーが損なわれる
大規模修繕の場合、大勢の作業員が出入りします。
場合によっては、窓から室内が見える状態にもなってしまいます。
作業員は作業に打ち込んでいますのでいちいち部屋の中を見る事はありませんが、住んでいる側にすると不愉快な気持ちになります。
気になる場合は、カーテンを閉めるなどの対処をすると良いでしょう。
大規模修繕を行う際、作業員に窓を眺めるような視線は向けないように教育されていますが、たまに目線がいってしまう事は致し方ない事です。
・足場設置による空き巣被害
大規模修繕の場合外部に足場を設立する事が一般的であり、気になるのが足場を介して浸入する空き巣被害です。
足場も入口を施錠する対処をしてくれる業者も居ますが、それでも空き巣はかいくぐってきます。
防犯対策はしっかりとし、補助錠等の設置など行うと良いでしょう。
建築会社によっては、大規模修繕工事の際に各戸に無料配布してくれる事もあります。
・足場設置による室内の暗さ
足場設置により、どうしても室内が暗くなってしまいます。
外壁塗装工事を行う際はシート養生も行いますので、更に室内が暗くなってしまいます。
大規模修繕の期間は3か月~半年ほどかかってしまう事もあります。
どうしても室内が暗くなってしまう事は避ける事が出来ませんので、我慢するようにしなければいけません。
・外部工事により窓を開けられない事がある
外部で解体工事や塗装工事を行っている時は、窓を開ける事が出来ません。
それ以外の工事の場合は開ける事が出来ますので、窓を開けられない期間は我慢するようにしなければいけません。
・外部工事によりエアコンを使えない期間が発生してしまう
外部工事の際、エアコンを養生する事があるとエアコンを使う事が出来ません。
外壁塗装やタイル工事、防水工事の際に使えなくなりますので、その際は我慢するようにしなければいけません。
・使用不可能な部分が発生してしまう
大規模修繕工事個所によっては、使用不可能な場所が発生してしまいます。
バルコニーやエントランスなど、工事内容によっては使用できない期間が発生してしまいます。
設備工事を行う場合は、給排水を使えない時間も発生してしまいます。
これらの使用不可能時間は短期間ですので、我慢するようにしなければいけません。
7-3. 入居者に不満を与えない為には
・事前に入居者への細かい説明の実施
事前に、細かい説明が入居者へ必要となります。
トラブルや苦情が発生してもめてしまう場合の大半は、入居者とのコミュニケーションン不足です。
・最低でも週1回は施工側と管理組合側で打ち合わせを行う
大規模修繕の際は、出来れば1週間に1度施工側と管理組合側で打ち合わせを行い、意思疎通を行っておく事が大事となります。
関係者各位のコミュニケーション不足により、入居者から工事中止を申し入れられ逆にトラブルになってしまったパターンも多くあります。
・暑い時期に外部工事を行わないようにする
暑い時期は窓を開けたりエアコンを付けるので、それらに関わる工事は絶対に行ってはいけません。
暑い時期を避けて外部工事を行うようにし、入居者に辛い我慢を強いる事は絶対しないようにしなければいけません。
マンションの大規模修繕は、マンションを良くする為に行う工事です。
嫌な思いをする為の工事ではありません。
施工側と入居者側も嫌な思いをしないよう、出来るだけ考慮をした工事とするようにしなければいけません。
8. 大規模修繕の費用の目安
マンションを建てる若しくは購入の際は、買う時の情報は教えてもらえますが、その後のメンテナンスについては教えてくれないものです。
当たりまえの事ですが、建物を維持する為には定期的なメンテナンスが必要となります。
マンションには、ある一定のタイミングに大規模修繕工事が必要となりますので、入居者は費用の積み立てを行います。
マンションの場合、築10~15年の間に1回目の大規模修繕を行います。
マンションの1回目の大規模修繕費用は、40戸程度の普及品のマンションで
2,800~3,500万円程度
かかります。
1戸当たりで換算すると、70~87万円程度となります。
マンションの形態や大規模修繕の際の施工のグレードにより差が出ますので、1戸当たり100万円の費用が掛かる場合もあります。
1戸当たり70~100万円程度の金額であれば、妥当な費用と思う様にしましょう。
8-1. 悪徳業者には気を付けて!?
マンションの大規模修繕の際は慣れているプロに見積もりをお願いするので、妥当で常識的な金額の見積書が出てくるようなイメージがあると思います。
しかし、驚くほどの見積書を算出される事もあります。
普及品の戸数のマンションで見積もりをしてもらっているのに、5,000万円という高い金額を提出される事もあります。
40戸で換算すると、1戸当たり125万円とかなり膨大な金額です。
見積書の中身を確認してみると、3,000万円程度の大規模修繕の内容とあまり変わらない事もあり、良く調べてみると割高に見積書の数字を吹っかけてきたという事実もあります。
1戸当たり100万円を超える1回目の大規模修繕は、相当な高さです。
このような業者には、依頼しない事を強くオススメします。
大規模修繕というのは内容がはっきり施主側に見えにくい部分がありますので、曖昧に金額を吹っかけられる事も少なく無いという事を覚えておきましょう。
わからないからと、業者の話を全て鵜呑みにしてはいけません。
8-2. 余計な費用をかけないために
1回目の大規模修繕工事とは、建物に起きている不具合を全て解消させる工事となります。
その為、
リフォームやリノベーションは行いません。
見た目を良くする工事ではなく、衰えた機能を修復して新築に近い状態にする工事です。
その為、美観を高めるための外壁工事や内装工事は、一切必要ありません。
建物に起きている不具合の修繕ですので、リフォームと勘違いしないようにしましょう。
業者によっては、単なる外壁の塗り替え等を提案してくる場合もあるようですが、外壁塗膜に不具合が起きていなければ塗り直しの必要はございません。
8-3. 確認しなければいけないポイント
▼ポイント!
- 屋上防水
- 外壁塗装
- タイルの浮き等の不具合
- コーキング
- バルコニー防水
この5つの中で1回目の大規模修繕のタイミングで多く発生するのが、外壁タイルの浮きです。
外壁タイルが浮いている状態というのは見た目にはわかりにくいものなのですが、専用の打診ハンマーで打診検査を行っていくと、音が軽く感じる部分があります。
それが、タイルが浮いている状態となり、危険です。
放置しておくと、タイルの落下などの事故に繋がってしまいます。
見た目が普通に見えても、必ず打診診断をして状態を把握しなければいけません。
・屋上防水層に問題が無いのであれば防水のやり直しは必要ない
屋上防水層は10年で保証が切れますので、大規模修繕の際には屋上防水をやり直す計画を必ず立てる業者が居ます。
しかし、建物に雨漏りが起きていないのであれば、まともな防水層を新しくする必要はありません。
トップコートは必ず寿命が来ていますので、防水層はそのままにしてトップコートのみを塗り直しするようにしましょう。
防水工事を取りやめるだけで、500~1,000万円に費用の差が生まれます。
・雨漏りがしている場合は、屋上防水と外壁補修の
建物に明らかな雨漏りが発生している場合、雨漏りが発生している部分を想定して雨漏り補修の為の大規模修繕を行う事があります。
上からの雨漏りであれば屋上防水、横からの雨漏りであれば外壁の補修と考えがちですが、雨漏りが起きている場合はこの2つの修繕を同時に行う必要があります。
屋上防水と外壁とは兼ね合いがありますので、片方だけ補修しても万度な雨漏り防止にならない可能性が高くあります。
よって、この2つの部位を同時に補修する事で、万度な雨漏り防止とする事が出来ます。
雨水というのは、1度入ると想像つかないルートで動き回りますので、例え屋上から侵入しているとしても外壁を伝って雨漏りを起こしてしまう事もあるからです。
費用は高くなってしまいますが、長く建物を使い続ける為には屋上防水と外壁を同時に補修する事を強くオススメします。
・外壁補修は全て念入りにチェックした上で全て補修
1度目の大規模修繕のタイミングでは、外壁には何らかの不具合が起きている事が大半です。
外壁に発生しているクラックや塗膜不良、剥がれ等の不具合は、全てきちんとチェックして補修を網羅しなければいけません。
少しでも残してしまうと、残した不具合部分から劣化が始まってしまい、2回目の大規模修繕の際は外壁素材自体を取り換えないといけない程厄介な状態となってしまいます。
外壁の点検は時間をかけて行い、起きている不具合を全てチェックした上で完全な補修を行わなければいけません。
建物に起きている不具合を残す工事では、大規模修繕の意味をなしません。
8-4.より費用を抑えたい場合は?
マンションの大規模修繕にかかってしまう目に見えにくい費用といえば、仮設工事です。
中でもマンションの大規模修繕の仮設費用の大半を占めるのが、外部足場です。
マンションの外壁面積全てに掛けるので、その費用は膨大な費用となります。
どうしても大規模修繕の費用が合わなく困ってしまった場合は、無足場工法を採用する方法がございます。
従来の枠組み足場を設置するのではなく、吊り足場や高所作業車を足場代わりにして高所作業工事を行っていく方法です。
無足場工法は特殊な工法ですので、業者によっては行っていない場合もございます。
本来は従来の枠組み足場を設立して外部工事を行う事が通常ですが、どうしても大規模修繕の金額が合わない場合は業者にご相談をしてみましょう。
このように、スムーズに1回目の大規模修繕を行っていく為には、これらのポイントを網羅しなければいけません。
プロの業者に一括依頼するのも悪くはないですが、必要な工事と必要な費用を捻出する為には、お客様の方でもこれらを把握しておく事をオススメします。
9. 大規模修繕工事はこんな業者に依頼して!
マンションの大規模修繕工事は、大きなお金もかかりますし建物を末永く維持していく為にもとても慎重に考えなければいけない工事です。
経済的に且つ高い満足を得る事ができる大規模改修工事じゃなければ、全く意味がありません。
大規模修繕工事というのは、想像以上に難しい工事です。
どんな業者に頼んでも満足が出来る工事となるのかというと、そうではありません。
大規模修繕工事は、業者選びにより全てが大きく変わっていきます。
業者選びは慎重になり、選び抜いた1社に工事を依頼するようにしましょう。
マンションの大規模修繕工事は、このような業者に依頼をするようにしましょう。
9-1.工事に入るまでのポイント
・しっかり建物を診断できる業者
大規模修繕はリフォームではなく、今後その建物を長く使って行く為のメンテナンスです。
そのため、今建物に起きている悲鳴や状態を把握できる業者にお願いしなければいけません。
表面だけを見て判断する業者も中には居ますので、注意しましょう。
・マンションの工事に慣れているか
マンションの工事の施工回数が多い業者は、マンション工事の進め方をよく理解しています。
住民や近隣に迷惑をかけないように行ってくれるので、揉め事も無く快適に工事を進める事が出来ます。
慣れていない業者に依頼すると、工事車両の駐車1つから揉めてしまう事があります。
・一括下請けに出さない業者
忙しい、人が居ない等という理由により、下請けに一括丸投げしてしまう業者が居ます。
各工種は下請けさんに出す事が一般的ですが、統括の管理は元請けが行わなくてはいけません。
元請けとしての技量が高い業者なのか、腕のいい現場監督が所属しているのかは、工事を大きく左右します。
・大規模修繕の専門業者に依頼する
大規模修繕というのは建築の中でも特殊な工事ですので、一般の建築会社では得手に出来ない可能性もあります。
大規模修繕工事を専門に行っている業者であれば何に対しても慣れているので、経験とノウハウで最善な大規模修繕の提示を行ってくれます。
また工事着工後も適した対応で行ってくれますので、とても快適です。
入居者からの苦情も少なく、安心してお任せ出来ます。
また、修繕を行うマンションの規模に合わせた業者選びも大事となります。
50戸未満の小規模マンション、50戸以上100戸未満の中規模マンション、100戸以上の大規模マンションなど、マンションの大きさによってもノウハウや施工技術は大きく異なります。
出来るだけ同規模のマンションの大規模修繕を豊富に行っている業者を選定する
ようにしましょう。
・見積書の価格が適正な業者
施工価格は、安いのが良いのではありません。
見積書の内容が、いかに適正であるかが大事となります。
きちんと現地を調査し、確実な内容の見積りを作る業者を選定しましょう。
使用する材料名を適切に記載している見積書は、何を使うのかが一目瞭然ですので明解でオープンな見積書と言えます。
一式ばかりの見積りを出してくる業者には、絶対依頼してはいけません。
9-2. 会社観念で大事なこと
・担当者の対応が良い業者
大規模修繕は技術力が高く評価される工事ですが、やはり丁寧で相手を敬ってくれる対応が出来る業者というのは必須項目となります。
大規模修繕のプランや見積書の説明など、しっかりとした対応が出来る業者を選びましょう。
親身になって考えてくれている担当者が居る業者は、ゆくゆく頼りになりますし安心です。
・経営状態が良い業者
大規模修繕を行っている業者の中には、自転車操業を行っている業者も少なくありません。
大規模修繕の工事が完了した後に不具合箇所が見つかった場合、経営状態が良くない業者であれば倒産しており対応してもらえない場合もあります。
次の大規模修繕までは少なくても10年はありますので、それまでは間違いなく存続する業者を選びましょう。
帝国テータバンクなどを参考にすると、その業者の経営状態を把握する事が可能です。
・評判が良い業者
周囲から評判が高く満足度が高い業者は、トラブルなく大規模修繕工事を行ってくれます。
1度経験された方の意見は間違いない意見ですので、とても参考になります。
・プレゼンの質が高い業者
大規模修繕を行う際は適した業者を選定する為に、様々な業者から見積もりなどを依頼する場合があります。
その際、大規模修繕におけるプレゼンテーションを行うのですが、この際工事の内容な説明の仕方などで企業の姿勢というのを把握する事が出来ます。
工事内容の的確さもそうですが、何事にも丁寧で親身になってくれる業者は後に助かる存在となります。
・施工中のケアを考えてくれている業者か
大規模修繕を行う業者は、業者により様々な部分へのケアに差が出ているのが現状です。
マンションの大規模修繕は、外部工事をする際はどうしても粉じん、臭いが発生してしまうので窓を開ける事が出来ない期間が長く続く事があります。
その際どのような対応を考えてくれるのか、敬う姿勢を感じる事が出来る業者なのかはとても重要となります。
この様なケアが出来ない業者を選んでしまうと、工事中に現場が揉め事などで混乱してしまう場合もあります。
安全や防災対策、住民への細かい説明、アフターケアの内容など、きちんとできる業者に依頼しましょう。
・大規模修繕工事完成後の対応もしっかりできる業者
建築工事全般に言える事ですが、工事完了後にも継続して品質を保証してくれる業者は、何か不具合があっても対応してくれますので、助かります。
工事というのはアフターサービスが重要ですので、それができる大規模修繕工事の業者はとても優秀ですし、安心してお任せ出来ます。
大規模修繕工事は、依頼する業者次第で精度や入居者のストレスが全く違います。
きちんと施工上優れている業者に依頼するようにし、問題なく進む快適な大規模修繕工事にするようにしましょう。
10. 大規模修繕の際に役立つ知識?!
マンションの大規模修繕は、建物が大きく費用も莫大になるので慎重に行いたいものです。
その為、大規模修繕時に役立つ知識があれば安心ですよね。
10-1. 始める前に不安はなくしておこう!
・大規模修繕に詳しい住民が居ないと大変?
大規模修繕に詳しい住民が居れば、それに越した事はありません。
しかし、詳しい住民が1人も居なくても、専門の業者やコンサル会社に専門的な事はお任せするので、何の問題もありません。
その為、何の問題もありません。
建築業に疎くても、万度なマンションを維持する事が出来ます。
・大規模修繕が失敗したら管理組合が責任を取らなきゃいけないの?
大規模修繕は大きなお金がかかるので、いざ失敗してしまうと管理組合に責任が及ぶのではないかと、管理組合の仕事をやりたがらない方も多いようです。
管理組合だけの問題ではなく、組合員つまり全入居者の責任となるので、組合が責任を感じる事はありません。
・設計会社やコンサルタントに依頼した方が良いのか
最終的には施工会社に依頼するのですが、マンション側と施工会社の間になってくれるのが、設計会社やコンサルタントです。
修繕の知識が薄くても、設計やコンサルタントにアドバイスをもらう事が出来ます。
信頼できる施工会社にお任せする予定なのであれば不要と言えますが、そうじゃなければ安心して工事を進める為には依頼する事をオススメします。
費用以上に、大きく役になってくれます。
・業者に見積りを依頼するとお金がかかるのか
見積書作成のみであれば、費用は掛かりません。
マンションは建物が大きく費用もかさむので、2社以上の業者から見積もりを取る事をオススメします。
金額だけじゃ無く、中身も細かくチェックをして業者を決定しましょう。
・大規模修繕の費用を安く済ませる為には
工事費用を安く抑える為には、大規模修繕の目的を明確にする事です。
あれもこれもと曖昧な感じですと、大規模修繕の費用は莫大に膨れ上がります。
そうならないよう、必要な事だけをピックアップし、材料の仕様もこの程度と明確にしておくと、費用を抑える事が出来ます。
必要な修繕とそうじゃない修繕を考え、曖昧に必要と思う工事は行わない事です。
・作業時間
マンションですので、8時~17時の作業時間が一般的です。
時間は業者により前後しますが、おおよそどこの建設会社もこのような時間帯で行っています。
また、土曜日や祝日は工事を行う業者が大半ですが、日曜日は工事を行わない業者が殆どです。
・工事中に不具合や疑問に感じる事がある場合
工事中に疑問等感じた場合は、管理組合に報告をしましょう。
管理組合から建築業者に伝わり、返事が必要な場合は回答してくれます。
不満を持って大規模改修を行っていると、長い期間不快な気持ちになってしまいます。
疑問に思う事は全て報告して、解決するようにしましょう。
大規模修繕は大きなお金が発生してしまうので、納得して工事を進めなくてはいけません。
疑問が残らない快適な大規模修繕を、住民みんなで作りましょう。
11. まとめ
ここまで初めての大規模修繕についてまとめさせていただきました。
長年住んできたマンションを維持するためにも大規模修繕が必要です。
快適な生活を送るためにも、やらなくてはいけないことが沢山ありますが
力を合わせて改善いきましょう!
大規模修繕のご相談いつでもお待ちしております。