2回目からのマンション大規模修繕を解説!

更新日:2024年7月8日 BY 福島 慎介

集合住宅であるマンションは多くの方が利用するため、特に建物の劣化やトラブルが起こりやすくなります。

そこで定期的な修繕が必要となりますが日々気にかけるポイントとはどこでしょうか。
防水工事アドバイザーの福島が詳しくご説明します。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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防水対策は外壁を雨から守るためにも大事な工事の1つです。
鉄筋コンクリートのマンションの場合、屋上の仕上げは防水を施している事が大半です。

しかし防水は10年程で劣化してしまうので、徐々に雨漏りを起こしてしまう事があります。
外壁や建物の中ばかりが大規模修繕の際に目が行ってしまいますが、屋上は鉄筋コンクリート建物にとても重要な部分ですので、注意が必要です。

また、鉄筋コンクリート内の劣化も引き起こしてしまうので、構造体の根本的な劣化にも導いてしまい、想像以上に大事になってしまいます。
鉄筋が酸性雨に侵されると、鉄筋コンクリート自体の寿命が大幅に無くなってしまいます。鉄筋コンクリート自体の致命的な劣化となってしまい、建物の寿命が一気に下がってしまいます。

屋上防水の対処は早目のタイミングが大きなカギとなりますので、気にしてチェックをするようにしましょう。

大規模修繕は屋上防水のリフォームだけでは該当しませんので、該当する主要構造部の過半以上の工事と併せて行うと良いでしょう。

屋上防水の種類によりますが、

アスファルト防水で10年程と言われていますが、あくまで目安です。


建物の立地条件や防水のカラー等により、アスファルト防水の劣化のスピードが高くなります。

10年経ったら、屋上に上がって細かく頻繁にチェックするようにしましょう。

▼屋上防水のチェックポイント。
  

・防水にひび割れが無いか
・防水に変色が無いか
・隅部分に剥がれが無いか
・重なり部分に剥がれが無いか
・著しいふくれが発生していないか
・破れている箇所が無いか
・笠木と立ち上がり部分の取り合いに不具合が無いか
・ドレンと防水の取り合いに不具合が発生していないか


1-1.防水に問題がないかチェックしよう!

また、ドレンの詰まりも雨漏りを引き起こしてしまうので、定期的なお掃除をするようにしましょう。
ドレンの縦の排水部分が詰まってしまうと厄介になってしまうので、頻繁に取いて常に綺麗にする事をオススメします。


1-2.劣化を最小限にするには?

屋上防水の劣化を最小限に抑える為にオススメなのが、


屋上防水の大規模修繕の後の屋上緑化を検討する事です。

緑化は紫外線や酸性雨などの外的刺激から防水を守ってくれるので、防水の劣化を抑える事が出来ます。
また、緑は省エネ効果を発揮してくれるので、夏涼しい建物にする事が出来ます。
屋上緑化をする場合は、歩行用の屋上防水を施すようにしましょう。

屋上防水から雨漏りが発生してしまうと、鉄筋コンクリートの中で水の道が出来てしまうので、手遅れになってしまうと防水を新規でリフォームしても、止められない場合があります。

大規模修繕の際に必ず検討し、屋上からの不具合を無くすようにしましょう。

大規模修繕の捉え方として、雨漏りが起きてから対処するという建物も少なくないようです。

しかし、これは大きな間違いです。
雨漏りが起きてしまうと、このような負担が建物に与えられてしまいます。


2-1. 内装に不具合

雨漏りにより建物に漏水被害が広がると、内装に不具合が生じてしまいます。
1度雨水が染みた内装材は、拭いても綺麗になる事はありません。
また、そこからカビが発生してしまい体内に大きな影響を与えてしまう事があります。

また建物内部に雨漏りの症状が出ていなくても、小屋裏内部や壁内部に雨水が浸食する事でカビを発生させてしまいます。

内装を修繕してもカビ臭さは消えなく、構造材にカビが付いてしまった場合は取りにくい傾向があります。

その為、カビが常に蓄積している建物となってしまいます。


2-2. 躯体内部に致命的な影響

コンクリートの躯体にしみ込んでしまうと、中の鉄筋に大きな影響を与えてしまいます。
鉄筋がさび付いてしまうと、鉄筋コンクリートの強度が著しく低下してしまいます。

建物自体の強度不足になってしまい、地震に耐えられないもろい建物になってしまいます。
内装等は修繕が可能ですが、鉄筋コンクリートの中の鉄筋は修繕が効きません。


2-3. 断熱性能が低下

雨漏りにより、断熱材に水分が付着する事で断熱性能が低下してしまいます。

断熱材は濡れると断熱効果が無くなり、ゼロになってしまう事もあります。

省エネ効果が全く発揮できない建物になり、夏暑く冬寒い建物にしてしまいます。
内壁や天井を全て取り払って、断熱材を充填し直さなければいけなくなってしまいます。


2-4. 早めの対処を心掛ける

大規模修繕は、雨漏りが起きてからでも問題無いと思っている建主さんが居るのでしたら、それは大きな間違いです。

雨漏りが起きてからの大規模修繕では、このような不具合を建物に与えてしまうので非常に危険です。

建物自体の状態が悪くなってしまうので、住民が遠のいてしまい空き家だらけのマンションになってしまう恐れがあります。
空き家が多いマンションは、大規模修繕を万度に行っていなく建物が著しく傷んでいる場合が多く見受けられます。



雨水は、私達が想像する以上にとても厄介な物です。

甘く見ていると建物を壊してしまいますので、雨漏りを起こさない建物を維持する事は必須項目となります。

もし、少しでも雨漏りが確認されましたら、早期に大規模修繕を行う計画を立てるようにしましょう。
鉄筋コンクリート造に目に見える雨漏りが生じた場合は、至る所から雨漏りが起きている可能性があります。

大規模修繕は、それだけ大切な工事なのです。

屋根のリフォームを行う際に、これは改修工事?それとも大規模修繕に該当するの?と、ちょっと解りにくい部分があると思います。

改修と修繕とは、似ているようで全く違います。

しかし、素人目には解りにくいのが現状です。
その差を、解りやすくご紹介いたします。


3-1.改修工事とは”

屋根材を葺き替える程度であれば、改修工事となります。

葺き替えが大規模修繕にならない理由は、屋根の葺き替えの際に主要構造部に全く手がかかっていない事です。

大規模改修の定義部分に「屋根」と記載がありますが、これはあくまで屋根の主要構造部の事を指しており、一般的に想像する屋根の仕上げ材の事を指しているのではありません。

よって、板金や瓦等の屋根の仕上げ材は屋根の主要構造部ではないので、勘違いしないようにしましょう。

葺き替えても、ただの改修工事です。


3-2.大規模修繕の定義

屋根の大規模修繕に該当する屋根工事を例で表すと、屋根を受けている構造材も根本的に変えたい場合は、屋根の土台部分つまり屋根の主要構造部に手を掛けるという事になるので、大規模修繕に該当します。

屋根の主要構造部とは、小屋梁より上の構造材です。

束、棟、母屋等、これらが、屋根の主要構造部になります。

これらに手をかけて屋根面積の半分以上を工事するのであれば、屋根の大規模修繕に該当します。

束、棟、母屋の腐食を取り替える場合、屋根の形を変える場合に主要構造部に手を掛ける場合、この2つのどちらかの工事を行う場合に、屋根面積の半分以上であれば、屋根の大規模修繕に該当します。


3-3.自治体によって主要構造部範囲が異なる場合も

屋根の大規模修繕に関しては、ご自分がお住まいの市町村の建築指導課にご相談をしてみると良いでしょう。

建築主事や担当者の捉え方により、変わる事があります。


3-4.工事の規模が分からない場合は

屋根の大規模修繕を行う建物は、屋根からの雨漏りが生じているお宅に非常に多く見受けられます。

屋根からの雨漏りがどこからなのか特定できれば良いのですが、断定できない事が大半なので、思い切って屋根の大規模修繕を行って雨漏りをシャットアウトするという方法です。

どこから発生しているのか解らない屋根からの雨漏りであっても、屋根全体を作り直して葺き直すので、雨仕舞がしっかりし雨漏りを起こさない建物を作る事が出来ます。

屋根の雨漏りに長年悩んでいるお宅は、屋根の形状に問題はないのか等を検討した上で、思い切って屋根全体を作り替えてみるのも1つの雨漏り対策となります。

切妻や寄棟等、思い切ってシンプルな形状の屋根にしてみると、雨漏りが起き難い建物にする事が出来ますよ。

シンプルな屋根形状は管理も簡単ですので、古くなっていく建物には物凄く適しています。

なぜ、マンションに大規模修繕が必要なのか、それは半永久的な建築建材は存在しないからです。

その為、建物が新築で完成した時から、経年により必ず劣化していきます。
劣化する事を修繕する事で、建物を良品へと維持させ、寿命を長くする事へと導きます。

建物を延命させる事は、使用価値を高める事にも繋がります。
特に、マンションのような不特定多数の人が使い、借り手や買い手が存在する建物には、延命の為の修繕は必須項目となります。

建物は、使っても使わなくても少しずつ劣化してしまいます。

汚れたり使い勝手が悪くなると、生活に爽快感がありません。
大規模修繕は、ただ建物を綺麗にする為の工事ではありません。
建物としての著しい劣化にも繋がっていくので、建物の寿命にも大きく影響を与えてしまいます。



建物は生き物ですので、放っておくと変化をしてしまう

という事を覚えておきましょう。

大規模修繕の意義は、劣化してしまった建物の機能を修復するという事です。
その為、機能回復が主な工事となります。


4-1. 起こり得る不具合

・外壁塗装等の外壁仕上げ材の劣化

外壁仕上げ材の劣化は、ただ見た目だけの劣化ではありません。

外壁を覆っている塗装等の仕上げが劣化すると、コンクリート内部が中性化し、鉄筋の傷みへと影響してしまい躯体の傷みへと影響してしまい、致命的な劣化へと繋げてしまいます。

・コンクリートのひび割れ

コンクリートは、打設後に乾燥や収縮を繰り替えしていくので、必ずひび割れが生じてしまいます。

ひび割れはきちんと修繕しなければ、そこから雨水が入り込んでしまい、内部の鉄筋に影響を与えてしまいます。
躯体自体が劣化してしまい、構造体の意味をなさなくなります。

 

・外壁に白い粉が浮いている

外壁に白い粉状の物が発生している場合は、チョーキングが起きている証拠となります。

チョーキングは外壁塗装の劣化の初期段階を表しており、放っておくと塗膜がダメになり外壁材自体の劣化が始まってしまいます。
チョーキングが出ている場合は、早急に塗装工事を行って塗膜を復活させましょう。

10年ほどで発生する場合が多いので、外壁に触れてみるなどこまめに調査をしてみましょう。

 

・コーキングの劣化

コーキングの劣化も、放置しておくと雨漏り等建物に不具合を起こしてしまいます。

コーキングは早くて5年で劣化してしまう事もありますので、少しでも不具合を感じたら打ち直しを行う様にしましょう。

 

・鉄部のサビ

鉄部は、少しでもサビてしまう状態が酷くなってしまい、鉄部としての機能を果たせなくなってしまい崩落してしまう事もあります。

高い位置にある鉄部であれば落下してくる可能性もありますので、とても危険です。
早い場合3~5年程度でサビが発生してしまう事もありますので、見受けられましたらすぐに補修を行う様にしましょう。

 

・屋根の変色

板金屋根やスレート屋根の場合、屋根に変色が出る事があります。

変色しているという事は、屋根材が寿命を迎えている証拠となります。
家を遠くから眺め、変色している部分がありましたら補修を行わなくてはいけません。
10~15年ほどで発生する事が多く、軽度でしたら部分補修も可能です。

 

・排水が流れにくい

築20年以上の場合は、排水が流れにくくなって違和感に思える事があります。
この場合、排水管の劣化が考えられます。

軽度な場合は部分的な取り換えで済みますが、そのまま放置しておくと全ての排水管を取り換えないといけなくなり、莫大な費用がかかってしまいます。

 

建物の劣化の進行は、その建物の状態や環境によってマチマチです。
費用を抑えて適切な大規模修繕へと導く為には、建物のこまめな点検が大事となります。

早期発見で軽度な補修で済みますので、早めの大規模修繕を試みましょう。

少しでも変だなと思ったら、業者に依頼して点検を行ってもらいましょう。
素早い点検と適切な大規模修繕が、長持ちする建物へと導きます。


4-2. 細かな大規模修繕ポイント!

▼ポイント!
・外壁の汚れや変色が目立ってきた
・屋上防水の劣化
・バルコニーの防水の劣化
・エントランスの劣化
・鉄部材料の劣化
・駐車スペースの劣化

これらは経年で劣化しやすいので、万度な状態になるようにチェックをしましょう。
構造体を劣化させない為にも、大規模改修は必須項目となります。


4-3. 放っておくと大変なことに!?

大規模修繕の時期が明らかに過ぎているにもかかわらず、費用の削減なのか大規模修繕を行わない建物もあります。

これでは、建物の致命的な劣化に繋がってしまうので、建物が長く持つ訳がありません。
せっかく立派に作った鉄筋コンクリート造のマンションであっても、せいぜい30年程度しか持たないでしょう。

マンションは積立金を行っている所が多いので、計画的な積立金さえ行っていれば、定期的な大規模修繕は可能といえます。

適度な大規模修繕を行わない事でよくあるパターンは、これらが挙げられます。

 

・外壁のタイルが落下する

メディア等でもよく見受けられますが、大規模修繕をきちんとしない関係上外壁のタイルが落下してしまい、第三者に被害を与えてしまう事があります。

タイルは小さいですが、高い位置から落下する事で何倍もの重さを与えてしまいます。

その威力は、計り知れません。
下手すると、死亡事故にも繋がりますので、要注意です。

 

・漏水による内装への被害

給排水管の寿命により破損してしまい、周りの住戸に被害を与えてしまう事があります。

内装材や家財等に影響を与えてしまい、多大な被害になってしまいます。

マンションの場合は家財保険に入っているので家財は守られますが、内装などの補修に関しては実費になってしまいます。

 

・自動ドアやエレベーターの不具合

自動ドアやエレベーターは、半永久的な物ではありません。
必ずメンテナンスが必要であり、20年後や30年後等の数百万の補修料金がかかります。

これを怠ると、故障へと繋げてしまいます。

自動ドアは故障しても手動で開けられますが、エレベーターが故障してしまうと大参事に繋がってしまいます。

 

必要な大規模修繕を行わず放っておくと、管理組合に責任が発生します。

目も当てられない程の多額の賠償請求をされる事もあり、住民が使いにくさを我慢すれば良いというレベルでは無くなってしまいます。

この為にも、管理組合は適切な大規模修繕計画を立てなくてはいけなく、資金を積み立てて貯めておかなくてはいけません。

しっかり組織が成り立っているマンションでは当たり前の事ですので、必要な積立金がなされていない場合は、適切な積立金を行うようにしましょう。

4-4.大規模修繕の計画修繕

・1回目の大規模修繕  

新築から10~12年頃に、行います。
新築当時に外観や機能に戻したいという考えが主になり、綺麗にする事で新築並の資産価値へと導きます。

・2回目の大規模修繕  

 

新築より20~25年程度の段階で、行います。

四半世紀程度住んでいると、住民のライフスタイルが大きく変わります。
建物の機能や設備の機能も、現代と比べると落ちている場合があります。

また、入居者のニーズをチェックし、バリアフリー等の使いやすさを取り入れる事も視野に入れましょう。

・3回目の大規模修繕  

 

新築から30~35年位に行う、修繕工事です。
建物が大分古く劣化していき始める時期であり、全面交換が要されるタイミングとなります。

外壁仕上げ材や防水のやり直し、サッシ等の開口部の大型改修、エレベーターや自動ドアの補修等、細かい修繕より大きなリニューアル工事といった傾向が強い大規模修繕です。

外断熱を行うタイミングも、3回目の大規模修繕に多く見受けられます。

鉄筋コンクリート造の建物は、適した頻度の大規模修繕を行う事で、70年、100年と建物を長持ちする事が出来ます。



昔は有り得ませんでしたが、100年まで長持ちさせる事も不可能では無くなってきました。

その為には、いいタイミングで大規模修繕を行っていかなくてはいけません。

大規模修繕は、その道の詳しい業者に依頼すると具体的な計画と点検を行ってくれますので、是非頼れる大規模修繕の業者を選定しましょう。

お金と手間をかけた大規模修繕を行う程、建物は立派になり長年経っても目に付くような建物に維持する事が出来ます。

20年以上経っているマンションは、人間でいうと成人した建物となります。
この段階では、強固な躯体作りや建物内部の劣化への対応がとても大事となってきます。

どのような修繕ポイントが必要なのかを、ピックアップしてみました。


5-1.マンションの躯体状態に目を向ける

マンションの躯体に劣化が生じ始めてくるタイミングですので、躯体の診断を細かく行い補修する事が大事となります。

時間をかけて細かく診断をし、補修が必要な部分は全て補修をし万全な状態にする事が理想となります。


5-2. 入居者の年齢状態に合わせた改修工事が必要

築20年も経つと、入居者の方々も年齢を増した状態となります。

バリアフリーにも目を向け、手すりの取り付けや自動ドア、スロープの設置等も視野に入れるようにしましょう。

これらのポイントは、入居者の方の意見も加味して決定するようにしていきましょう。


5-3. 外観の綺麗さ

古くなってきたマンションだからこそ、外観の綺麗さは大事となります。

築年数相当の外観にするのではなく、外観だけでも綺麗に見せるようにするとマンションがとても映えます。
外壁の寿命を高めるためにも、しっかりとした外観の補修を行うようにしなければいけません。

最低でも塗装工事は行うようにし、強くて綺麗な外観を作りましょう。


5-4. 内装の改修

築20年以上も経つと、内装の劣化が激しくなってしまいます。

内装の劣化が激しくなってしまうと、マンションの寿命が一気に下がってしまいます。

マンションの場合、内装工事は積立費用からの捻出とはならず個々の費用の負担となりますが、50年100年と住み続ける事が出来るように、内装工事も行うようにしなければいけません。


5-5. IT化

現代はIT化の時代ですので、光ファイバーやBSやCSの配線など、便利を取り入れる事も考えてみましょう。


5-6. 20年以降のマンションの優先事項

初期の大規模の際に目を向けない部分にもしっかり目を向けて工事を行わなくてはいけません。

必要な部分をしっかりチェックし、ぬかりなく修繕を行っていきましょう。
費用が膨大になってしまった場合は、以下の項目に分けて優先順位を決定しましょう。

・すぐ実施したほうが良い工事
・様子を見ても問題ない工事
・付加価値の為の工事

この中で、すぐ実施をしたほうが良い工事を優先に行うようにし、予算が合わない場合は付加価値的な工事は後回しにするようにしましょう。

マンション等の鉄筋コンクリート造の建物は、60年~100年以上は問題なく使い続ける事が出来ると言われています。

末永く快適に使い続ける為には、適切な頻度の大規模修繕が必要となります。

適切な頻度の大規模修繕を行っていると、築30年を超えるマンションは3回目の大規模修繕のタイミングとなります。

 

3回目の大規模修繕の際に1番目を向けてほしい事は、


現在の状態が最新の機能になっていない事です。

その為、古臭く現代にそぐわない建物になっている事が大半です。
また、住民の生活の機能に合っていない場合もあります。

生活に不便な部分は最新の機能にし、快適なマンションによみがえらせる必要があります。


6-1. ライフラインのチェック

築30年共なると、ライフラインの老朽化若しくは古さが気になってしまいます。

最新の機能に目を向け、使いやすいライフラインを作りましょう。
特に、水周りは30年も経つと使い勝手が悪い場合が多いので、見直してみましょう。

便器や洗面台、給湯器、お風呂、流し台等、目を向けてみましょう。


6-2. 若い世代の目にもつくマンションへの変化

マンション住人の高齢化だけではマンション自体が成り立たなくなるので、若い世代も入居してもらえるような魅力的なマンション作りにも目を向けてみましょう。

外装などの見た目はとても重要なので、第三者でも目に付くような外観は必須です。


6-3. サッシを省エネにする

築30年以上ともなると、建物の断熱性能が低下しています。

マンションのサッシの取り換えは、3回目の大規模修繕で行う事が大半です。
建物全体の断熱の修繕が出来れば良いですが、マンションは面積が大きいので莫大な費用がかかってしまいます。

そこでオススメなのが、サッシを樹脂等の熱伝導率が低い素材の物に取り換える事です。

サッシの取り換えが無理な場合は、ガラスを高断熱ガラスに取り換え、樹脂瀬の内窓を取り付ける等、窓の省エネ効果を高くしましょう。


6-4. 給水管の劣化

築30年のマンションは、鉄管の場合が大半です。

今の水道管は銅管であり、鉄管を今は使っていません。

鉄管は錆びを発生させてしまうので、赤水を発生させてしまう事があります。
築20年以降に錆が発生する事が多いので、3回目の大規模修繕の際に取り換える場合が殆どです。

銅管に取り換える為には内壁の解体など、大きな費用がかかってしまいます。
積み立て費用でまかなえるのかどうか、負い金で費用を賄ってでも取り換えを行わなければいけないのかを、話し合いで決めます。

水道管の取り換えには内装工事も大きく絡んでくるので、大きなマンションになると莫大な費用が掛かってしまう事がありますので、事前に細かく費用を算出して検討をしなければなりません。


6-5. 外壁修繕

外壁の塗装やタイル、コーキングの劣化が少なからず発生してしまう時期です。

タイルの場合は部分補修で良いですが、塗装の修繕の場合は補修箇所が多い場合は全てを塗り替える事を検討しましょう。

コーキングも間違いなく硬化や劣化が激しくなっているので、全て取り除いて打ち直しを行いましょう。


6-6. 玄関ドアの修繕

マンションの玄関ドアはスチール製の場合が多く、30年も経つと腐蝕を起こしている場合が多いです。

腐蝕により開閉不良が起きてしまうので、修繕を行いましょう。
開閉不良が軽度の場合は、開閉調整等で改善する事が出来ます。

著しく劣化が激しい場合は、ドア自体の交換を行いましょう。

ドアの取り換えは、カバー工法により壁に傷を付けずに取り替える事も可能ですので、意外と手間も時間もかからない場合があります。

カバー工法が可能であれば、1日で取り替える事が出来ます。


6-7.窓面の格子や手すり

窓の格子やバルコニーの手すりは、鉄部の場合が多いので劣化し腐蝕をしている場合があります。
これらが腐蝕して劣化をしてしまうと、第三者に重篤な被害を与えてしまう事があります。

軽微な補修で済む場合は補修をし、明らかな腐食がある場合は取り替えましょう。


6-8.資金不足にならないように

築30年を超えたマンションの大規模修繕は、1回目や2回目の大規模修繕とは違う目線で必要な工事が増えます。

住民が住み易い、使いやすく古臭くないマンションを作りましょう。

マンションの大規模修繕実績の経験が豊富な専門家に点検をしてもらい、建物と考慮した総合的な修繕計画を作りましょう。

 

しかし、このような大規模修繕を、適切に行わないマンションもあります。

その理由は、資金不足です。
分譲当初の積立金が少なく、修繕積立金制度を設けていないマンションもあるようです。

大規模修繕には大きな費用がかかり、1戸当たり数百万かかる事が大半です。
足りない修繕費を一気に請求するマンションもあるようですが、誰でも大金を持っている訳では無いので、これでは困っていまいます。



きちんとした頻度で大規模修繕を行う為には、適切な積立金を行うようにしなければいけません。

 

計画的な大規模修繕の頻度と必要な費用の確保をし、マンションの建物を万全に保てるようにしましょう。

その為には、住民みんながマンションの建物に大きな興味を持つ事が大切となります。

大規模修繕は外装や内装にばかり目が入ってしまいますが、検討してほしい部分の中にベランダがあります。

マンションのベランダは


紫外線等の外的刺激を受けやすい部分であり、劣化しやすい場所

でもあります。

ベランダが劣化すると建物の大きな影響を与えてしまいますので、万度な状態をキープしておく必要があります。

ベランダの劣化しやすい部位と補修方法を、まとめました。


7-1. ベランダ床

ベランダの床は防水施工されておりますが、紫外線が当たりやすい分劣化がしやすい場所です。
ベランダの床は㎡数が狭いので、少しでも不具合がある場合は全面やり直しをオススメします。

部分的な補修の方が安価に思えがちですが、部分的に補修をしても後に他の部分の劣化が出てくることは目に見えているので、1度に全面やり直しを行う事がベストなのです。

また、ドレンの詰まりはベランダにオーバーフローを起こしてしまうので危険です。

ドレンの埋まりを解消し、防水層に余計な負担を与えないようにしましょう。


7-2. 床防水と外壁との取り合いの防水処置

床の防水と外壁との取り合いは、金物のアングルやコーキング等で納めております。

これらに不具合が起きると、その部分から雨漏りへと発展させてしまいます。
アングルの部分的な不具合の場合は、補修程度で納める事も可能です。

コーキングの不具合は、全面的に打ち直しを行う事をオススメします。


7-3. ベランダの手すり

ベランダの手すりは鋼製の場合が多く、根元等の弱い部分から腐食してしまう要素があります。

塗膜が剥がれている場合は、全面塗り直しを行いましょう。

手すりに錆が出ている場合は、サンダー等で綺麗にしてから防錆塗料を塗布した後塗装工事を行います。
手すり事態に腐食等の劣化が起きている場合、軽度な場合は溶接等により補修が可能です。

著しく劣化している場合は、手すり自体を全面的に取り替えましょう。


7-4. 物干し金具

天井からぶら下がっている物干し金具は、天井と金具との取り合いに不具合があると落下してしまい危険です。

天井と金具の取合い部分を検査して、良くない場合は補修を行います。

 

このように、ベランダだけでも行わなければいけない補修工事が沢山あります。

ベランダは共用部分に該当しているマンションが殆どですので、大規模修繕の際に工事を行ってもらわなければいけません。
ベランダは避難経路としても使用する場所ですので、ベランダの状態が万度じゃなければ避難の際にも大きな影響を与えてしまいます。

そんな厄介な事にならないよう、ベランダの大規模修繕も検討して快適なマンションへと導きましょう。

マンションの大規模修繕は1回だけで完了ではありません。

時代によって変化していかなければ住人は離れていってしまいます。

人間も建物も100年時代として

定期的なメンテナンスを怠らず都度、補修を心掛けていきましょう!

 

ここまでご覧いただきありがとうございます。
皆様の役に立つと嬉しいです。

何か質問があれば気軽にお問い合わせください。
お待ちしております!

カテゴリー :屋上防水  タグ:大規模修繕