防水工事でDIYは難しいですか?

防水工事のDIYについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。

■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
防水工事のDIYについての質問と回答
【 質 問 】
防水工事でDIYは難しいですか?
【 回 答 】
防水工事を検討している方の中には、「防水工事って塗るだけだから自分でできるのでは?」と考える方もいるでしょう。
特にベランダなどの小さい面積なら、DIYでコストを抑えたいと思うのは自然なことです。
しかし、防水工事は適切な施工がされていないと雨漏りや建物の劣化を招くリスクが高い作業でもあります。
ここでは、防水工事のDIYが可能なケースと、プロの業者に依頼すべきケースについて、分かりやすく解説します。
DIYで防水工事が可能なケース
防水工事を行う範囲が小規模であれば、DIYも可能です。DIYが可能なケースを具体的にご説明します。
ベランダやバルコニーの防水

狭い範囲(10〜20㎡程度)なら、DIYが可能です。
特に、ウレタン防水(塗膜タイプ)はローラーや刷毛で塗るだけなので、比較的扱いやすいです。
DIY用の防水キットも市販されており、初心者向けの製品もあります。
小さなひび割れの補修

外壁や床にできた小さなひび割れや隙間は、シーリング材を使ってDIYで補修できます。
ひび割れ部分にプライマーを塗布し、シーリング材を充填するだけの簡単な作業です。
シーリングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
簡単なシート防水の補修

防水シートの部分的な剥がれや破れは、補修用テープや専用の接着剤で対応可能です。
ただし、雨漏りしている場合や、広範囲の劣化がある場合はプロに相談しましょう。
シート防水の補修についての詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
DIY防水工事の注意点
防水工事をDIYする時は、まず下地処理に注意しましょう。下地処理が不十分だと、防水材が密着せず施工不良の原因になります。

▼補足ポイント 「下地処理とは?」
- 清掃作業(ケレン清掃・高圧洗浄など)
- ひび割れ補修(クラック補修)
- 不陸調整・平滑化処理 (下地調整材を使い平滑化していく)
- 適切なプライマー(接着材を塗る)
続いて、ウレタン防水をDIYする場合、塗膜の厚みと塗りムラに注意しましょう。
均一性ウレタン防水では、適切な厚みで膜厚を均一に塗ることが重要です。厚み不足やムラがあると、防水性能が低下します。

また、防水工事は天候の影響を受けやすく、雨天や高湿度では防水材がしっかり硬化せず、施工不良につながります。施工時は天気予報の確認が必須です。
他に、防水工事を行う際の安全管理にも注意しましょう。
高所作業や脚立の使用には、十分な注意が必要です。安全対策を怠ると、転落事故の危険性も高まります。
ウレタン防水のDIYについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、そちらもご覧ください。
プロの業者に依頼すべきケース

広範囲の防水工事(約20㎡以上)の面積では均一な塗布が難しく、防水不良のリスクが高くなります。
大規模に劣化防水層が剥がれていたり、下地が腐食している場合は、下地補修からの工事が必要となるため、プロの判断・技術が不可欠です。
特に雨漏りが発生している場合は、専門業者以外が雨漏りの原因を特定することは難しく、誤った施工で防水層の状態が悪化したり、雨漏りが酷くなることもあります。
このような場合は、早めに防水専門業者へ相談することが重要です。
以下の記事では雨漏りの原因トップ10について解説していますので、こちらもご覧ください。
まとめ
DIYで対応するのは、狭いベランダや小さなひび割れ補修程度にしましょう。
広範囲な防水工事や劣化が進んでいる場合は、プロの防水専門業者に依頼することが安全で確実です。
防水工事は失敗すると再施工が必要になり、かえってコストがかさむこともあります。
「ここはDIYでできるかな?」と迷ったら、防水アドバイザーの福島までお気軽にご相談ください!