アスファルト防水とシート防水の違いは何ですか?

更新日:2024年9月5日 BY 福島 慎介

アスファルト防水とシート防水の違いについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザーが回答します。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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アスファルト防水とシート防水の違いについての質問と回答

【質問】

アスファルト防水とシート防水の違いは何ですか?

【回答】

アスファルト防水とは、アスファルトを主成分とする防水材料を使用します。

アスファルト防水には、主に2つの代表的な工法があります。

  • アスファルト防水
  • 改質アスファルト防水

アスファルト防水

<アスファルト防水 熱工法>

アスファルト防水とは、アスファルトを現場で高熱で溶かし、液状にしたものを下地に塗布し、複数層に重ねて防水層を形成する「アスファルト防水熱工法」と呼ばれる方法です。

6mm~10mmほどの最も厚い防水層を作ることができます。

大型の建物を建てた時に採用される代表的な工法の1つです。

熱で溶かしたアスファルトが下地にしっかりと接着するため、優れた防水性が得られます。

工事には専門的な技術が必要で、施工が手間で時間もかかります。

重量があるため2回目以降の防水工事には向いていません

改質アスファルト防水

<改質アスファルト防水 トーチ工法>

もう1つは、 改質アスファルトシートと呼ばれる工法です。

アスファルトに合成ゴムやプラスチックなどを混ぜて、改質したものをシート状に加工したものです。

この改質によって、通常のアスファルトよりも軽く、柔軟性があるので工事しやすいです。

主な工法としては、火で炙って接着させる「改質アスファルト防水トーチ工法」や、躯体に直接接着させる「改質アスファルト防水常温粘着工法(冷工法)」があります。
そのため、現在最も採用されているアスファルト防水の工法になります。

シート防水

<塩ビシート防水機械固定法>

 PVC(ポリ塩化ビニル)やゴムシートなどの防水シートを使用し、 防水シートを下地に敷き、接着剤や専用のビスで固定します。

ポリ塩化ビニルを使用し躯体に接着させる「塩ビシート防水密着工法」や、絶縁シートを躯体に固定する「塩ビシート防水機械固定法」、ゴムシートを使用した「加硫ゴムシート防水」等があります。

シートは工場であらかじめ製造されているため、施工が比較的簡単で、軽量で高い耐久性を持ち、メンテナンスも比較的容易です。

シートの種類によって性能が異なります。

特に塩ビシートは、ハウスメーカーにも採用されるなど、現在最も採用されている工法になります。

18年以上の耐久性を持つ工法で、かつ地震などの揺れにも強い工法になるため、国内で採用される頻度が上がっています。

ただし、シート同士の継ぎ目が劣化しやすいため、定期的なチェックが重要です。

また、技術を要する工法のため、シート系の防水ができる職人不足が問題となっています。

まとめ

アスファルト防水、シート防水共に、耐久性が高く、広めの陸屋根の建物や屋上に適している工法です。

どちらの工法とも防水性の高い工法ですが、RC造の場合は、アスファルト防水が採用される事が多く、鉄骨造は塩ビシートのような軽い材質のほうがマッチしています。

カテゴリー :アスファルト防水/シート防水  タグ:アスファルト防水 シート防水 改質アスファルト防水