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防水工事の基礎知識

【2023年最新保存版】シート防水(塩ビシート・ゴムシート)の全て

更新日:2023年5月23日 BY 福島 慎介

シート防水はハウスメーカーにも最適な防水工法です

メンテンナンス不要の強い防水のため、 ヘーベルハウスさんや積水ハウスさんといったハウスメーカーの建物は、シート防水が施工されています。

シート防水の技術者がそもそも少ない上、ハウスメーカーの経験者となると、  施工できる防水業者は非常に限られます ので、業者選びには注意が必要です。

まずは相談してみたい方、経験のある業者をご紹介希望の方、ご相談~お見積りは完全無料ですので、お気軽にご連絡ください。

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塩ビシートは専門的な作業工程が多いため、 防水専門業者しか施工が出来ません。 また、 防水専門業者全てが塩ビシートを施工できるわけではありません。
塩ビシートの取り扱い、施工に慣れている業者を選びましょう。

塩ビシートに慣れている業者かどうかの判断の一つとして、近年の施工例の件数を教えてもらうのも一つの手です。

1-1.相見積もりを取る

防水工事を依頼する際には、複数の業者に見積を依頼する 「相見積もり」を取ることは必須 です。特に費用を抑えたい場合は、相見積もりを取ることで業者ごとの料金を比較して、料金の低い業者に依頼するなどの検討ができます。

もちろん、料金だけで決めることは望ましくありません。しかし相見積もりを取ることで、金額以外にもその業者がどのような心構えで工事やサービスを提供しているかを把握できる場合があります。

相見積もりを取ったときにチェックすべきポイントは、主に以下の3点です。

  • 見積書の内容が明確
  • 工事価格が適正
  • 見積書の内容をきちんと説明してくれる

それぞれのポイントについて、以下に詳しく解説します。

見積書の内容が明確

見積書には、材料費はもちろん施工内容とその金額が記載されています。それぞれの項目が明確に記載されているかを確認しましょう。

例えば、「材料一式」などと記載されている見積書は明確とはいえません。それぞれの材料の名称とその費用を細かく記載していれば、どの部分にどれだけの費用がかかるかがわかります。

工事価格が適正

1箇所しか見積もりを取らないと、記載されている工事の金額が高いのか、適正なのかを判断することができません。相見積もりを取ることで、「この業者は高い」「この業者は適正」などの確認ができます。

防水工事の相場は、建物の種類や屋上防水層の状況によって異なりますが、1㎡あたり8,000~12,000円程度です。この相場を踏まえて見積もりの金額と照らし合わせることで、工事価格が適正かどうかを判断しましょう。

見積書の内容をきちんと説明してくれる

相見積もりを取ったあと、営業などそれぞれの業者の担当者と金額や工事についての話をするはずです。そのときに、見積書の内容をきちんと説明してくれるかどうかも、重要な判断基準になります。

防水工事を依頼する側は、工事の専門的な内容はよくわからないことがほとんどです。工事に使用する材料や、工事内容についての説明をした上で、見積書の料金がかかるということを詳しく説明してもらえると、料金に納得できますし、不安なく工事を依頼できるでしょう。

1-2.施工実績が豊富な業者を選ぶ

 

工事業者を選ぶ際には、やはり施工実績が豊富な業者を選ぶことが望ましいです。たくさん実績があれば、それだけ経験と技術を積んできたことにつながります。また、イレギュラーな事態が発生したときも、経験が豊富な業者であれば、適宜対応できるはずです。

そのほか、業者選びで重要なポイントは以下の3点です。

  • 自社施工している業者を選ぶ
  • 担当者の対応が良心的か確認
  • アフターサービスの内容を確認

それぞれのポイントについて、以下に詳しく解説します。

自社施工している業者を選ぶ

自社施工をしている業者が望ましい理由は、「作業員がどの程度の技術を持っているか」、「どんな人が作業をするのか」を業者側が把握しているからです。

外注をする場合、外注先の業者事態は理解していても、実際の工事監督や作業員をよく知っているというケースは少ないと思われます。依頼する業者はよい業者でも、外注先の業者が実績が少ない場合、期待する仕上がりにならないかもしれません。

けれど、自社施工であれば自社のスタッフが作業をするので、よい業者であれば工事監督や作業員を信頼して工事を任せられます。

逆に、業者側が工事を担当する工事監督のことをよく知っていて、信頼して工事を任せているのであれば、自社施工に拘る必要はありません。防水工事において、工事監督がしっかりしていることが重要なので、 自社施工か否かではなく、「しっかり仕事をしてくれる工事監督やスタッフをアサインしてくれる業者であるか」が重要 であるともいえます。

担当者の対応が良心的か確認

「良心的」と一言でいっても、「良心的ってどういうこと?」と思われる人もいるでしょう。例えば、わからないことを質問したときに丁寧に答えてくれる担当者や、自社を持ち上げるだけではなく、物事を客観的に捉え、他社の工事やサービスでも「よいものはよい」と教えてくれる担当者は、良心的だといえます。

そのほか、自社の印象をよくしたいからといって他社の悪口を言わない人、見積もりや連絡の期日をしっかり守ってくれる人も良心的な担当者の一例です。連絡が取りやすく、取れなかったときもきちんと折り返しの連絡をくれる人など、 誠実に対応してくれる担当者だと、工事も信頼して任せられます。

アフターサービスの内容を確認

アフターサービスの内容は、業者によってさまざまです。定期点検をしてくれるところ、保証期間が長いところなど、自社ならではのアフターサービスを提供しているところがあります。

見積もりの内容や担当者の対応などを加味した上で、アフターサービスが充実している業者を選ぶ と、工事後も安心です。

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<屋上防水2回目の屋上の場合>

下地の状態を確認せずに工事するのは危険です。

  • 下地をやらずに、そのまま防水をする
  • シート防水をそのまま被せるだけで良い

と言う業者にはご注意ください。

防水工事の種類 耐用年数 工法価格(1㎡辺り)
塩ビシート防水
機械固定法
15年~20年程度
(15年以上 メンテナンスフリー
5,500~7,500円
塩ビシート防水
密着工法
10年~15年程度
(10年以上 メンテナンスフリー
4,000~5,000円
ゴムシート防水 10年~15年程度
(5~8年毎にメンテナンスが必要)
4,000~5,000円
ウレタン防水 2~15年程度
(5~10年毎にメンテナンスが必要)
4,000~6,500円
改質アスファルト
シート防水
15年~20年程度
(5~8年毎にメンテナンスが必要)
4,500~7,000円
FRP防水 10年~15年程度
(6~7年毎にメンテナンスが必要)
5,000~7,000円

※2021年価格再調査の結果変更はございません。

3-1.シート防水 機械式固定法の正しい見積もりと価格相場

3-2.シート防水 密着工法の正しい見積もりと価格相場

3-3.シート防水 ゴムシートの正しい見積もりと価格相場

※音が出ます

4-1. 【動画付き】防水専門業者が行うシート防水の施工手順(塩ビシート)

1.入隅 鋼板取り付け

端の部分に、鋼鈑と呼ばれる、金物を取り付けます。ビスは斜めにならずフラットになるようにしっかり固定します。鋼鈑と鋼鈑の間は、敢えて2mmから5mm隙間を空けます。地震などの揺れで、塩ビシートが引っ張られたとき、破けたりしないためです。

2.シート防水 張り込み(塩ビ)

ロール状のシートを敷き、端の余った部分をカットします。
平場の端の部分は、溶着剤を付ける部分は、5センチ以上の溶着代を必ず確保します。

3.伸ばしながらシート溶着

シート防水(塩ビシート)を張った後、シートを蹴ってしっかり皺を伸ばしながら、シートの接合部を溶着剤で溶着します。
皺の伸ばし方は、蹴って伸ばすほか、軍手を両手にはめて、雑巾がけの様にしわを伸ばす方法があります。

4.平場 溶着剤

シートの接合部分も、5センチくらいを溶着剤でしっかり接着します。
塩ビシートの溶着は大変技術を必要とする工程で、ムラや液ダレがなく、シートを傷めずに溶着するには、熟練の技術が必要です。

4-2.シート防水の施工実績(一部)

雨漏り修理 施工後 雨漏り修理施工後

なお、当協会には、ハウスメーカー経験者の専門業者も加盟しています。
お気軽にご相談ください。

シート防水(塩ビシート)には機械固定法と密着工法があり、 施工場所や予算などによって採用したい工法も変わります。

また、シートの厚みは通常1.5ミリですが、2ミリの高耐久仕様(遮熱仕様)にすると 寿命やメンテナンスフリー期間を長くすることができます。

まずは、シート防水とウレタン防水の徹底検証動画をご覧ください。 いずれも雨漏りに有効な工法のため、どちらを選んだらよいかお悩みの方が多いです。

5-1.シート防水 VS ウレタン防水

5-2.シート防水 機械式固定法とは

シート防水・機械式固定法
雨漏り有効度 ★★★★★
雨漏りに大変有効な工法です
価格相場(目安) 5500円~7000円/1㎡
平均寿命(目安) 15~20年程度
(15年間メンテナンスフリー)
保証 10年

シート防水の優れた工法として知られています。

入隅コーナー部、防水端末部にシート鋼板をドリルで固定して塩ビシートを接合する工法で、躯体にシートを接合しませんので、躯体の亀裂・振動や目地の挙動等の影響を受けることはほとんどありません。

下地の撤去が不要で、調整の必要もほとんどないため、改修工事に適しています。
溶着剤または熱風にて瞬時に接合するため、 長期間安定した接合面を保ちます。
絶縁工法のため水蒸気が分散し、部分的な膨れが生じることもありません。

5-3.シート防水密着工法とは

雨漏り有効度 ★★★★☆ 雨漏りに有効な工法です
価格相場(目安) 4500円~5000円/1㎡
平均寿命(目安) 10~12年程度
(10年間メンテナンスフリー)
保証 10年

塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤などで貼り付ける工法です。下地が平らでない場合には施工が難しい場合があります。

下地の撤去などが必要ないので、改修工事に適しています。
ある程度の強度を有することから軽歩行程度の用途に適応できます。
比較的短い工期で仕上がります。

密着工法での施工後に接着剤が剥がれることがあります。通気性がないので下地の影響を受ける工法です。

5-4. シート防水基礎データ(塩ビシート)

シート防水基礎データ(塩ビシート)

シート防水工事の基本データをご案内いたします。

寿命が長いのが特徴ですが、工事の難易度が高く、施工できる業者の少ない工事です。シート防水は防水性が高く、メンテナンス費用がかかりませんので魅力的な防水方法ですが、他の工法に比べ、費用が高価な傾向があります。

手抜き注意度 ★★★★☆
価格相場 5000円~7000円/1㎡
平均寿命 15年程度(20年持つこともある)
*基本的にはノーメンテナンスでOK
保証 10年
工法 ・密着工法
・機械式固定法
※各メーカーにより脱気工法あり
適した建物 障害物の少ない建物
(学校、病院・ビル・ALC・RC造戸建・マンション)
不向きな建物 複雑な形状の建物
主なメーカー
と製品名
アーキヤマデ   …リベットルーフ
田島ルーフィング …ビュートップ
ロンシール工業  …ロンプルーフエース、
          ベストプルーフなど
DPF(ダイヤプラスフィルム)…ダイヤフォルテ

5-5. シート防水の特徴(塩ビシート)

シート防水の特徴(塩ビシート)

ウレタン防水よりノーメンテナンスで済む のが、シート防水です。
長期的に防水層を持たせたい場合は、シート防水が最適です。

シート防水(塩ビシート)は、既存の防水がどのような種類であっても被せることが可能ですので、 余計な撤去費用がかからず、コストカットもでき環境にも優しい防水工法です。

太陽光発電設置前の防水工事や、耐根性がありますので、屋上緑化もできます。 屋上にたくさんのプランターを置いてガーデニングをしたい方にも最適です。
もちろん、 雨漏りにも対応できます。

耐久性が高く、総合的なコストパフォーマンスを考えれば 非常にメリットの多い防水工法です。

【参考記事】既に見積もりを持ってるなら必ずチェック!▽

5-6.シート防水の注意点(塩ビシート)

シート防水の注意点

工事の難易度が高い上、ウレタンと比較すると主流の工法から外れているため技術者が少なく、防水専門業者でも出来る業者はあまりいません。

なお、 塗装業者やリフォーム会社は 、シート防水を取り扱ったことがないことが多く、 シート防水の提案がほぼできません のでご注意ください。過去にご相談いただいた内容に、シート防水かと思ったら、防草シートをただ貼っただけの悪徳工事がありました。*塗装業者でした。

シート防水を採用するなら、業者の施工実績を提出してもらいましょう。

【参考記事】 防水業者と塗装業者の大きな違い、知ってますか?▽

工事依頼前に必ず確認!防水業者だけが対応できる工事一覧表

防水業者と塗装業者や工務店との違いを説明。

単価が安く軽量で柔軟性があるため、昔は主流の一つでした。
ゴムは伸びるため、地震に強く日本の地域に適していました。

今は主流から外れており、取り扱ったことのある業者が希少で、塩ビシート以上に、より一層の実績を重視する必要があります。
廃れた理由は、接着していく接着工法しかないのですが、その接着剤が剥がれやすいことです。しかも、職人による質のバラツキが生じやすい工法です。

また、塩ビシート同様に、複雑な形状の建物には向かないことも原因の一つです。

6-1.ゴムシート防水密着工法

ゴムシート工法は密着工法のみの施工となります。
塩ビシート防水同様の特徴で、比較的工期が短く低価格ですが、複雑な箇所への施工は難しい場合があります。

また、密着工法での施工後に接着剤が剥がれることがあります。
かつての日本では主流の工法でしたが、現在では取り扱う業者が少なくなっています。

【参考記事】既に見積もりを持ってるなら必ずチェック!▽

6-2.シート防水(ゴムシート)基礎データ

シート防水(ゴムシート)

ゴムシート防水工事の基本データをご案内いたします。

費用が安く、柔軟性や耐候性に優れていますが、防水層が薄いため、比較的寿命は短くなります。
工法は密着工法だけで、複雑な箇所への施工が難しく、寿命も短いため、現在ではあまり用いられておりません。

手抜き注意度 ★★★☆☆
雨漏りにも有効ですが、採用が減っています
価格相場 4000~5000円/1㎡
平均寿命 10年程度
保証 10年
工法 密着工法
主なメーカー
と製品名
田島ルーフィング  …プラストシート
ニッタ防水工業会  …ニッタシートエキストラ
  • ハウスメーカーの建物
  • 屋上の形が真四角
  • 屋上に設置物が無い
  • 建物に負荷を掛けたくない

アスファルト防水など重たい防水は建物への負荷が大きいです。
軽い防水がオススメです。

シート防水工事のシ-トには主に塩ビシートやゴムシートが用いられますが、現在は塩ビシートが主流です。
塩ビシートはノーメンテナンスで、耐久性や長期的なコストパフォーマンスの高い工法です。
特に、機械固定法は多くのメリットがあります。

 

  • メンテナンスフリー
  • 耐久年数15年以上で、長期的に防水層を維持できる
  • 雨漏りに強い

 

ただし、難易度の高い工法となるため、業者を選ぶ際は工事歴を聞くなどの注意が必要です。

カテゴリー :防水工事の基礎知識 

■福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして10,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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