暑さ対策には屋上の遮熱・断熱工事がオススメ!その理由とは?

更新日:2024年7月8日 BY 福島 慎介


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梅雨が明けると、日本は本格的に暑い夏が訪れます。

汗も枯れてしまうような猛烈な暑さをしのぐために、ほとんどの方は熱中症対策でエアコンを使っているでしょう。

しかし、室内でエアコンをオンにしているはずなのに、涼しくならない…といった悩みはありませんか?

その悩み、「屋上の遮熱・断熱工事」が解決してくれるかもしれません。
防水工事アドバイザーの福島が詳しく解説します。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

防災工事推進協会 代表理事 紹介ページへ



地球温暖化による気候変動が問題とされるようになって久しいですが、「日本の夏は年々暑さが厳しくなっている」と体感温度で感じる人も多いのではないでしょうか。

7~9月の真夏には、体温よりも暑い猛暑日も少なくありません。

では、実際にどれくらい暑くなっているのでしょうか。
データを見ながら、検証していきます。

1-1. 30年前と比べて、猛暑日は3.3倍増えている

日本の日最高気温が35℃以上、猛暑日となる日数は、年々増加しています。

出典)全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(

https://www.jccca.org/

)より

▼ポイント!

特に、ここ30年の増え方は顕著で、1910年~1939年の30年間と比べ、


約3.3倍



に増加しています。

データをもとに、日本の夏は年々暑さが厳しくなっていることが分かりました。

では、暑さ対策として、屋上の遮熱・断熱工事は果たして効果的なのでしょうか?
実験のデータをもとに、解説していきます。

出典:日本特殊塗料(株) 水性パラサーモ カタログ

遮熱効果のあるトップコートの照射試験の結果、



屋根の裏面温度が最大15℃低くなる


ことが分かりました。

屋根の裏面の温度は、その下の部屋の温度にもかなり影響します。
室内温度は1~2℃下げることが出来るでしょう。

その分、エアコンの設定温度が高めでも涼しい部屋ということになります。

2-1. 実験②屋上の断熱工事は室内温度を快適にする

屋上の遮熱・断熱工事は、暑い夏を乗り切るために十分な効果があることが分かりました。

しかし、タダでは工事は出来ません。費用対効果を得られるかしっかり考えてから、断熱工事は行いたいですよね。

そこで、屋上の遮熱・断熱工事を行うことでとてもメリットがある方々を、ご紹介します。

3-1. 戸建てに住まわれている方

屋根の遮熱・断熱工事によって、居室の温度にはかなりの影響があります。

夏は涼しく、冬は暖かいお部屋で過ごすことができ、とても快適な住まいに繋げることが出来ます。

また、戸建てに住まわれている方には、遮熱・断熱工事に関係なく、



十数年に一度、屋根のメンテナンスを行うことをオススメ


しております。

雨漏り対策だけでなく、快適な生活環境を整えるという意味でも、防水工事と合わせて断熱工事をされることはとても有意義です。

3-2. 賃貸運営をされている大家さん

賃貸運営をされている大家さんにも、遮熱・断熱工事は強くオススメします。
最上階の部屋から、「暑い、エアコンが効かない」というクレームが入ることを防げるからです。

今後は日本の酷暑の影響で、雨漏りのクレームではなく、暑さのクレームが増えることが予想されます。

最上階は賃料が高いのに、暑いため借り手がいない、なんてことになったら困りますよね。

しっかり暑さ対策の遮熱・断熱工事を行っています、とアピールすることで、安泰な賃貸運営に繋げることが出来ます。

屋上の遮熱・断熱工事には、いくつか方法があります。

その中から暑さ対策にかなり効果的な工法を厳選し、2つ、ご紹介します。

4-1. 遮熱トップコートの塗布

遮熱トップコートは、今ある屋根や外壁に、遮熱効果のあるトップコートを塗ることで、暑さを和らげる工法です。

太陽の光を一般的な塗料より高い反射率で反射するため、温度が上がりにくくなります。

遮熱トップコートで、屋根の裏面温度は約15℃、室内温度は1~2℃下げることが可能です。

▼ポイント!

遮熱トップコートにかかる費用は1㎡あたり約2500円(諸経費込み)となります。

遮熱トップコートのメリット

・工事が簡単に出来る

・屋上防水の種類に関係なく施工可能

(ウレタン・FRP・アスファルト・塩ビシートなどすべて対応〇)

塗料を塗るだけなので非常に簡単に、遮熱効果を得ることが出来ます。

遮熱トップコートのデメリット

一方、遮熱トップコートのデメリットはこのような点が挙げられます。

・約5年で遮熱効果はなくなるため、塗り直し推奨
・寒さ対策にはならない

手軽に出来る反面、遮熱効果の持続期間は短く、定期的なメンテナンスや塗り直しが必要になってきます。
また、断熱材のように、寒さの対策を兼ねることは出来ません。

遮熱トップコートは大家さんにオススメ!

とても手軽に取り入れられる遮熱トップコートは、賃貸を運営している大家さんにとてもオススメの工法です。

費用がとても安いため、借り手がいない、というリスクにも対応することが出来ます。

また、しっかり暑さ対策をしている、魅力的な物件としてアピールすることも可能になります。

4-2.断熱材の入れ替え

魔法瓶のような役割で、暑い空気、冷たい空気を通さないための断熱材は、屋上には必ず入っている材料です。

しかし、材料の種類にもよりますが、平均20年ほどで劣化し、断熱効果は減少します。

ですので、屋上のメンテナンスを20年ほど何もしていないのであれば、思い切って防水工事と合わせ、新しい断熱材に入れ替えることをオススメします。

断熱材は、

  • 繊維系
  • 発泡プラスチック系

と、大きく2種類に分けられます。

屋上の工事では、ウレタンフォームや、ポリエチレンフォームがよく使われます。

一般的な厚みは20~30㎜で、屋上の防水層の上に乗せていきます。
上に乗せていくだけなので、既存の断熱材もそのまま使用することも出来ます。

▼ポイント!


断熱材の入れ替えにかかる費用は


1㎡当たり3500円~5000円+防水工事の費用 となります。

防水工事の正確な費用が気になった方は

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で相場を把握しましょう。

断熱材の入れ替えのメリット

断熱材入れ替えのメリットは、このような点が挙げられます。

  • 断熱効果が絶大 暑さ対策には一番オススメ
  • 結露防止・寒暖差の解消にも繋がる

絶大な断熱効果を期待するのであれば、断熱材の入れ替えが一番有効です。
また、夏だけでなく冬の寒さにも効果があるため、一年中快適な住まいが実現出来ます。

断熱材の入れ替えのデメリット

一方、断熱材入れ替えのデメリットは、このような点が挙げられます。

  • 工事費用が高い
  • 防水工事と合わせて行うため、大がかりになる

遮熱トップコートと違い、断熱材の入れ替えのみを行うことは出来ません。
防水工事+断熱材の入れ替えとなりますので、どうしても費用は高く、工事は大がかりになってしまいます。

断熱材の入れ替えは戸建ての方にオススメ!

比較的大がかりな工事となる断熱材の入れ替えは、快適な戸建てに住みたい方にぴったりの工法です。

断熱材は一年中効果を発揮するため、エアコンの設定温度を気にする必要もなくなり、とてもエコな生活が出来ます。

4-3. 工法のメリット・デメリットまとめ

工法 メリット デメリット オススメする方
遮熱トップコート ・工事が簡単に出来る
・屋上防水の種類に関係なく施工可能
(ウレタン・FRP・アスファルト・塩ビシートなどすべて対応〇) 
・断熱効果は他の工法より劣る
・遮熱効果は約5年ほどと短い
・こまめな塗り直し推奨
・寒さ対策にはならない
  賃貸の大家さん       
断熱材入れ替え ・断熱効果が絶大 ・結露防止
・寒暖差の解消にも繋がる
・工事費用が高い    
・防水工事を含む大がかりな工事
戸建てに住む方 

いずれの工法にも良い点、悪い点があります。

一言でまとめるならば、



「遮熱トップコートは手軽、断熱材の入れ替えは本格的」


でしょうか。
費用対効果をよく考えて、工法を選択することをオススメします。

屋上の遮熱・断熱工事には補助金が出る自治体もあります。
例えば、東京都では、13の区が遮熱工事にかかった費用などに充てられる補助金制度を展開しています。

自治体によってかなり差があるため、お住まいの自治体にどのような制度があるか、一度調べてみましょう。
補助金制度を使うことで、かなりお得に工事をすることが出来ます。

屋上の遮熱・断熱工事は、暑さ対策にはもちろん、快適な暮らしに繋がるメリットがたくさんあることをご紹介しました。

建物で一番暑さのダメージを受けているのは、間違いなく屋上です。
屋上の暑さ対策を万全にすることで気温上昇を抑え、エコな暮らしを実現できます。

大切な建物に長く、快適に暮らすため、屋上の遮熱・断熱工事を検討してみてはいかがでしょうか。

カテゴリー :防水工事全般