ウレタン防水工事で部分補修をすることはできますか?

更新日:2025年2月28日 BY 福島 慎介
ウレタン防水工事で部分補修をすることはできますか?

ウレタン防水工事の部分補修について、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

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ウレタン防水工事の部分補修についての質問と回答

【 質 問 】

ウレタン防水工事で部分補修をすることはできますか?

【 回 答 】

ウレタン防水は、柔軟性と耐久性が高く、多くの建物で採用されている人気の防水工法です。

しかし、経年劣化や外的要因によって、防水層にちょっとした不具合を発見することがあると思います。

そのような場合、「DIYで部分補修対応できるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

ここでは、ウレタン防水工事における部分補修の可否について、わかりやすく解説します。

部分補修が可能な場合

小さなひび割れや部分的な色あせ・剥がれ、防水層の端部の劣化など、小規模な不具合であれば部分補修が可能です。

 小規模なひび割れやピンホール現象

小さいひび割れ
<小さいひび割れ>

表面にできた細かいひび割れやピンホール(小さな穴)は部分補修できます。

対応方法としては、ひび割れ部分を研磨し、プライマーを塗布した後、ウレタン防水材を重ね塗りすることで補修が可能です。

局所的な色あせや剥がれ

部分的な剥がれ
<部分的な剥がれ>

頻繁に歩行する場所などで発生する部分的な色あせや一部剥がれも部分補修可能です。

対応方法としては、劣化した部分を清掃し、地処理後にウレタントップコートかウレタン材を塗布することで補修できます。

コーナー部分や端部の劣化

コーナー部分の劣化
<コーナー部分の劣化>

防水層の端や立ち上がり部分での劣化も部分補修が可能です。

対応方法としては、ウレタンの弾性を活かして再施工することができます。このような箇所は部分補修がしやすいです。

部分補修が難しい場合

雨漏りしている、広範囲で劣化している、下地が損傷している、など、大規模な不具合が発生している場合は部分補修での対処は困難です。

雨漏りしている場合

雨漏り
<雨漏り>

雨漏りは原因の特定が難しいため、部分補修で対処することは難しいです。

無理に部分補修で済ませようとすると、誤った施工で悪化したり雨漏りが酷くなることもあります。

広範囲にわたる劣化や膨れ

大きなひび割れ・膨れ
<大きなひび割れ・膨れ>

大きなひび割れが無数にある場合や、著しい防水層の膨れや剥がれが見られる場合、部分補修での対処は困難です。

部分補修では広範囲を補えず防水性能が不均一になるため、全面改修をオススメします。

下地の損傷がある場合

損傷している下地
<損傷している下地>

防水層の下にあるコンクリートやモルタルが劣化・腐食している場合も、部分補修では対処できません。

防水層の下地は確認が難しいので、約20年近く防水工事していない場合は、プロの専門業者に依頼したほうが良いかと思います。

下地処理が不十分なまま補修すると、防水効果が十分に発揮されません。この場合は、下地からの修繕が必須です。

補足情報と注意喚起

ウレタン防水の補修を行う際には、様々なことを考慮する必要があります。

補修についての補足情報と、特に注意いただきたいことについて説明させていただきます。

補修時の重要ポイント

補足情報として、補修を行う際の重要なポイントを3つご説明します。漏れなく全て押さえるようにしましょう。

適切な下地処理が重要
適切な下地処理
<適切な下地処理>
  • 清掃作業(ケレン清掃・高圧洗浄など)
  • ひび割れ補修(クラック補修)
  • 不陸調整・平滑化処理 (下地調整材を使い平滑化していく)

下地補修を丁寧にすることが重要です。

プライマーの使用
プライマー
<プライマー>

下地との密着を高めるために、プライマーは必須です。

既存防水とウレタン防水に合うプライマー(接着材)選びが必要になってきます。

厚みの確保
ウレタン防水は均一な厚みで塗る
<ウレタン防水は均一な厚みで塗る>

ウレタン防水は厚みが防水性能に直結するため、施工する際は均一な厚みを意識しましょう。

膜厚を測る「膜厚計」があると便利です。

DIYでの補修は要注意

 一見簡単そうに見えても、下地の劣化状況や適切な施工方法を見極めるのは難しいです。

 誤った施工をすると、短期間で再劣化する可能性があります。

DIYで一時的にコストが抑えられたとしても、DIYしたことでより状況が悪化したり再劣化したりすると、結局は専門業者による工事が必要になります。

余計な手間と費用をかけずに済むように、補修をDIYするかどうかは慎重に判断しましょう。

まとめ

部分補修の可否をまとめると、次の通りです。

  • 部分補修が可能なのは、小規模なひび割れや局所的な摩耗の場合のみ。
  • 部分補修が難しいのは、雨漏りしている、広範囲の劣化や下地損傷がある場合。

防水工事は建物の寿命を左右する重要な工事です。

判断が難しい場合は、防水アドバイザーの福島にご相談ください。最適な対応をアドバイスさせていただきます。

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