メンブレン防水とシーリング防水の違いは何でしょうか?

メンブレン防水とシーリング防水の違いについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。

■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
メンブレン防水とシーリング防水の違いについての質問と回答
【 質 問 】
メンブレン防水とシーリング防水の違いは何でしょうか?
【 回 答 】
どちらも建物の防水性能を高めるために用いられますが、それぞれ特徴や用途が異なります。
この記事では、メンブレン防水とシーリング防水の違いについて分かりやすく解説します。
メンブレン防水とは?

メンブレン防水(Membrane Waterproofing)は、防水シートや防水塗膜を建物の表面に施工することで、防水層を形成する工法です。
「メンブレン(Membrane)」は英語で「膜」という意味があり、シート状または塗膜状の防水層を形成することが特徴です。
メンブレン防水の種類

- 塗膜系防水:ウレタン防水やFRP防水など、防水材を塗って防水層を作る工法です。
ウレタン防水についてはこちらをご覧ください。
FRP防水についてはこちらをご覧ください。
- シート防水:塩ビシート防水やゴムシート防水など、防水性のあるシートを貼り付ける工法のことです。
シート防水についてはこちらをご覧ください。
メンブレン防水の特徴
- 広い範囲を防水できるため、屋上やバルコニーなど大きな面積の防水に適している
- 耐久性が高く、防水性能が長期間持続しやすい
- 補修がしやすい(特に塗膜防水の場合、部分的な補修が可能)
シーリング防水とは?

シーリング防水(Sealing Waterproofing)は、建物の目地や隙間にシーリング材を注入することで防水性を確保する工法です。
シーリング材はゴムのように柔軟性があり、建物の動きに追従できることが特徴です。
シーリング防水の用途
- 外壁の目地(パネルやタイルの隙間の防水)
- サッシ周りの目地(窓枠やドア枠の隙間を埋める)
- 屋根や屋上のひび割れ補修
シーリング防水の特徴
- 局所的な防水が可能(目地や隙間のピンポイント防水に適している)
- 建物の動きに追従しやすく、ひび割れしにくい
- メンテナンスが必要(シーリング材は経年劣化し硬化しやすいため、定期的な打ち替えが必要)
*シーリング材の中にも、経年劣化がしづらい耐久性の長い材料も出てきている
シーリングについてのより詳しい解説は、以下の記事をご参考にしてください。
メンブレン防水とシーリング防水の比較
メンブレン防水とシーリング防水について、分かりやすく表にまとめました。
比較項目 | メンブレン防水 | シーリング防水 |
---|---|---|
施工範囲 | 広範囲(屋上・バルコニーなど) | 局所(目地や隙間など) |
主な材料 | 防水シート、ウレタン塗膜など | シリコーン、ポリウレタン、変成シリコーンなど |
耐久性 | 長期間持続(10〜20年) | 劣化しやすく定期的な打ち替えが必要(10年) |
動きへの追従性 | 低め(下地が動くと影響を受けやすい) | 高い(建物の動きに柔軟に対応) |
メンテナンス | 比較的少ない | 定期的な交換が必要 |
施工箇所によってどちらを選ぶべき?
- 広い面積を防水したい場合:メンブレン防水がおすすめ!
屋上やバルコニーなど、大きな範囲を確実に防水するならメンブレン防水が適しています。
- 目地や隙間の防水をしたい場合:シーリング防水がおすすめ!
外壁の継ぎ目やサッシ周りなど、建物の細かい部分の防水にはシーリング防水が向いています。
まとめ
メンブレン防水とシーリング防水は、それぞれ役割が異なるため、適材適所で使い分けることが重要です。
建物の防水を検討する際は、どの部分に防水が必要かを考え、最適な工法を選ぶようにしましょう!
どの工法を選べば良いか悩んだ場合は、お気軽に防水アドバイザーの福島までご相談ください。