アスファルト防水とシート防水の違いは何ですか?
アスファルト防水とシート防水の違いについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザーが回答します。
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
アスファルト防水とシート防水の違いについての質問と回答
【質問】
アスファルト防水とシート防水の違いは何ですか?
【回答】
アスファルト防水とは、アスファルトを主成分とする防水材料を使用します。
アスファルト防水には、主に2つの代表的な工法があります。
- アスファルト防水
- 改質アスファルト防水
アスファルト防水
アスファルト防水とは、アスファルトを現場で高熱で溶かし、液状にしたものを下地に塗布し、複数層に重ねて防水層を形成する「アスファルト防水熱工法」と呼ばれる方法です。
6mm~10mmほどの最も厚い防水層を作ることができます。
大型の建物を建てた時に採用される代表的な工法の1つです。
熱で溶かしたアスファルトが下地にしっかりと接着するため、優れた防水性が得られます。
工事には専門的な技術が必要で、施工が手間で時間もかかります。
重量があるため2回目以降の防水工事には向いていません。
改質アスファルト防水
もう1つは、 改質アスファルトシートと呼ばれる工法です。
アスファルトに合成ゴムやプラスチックなどを混ぜて、改質したものをシート状に加工したものです。
この改質によって、通常のアスファルトよりも軽く、柔軟性があるので工事しやすいです。
主な工法としては、火で炙って接着させる「改質アスファルト防水トーチ工法」や、躯体に直接接着させる「改質アスファルト防水常温粘着工法(冷工法)」があります。
そのため、現在最も採用されているアスファルト防水の工法になります。
シート防水
PVC(ポリ塩化ビニル)やゴムシートなどの防水シートを使用し、 防水シートを下地に敷き、接着剤や専用のビスで固定します。
ポリ塩化ビニルを使用し躯体に接着させる「塩ビシート防水密着工法」や、絶縁シートを躯体に固定する「塩ビシート防水機械固定法」、ゴムシートを使用した「加硫ゴムシート防水」等があります。
シートは工場であらかじめ製造されているため、施工が比較的簡単で、軽量で高い耐久性を持ち、メンテナンスも比較的容易です。
シートの種類によって性能が異なります。
特に塩ビシートは、ハウスメーカーにも採用されるなど、現在最も採用されている工法になります。
18年以上の耐久性を持つ工法で、かつ地震などの揺れにも強い工法になるため、国内で採用される頻度が上がっています。
ただし、シート同士の継ぎ目が劣化しやすいため、定期的なチェックが重要です。
また、技術を要する工法のため、シート系の防水ができる職人不足が問題となっています。
まとめ
アスファルト防水、シート防水共に、耐久性が高く、広めの陸屋根の建物や屋上に適している工法です。
どちらの工法とも防水性の高い工法ですが、RC造の場合は、アスファルト防水が採用される事が多く、鉄骨造は塩ビシートのような軽い材質のほうがマッチしています。
カテゴリー :アスファルト防水/シート防水 タグ:アスファルト防水 シート防水 改質アスファルト防水