積水ハウスの防水工事はなぜ高い?高い理由と費用を削減する方法を紹介

「積水ハウスで防水工事の見積もりを取ったら、予想以上に高くて驚いた」
そのようなお問い合わせをいただくことは、決して珍しくありません。実際、積水ハウスの防水工事にかかる費用が高くなる傾向があります。
本記事では防水工事アドバイザーの福島が、「積水ハウスの防水工事はなぜ高くなるのか?」「安くする方法はあるのか?」具体的な見積もり事例を交えてわかりやすく解説します。

■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
積水ハウスの防水工事は高い?他業者の見積もりと比較

例として、積水ハウスが提示した屋上とバルコニーの防水工事見積もりと、防水工事見積もり.comによる再見積もりの比較をご紹介します。
以下は、実際に防水工事の相見積もりを行った方の事例です。
積水ハウスの見積もり | 6,356,900円 |
防水工事見積もり.comの見積もり | 3,567,080円 |
差額 | ‐2,789,000円(44% OFF) |
※屋上・バルコニーの防水改修工事(神奈川県横浜市 H様の場合)
差額はなんと約282万円。約44%の工事費カットとなりました。
積水ハウスの防水工事費用が高くなる要因は以下の4つです。
- 多額の足場代
- 過剰な安全対策費
- 必要以上に新部材の採用
- 内訳が不明瞭な「諸経費」
1つずつ実際の見積もりを見ながら、高い理由を開設します。
理由1.多額の足場代

積水ハウスの見積もりには、足場設置のための仮設工事費として約78.5万円が含まれており、2階建ての物件としては一般的に見て高額です。
これは建築業界では起こりうる事で、必要以上に足場を設置することで利益を確保しているケースもあるようです。
安全性というメリットもありますが、不要な足場が設置されている可能性も否定できません。
一方で、例に挙げた防水工事見積もり.comの加盟業者は、昇降設備準備費(はしごを設置する費用)として3.5万円の見積もり額を提示しています。
建物が2階建てだったため、安全性を確保すれば足場を組まず、はしごで対応できると判断されたからです。
結果として、75万円もの費用を抑え、足場組みの工程も削減することにつながっています。
はしごの他に「昇降用足場」を設置する選択肢もある

はしごの他に、上にあがるためだけの“昇降用足場”を設置することで対応するケースもあります。
昇降用足場は、職人が安全に昇り降りするための簡易的な設備のことです。
材料の荷下ろしが楽になり作業効率の向上や安全性が担保できやすくなります。
費用は10万~15万円程度で、足場の中でも比較的安価です。
このような現場判断により、工事に必要な環境を整えつつ、工事費用にかかる足場代の削減は可能です。
理由2.過剰な安全対策費

積水ハウスの仮説費用には、必要以上のオプションが含まれることがあります。
例えば、見積もりの内訳に「安全対策費」「仮設工事諸経費」「交通対策費」などと書かれているものが該当します。
内訳を見ても詳細が書かれておらず、不明確です。

見積もりには警備員(ガードマン)の配置費も含まれていましたが、実際の工事は私道で行われており、警備員の配置は不要な状況でした。
にもかかわらず4人も手配されており、必要以上に高額な費用が計上されています。
このように、実際の人員や工事内容に対して過大に見積もられているケースがあるようです。
「安全対策費」「仮設工事諸経費」「交通対策費」…といった項目は、本当に必要な項目なのか細かくチェックする必要があります。
理由3.必要以上に新しい部材を採用する
見積書に「新設」と記載されている場合、それは新品の部材を使用して防水工事を行うことを意味します。
しかし中には、本来交換の必要がない部材まで新品にしているケースも見られます。

例として、防水工事見積もり.comの加盟業者では、屋上の歩行用素材(クレガーレ)や、排水溝の上に設置されるグレーチングなど、再利用可能な部材については、無駄な交換を避け、適切に再利用しています。
一方で積水ハウスでは、再利用できるものであっても新品への交換を勧められます。
また、部材の単価を高く見積もられている点も工事費用が高額になる要因です。
例えば、クレガーレは楽天などで1枚約1,500~3,000円で販売されています。しかし、積水ハウスの見積もりでは単価9,530円で見積もられています。
このように、積水ハウスは細かい項目の単価を高めに設定することで、工事費全体を底上げしているのです。
これらは積み重なれば数十万円単位の工事費の違いが発生します。
理由4.内訳の分からない「諸経費」

最も不透明な見積もりは、「諸経費」として記載された約66万円です。
積水ハウスでは諸経費の内訳が明示されておらず、何の経費なのかが不明確です。
「諸経費」は会社の利益として上乗せされている可能性が高いと考えられます。
一方、防水工事見積もり.comの加盟業者でも24万円の諸経費の内訳を明記しており、納得感のある内容となっています。
このように、足場の有無や部材の再利用方針、諸経費の扱いなど、見積もりの透明性と工事の方針には大きな違いがあり、それが結果として大きな金額差を生んでいるのです。
積水ハウスの防水工事費が高額になる原因
積水ハウスの防水工事が高額になる代表的な原因は以下の4つです。
- 部材」と「工程」の多さが費用増に直結
- 高額な中間マージンが上乗せされている
- 工事費に人件費や固定費が入る
- 過度な安全対策費
それぞれひとつずつ解説します。
「部材」と「工程」の多さと割高な単価が工事費用増に


積水ハウスの住宅で塩ビシート防水を行う場合、他の工法と比べて使用部材や工程が多く、以下の4つの要因で工事費用がかさむ傾向にあります。
部材・工程 | 部材・工程 |
---|---|
塩ビシートの単価が高い (部材が高い) | 約1,000円/1㎡の価格差 50㎡で50,000円の差が生まれる |
使用部材が多い (特注部材が必要) | 通常、鋼板、ディスク、ビスなどの部材が多数必要。 しかし、積水ハウス専用の部材も設置する必要がある |
積水ハウス特注の部材の撤去 (特注部材の撤去工程) | 積水ハウスの住宅では手摺や笠木といった付帯部材を事前に撤去する工程が発生 |
積水ハウスの建物形状が複雑 (部材の加工工程が複雑) | シートの切り分け・加工の工程が必要。 上乗せ単価が費用を底上げ |
上記のように、積水ハウスならではの部材・工程が存在し、各々の単価がやや割高なため、積もり積もって費用が高額になります。
高額な中間マージンが上乗せされている

積水ハウスが工事をするわけではなく、実際には積水ハウス(元請け)から地元施工業者(下請け)へと発注が下りていくケースが多いです。
このような工程の中で、それぞれの会社が利益を確保するため、費用には中間マージンが上乗せされていきます。
最終的に施工を行うのは末端の業者であることも多く、積水ハウスの見積には中間マージンが約30〜50%含まれているとも言われています。
工事費に人件費や固定費が入る
積水ハウスのような大手企業は、営業、設計、施工管理、事務、コールセンターなど多くのスタッフを抱えており、その分の人件費がすべての工事費用に分配されます。
必然的に利益分の上乗せが高くなります。
中小の工務店と比較して、同じ工事内容でも人件費の部分で数十万円の差が出ることも珍しくありません。
過度な安全対策費

しかし、大掛かりな足場を作らなくても工事が出来るような場所でも足場を設置したりなど、他の業者に比べて過剰と感じられる場合もあります。
もちろん安全は重要ですが、足場を組むにもお金が掛かるので、費用が割高になる一因となります。
積水ハウスの防水工事費を抑えるための3つの方法
積水ハウスの施工の質を落とすことなく防水工事費用を見直すための3つの方法をご紹介します。
- 直接業者に依頼する
- 既存の部材を再利用する
- 2、3社ほど相見積もりを取り比較する
ひとつひとつ解説していきます。
直接業者に依頼する

最も効果的な方法が、「防水工事業者へ直接依頼すること」です。
積水ハウスの建物に対応できるスキルを持った業者なら、同じ品質で30〜50%のコスト削減が見込めます。
丁寧な業者であれば、工事内容や費用に関する説明を受けることができ、予算に応じた相談もしやすくなります。
その際、積水ハウスの工事経験がある業者に依頼するなど、ハウスメーカーの防水工事の経験が豊富な業者に依頼することがポイントです。
なぜなら、積水ハウスは独自の工法、使用材料、設計基準を持っているからです。
安心安全の防水工事を施工するには、施工を行うための専門知識と技術を持っていることが不可欠です。
既存の部材がまだ使えるなら再利用する

再利用できる部材があるのに「既存のものをすべて新しく交換する」前提で工事が組まれていることがあります。
例えば、既存の防水層が一部傷んでいるだけなのに、全面撤去して新品に取り替えるような提案や、まだ十分に使える排水ドレンや笠木、手すり金物まで新規に交換する見積もりが出されることもあります。
劣化が進んでいれば交換は必要ですが、経験豊富な業者であれば「この部分はそのまま使えますよ」と、無駄な新規工事を省いて提案してくれることもあります。
本当に必要な工事だけに絞ることで、何十万円単位で費用が変わることもあります。
2、3社ほど他社の見積もりと比較する
防水工事は業者により2~3倍の差がつくことがある業界です。その為、相見積もりは欠かせません。
実際に、防水工事見積もり.comを利用して、2〜3社から見積もりを取った方の中には、積水ハウスの見積もりよりも100万円以上安くなったという事例も数多くあります。
これは、無駄な工程や過剰な安全対策を省き、必要最低限で質の高い工事を提供しているからです。
複数の見積もりを比較することで、価格だけでなく「どこに費用がかかっているのか」や「業者の考え方」も見えてきます。
積水ハウスの防水工事を費用削減した事例
ここでは、実際に「防水工事見積もり.com」を利用して、積水ハウスの防水工事費用を大幅に削減できた事例をご紹介します。
埼玉県さいたま市 ベランダ・下屋根の防水改修工事



工事内容 | ベランダ・下屋根の防水改修工事(塩ビシート機械固定)、既存の防水層撤去 |
築年数 | 築40年 |
平米数 | 30.1㎡ |
工事期間 | 5日 |
東京都港区 屋上・ベランダ(6箇所)の防水改修工事



工事内容 | 屋上・ベランダ(6箇所)の防水改修工事 (塩ビシート機械固定法) |
築年数 | 築25年 |
平米数 | 170㎡ |
工事期間 | 12日 |
埼玉県久喜市 ベランダの防水改修工事



工事内容 | ベランダの防水改修工事 (塩ビシート機械固定法) 笠木の塗装工事 |
築年数 | 築24年 |
平米数 | 25㎡ |
工事期間 | 4日 |
茨城県東茨城郡 屋上・ベランダ・下屋の防水改修工事



工事内容 | 屋上・ベランダ・下屋の防水改修工事 (塩ビシート機械固定法) |
築年数 | 築20年 |
平米数 | 77.5㎡ |
工事期間 | 10日 |
埼玉県蕨市 屋上・ベランダ(4か所)の防水改修工事



工事内容 | 屋上・ベランダ(4か所)の防水改修工事 (塩ビシート機械固定法) |
築年数 | 築20年 |
平米数 | 144.1㎡ |
工事期間 | 12日 |
【ウレタン防水】北海道江別市:屋上・下屋の防水改修工事・外壁塗装・シーリング工事



工事内容 | 屋上・下屋の防水改修工事 (ウレタン密着工法) 外壁塗装・シーリング工事 |
築年数 | 築32年 |
平米数 | 71.9㎡(防水工事) 151㎡(外壁塗装・シーリング工事) |
工事期間 | 21日※外壁塗装含む |
積水ハウスは、塩ビシートによる施工が採用されていますが、以下の2点を満たす場合、ウレタン防水を採用することもでいます。
- 既存の塩ビシートの状態が良好
- 塩ビシート・ウレタン両方を扱える技術レベルが高い業者による判断
塩ビシート防水の施工ができる業者が既存の塩ビシートを適切に補強した上で、お客様の要望を加味し、あえてウレタン防水工法で工事を行うことがあります。
【ウレタン防水】北海道札幌市:屋上・ベランダ・庇の防水工事



工事内容 | 屋上・ベランダ・庇の防水工事 (ウレタン防水) |
築年数 | 築30年 |
平米数 | 97.6㎡ |
工事期間 | 12日 |
塩ビシートの上からウレタン防水を施工することは、接着不良や硬化不良、ひび割れ、剥がれといったリスクがある推奨されません。
経年劣化している塩ビシートの上に施工すると、下地が破断すればその上のウレタンも機能を失います。
しかし、ハウスメーカーの防水工事経験と、防水工事の専門知識・技術のレベルが高い業者であれば、下地となる塩ビシートを適切に補修しながら施工は可能です。
耐久年数が短めであっても、費用が安いウレタン防水を選択することで、お客様のご要望に応じた工事内容・予算で工事ができます。
積水ハウスの防水工事を依頼する際の各業者別メリット・デメリット比較
防水工事を積水ハウスに依頼せず、他業者に依頼することに、不安がある方も多くいます。
そこで、防水工事を積水ハウスに依頼する場合と、リフォーム業者・塗装業者・防水専門業者に依頼する場合のメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
積水ハウスに依頼する場合

積水ハウスに防水工事を依頼する場合、住宅メーカーならではの安心感や品質の高さ、ハウスメーカーの保証が整っていることが魅力です。
一方で、工事費用や工法・資材の選択などの自由度の面で注意が必要な点もあります。
▼メリット
項目 | 内容 |
---|---|
建物仕様を熟知している | 自社施工のため、構造や図面情報を正確に把握。 |
保証・アフターが安心 | 長期保証制度や定期点検などの手厚いアフターサポート。 |
品質基準が高い | 使用する材料や工法に一定の基準が設けられており、品質にばらつきが少ない。 |
トラブル時の責任が明確 | 万が一の不具合や雨漏りも、保証制度の範囲で対応。 |
手続きが一括でラク | 設計・見積もり・工事管理が一本化されており施主の負担が少ない。 |
▼デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
費用が高額 | 下請け業者に依頼するため中間マージンが発生する。 相場の50%近く高くなる傾向。 |
工法・材料の選択肢が狭い | 自社仕様の制限があり、他の優れた工法が選べないことがある。 |
実際の施工は下請け業者 | 提案や保証は積水ハウスだが、実際の職人は下請け業者のため技術や仕上がりに差が出る可能性あり。 |
現場担当との距離感 | 担当営業と現場職人が別のため、細かい要望が伝わりにくいケースがあり、結果、仕上がりに差が出てしまうことがある。 |
リフォーム業者・塗装業者に依頼する場合

リフォーム業者や塗装業者に防水工事を依頼する場合、コストを抑えることができます。
しかし、ハウスメーカー物件の防水工事経験とそもそもの防水工事の専門技術・知識の不足、保証体制などには注意が必要なケースもあります。
▼メリット
項目 | 内容 |
---|---|
価格が安い | ・中間マージンが少ない ・比較的リーズナブルな費用で依頼できる |
顔が見える安心感 | ・担当者や職人と直接会って話せる ・信頼関係を築きやすい。 |
小規模でも柔軟に対応 | 小さな補修や部分防水なども気軽に依頼できる。 |
同時に他の工事も依頼しやすい | 外壁塗装・内装工事などを一緒に依頼できる業者も多い。 |
▼デメリット
項目 | 内容 |
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ハウスメーカーと同等の提案が出来ない | ハウスメーカーと同等の塩ビシートでの提案がされない。 ハウスメーカーの構造に合わないウレタン防水などの塗物の提案をされることが多い。 |
保証内容が不明確 | ・保証内容の記載が無い ・口頭のみで保証書が出ない場合もある ・雨漏り保証の記載が無いことが多い |
防水専門ではない | 工法選びや下地処理などの知識・技術不足による間違った工事をされ、雨漏りリスクがある。 |
防水専門業者(防水工事見積もり.com加盟業者)に依頼する場合

防水工事見積もり.comに加盟している防水専門業者は、積水ハウスと同等の工法提案ができる専門知識と技術力を持っています。
防水工事見積もり.comは、専門業者を紹介するサービスのため、二次委託の中間マージンがない分、適正価格での施工が可能です。
また、現場担当者が説明から施工・アフター対応まで一貫して行い、防水工事業者と部材メーカーとの保証があり、工事品質が高く、雨漏りリスクも最小限に抑え込みます。
▼メリット
項目 | 内容 |
---|---|
積水ハウスと同等の提案が出来る | 積水ハウスで使われている塩ビシートでの提案が可能。ハウスメーカー特有の建物構造や雨仕舞の仕組みを理解しており、同等の仕上がりを提供。 |
工法の選択肢がある | ウレタン防水など複数の工法から最適な提案も可能。 |
費用が適正 | 中間業者を挟まないため、費用が適切 |
現場担当と直接やり取り | 説明〜施工まで同じ担当者が対応できるため、品質基準が高い。 |
保証アフターが安心 | ・自社と材料メーカーの2W10年雨漏り保証が受けられる ・工事後の定期点検も受けられるので、より安心できる |
防水守護連盟 | 工事をした業者が倒産した場合は、別の防水専門業者を迅速に紹介し対応する。 |
▼デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
対応エリアが限定的で比較ができづらい | 地域によっては積水ハウスを得意としている業者を紹介できないことがあるため、複数の業者での比較が出来ない。基本1社のみの紹介になることが多い。 |
会社の規模が小さい | 積水ハウスに比べて規模が小さい会社のため、不安になる可能性がある。ただし、積水ハウスと同等の提案と保証がある。 |
ただ安いだけではなく、技術レベルが高く保証も充実しているのが、防水工事見積もり.com加盟業者の特徴です。
積水ハウスの防水工事は防水工事見積もり.comにご相談ください

防水工事見積もり.comでは、積水ハウスの防水工事にも対応しています。
積水ハウス特有の構造や使用部材に詳しい業者が在籍しており、積水ハウスの住宅に適した防水工法を適切にご提案いたします。
見積もりは完全無料。複数の優良業者から提案を受けられるため、費用・工法・対応の比較がしやすく、納得のいく依頼先を選べます。
保証制度やアフターサービスも充実しており、初めて防水工事を依頼される方でも安心してご利用いただけます。
信頼できる業者に、適正な価格で工事を依頼したい方は、ぜひ一度ご相談ください。