FRP防水の厚みはどのくらいですか?

更新日:2025年2月4日 BY 福島 慎介
FRP防水の厚みはどのくらいですか?

FRP防水の厚みについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。

この記事の監修者
福島 慎介
福島 慎介

神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。

防災工事推進協会 代表理事 紹介ページへ

FRP防水の厚みについての質問と回答

【 質 問 】

FRP防水の厚みはどのくらいですか?

【 回 答 】

FRP防水の厚みは、使用する材料の種類や施工方法によって異なります。

今回は工法ごとの厚みの一般的な基準についてご説明します。

一般的なFRP防水の厚みについて

同じFRP防水でも、工法により厚みが違います。

標準的な厚み

FRP防水
<FRP防水>

FRP防水の標準的な厚みは 約2.0mm~3.0mm 程度です。

これは通常の住宅のバルコニーや屋上などに施工される際の一般的な厚みになります。

FRP防水の断面図
<FRP防水の断面図>

次に説明するFRP通気緩衝工法とは異なり、下地と防水層の間に通気シートを貼らない工法のため、雨水を逃すことができません

強化仕様の場合

FRP防水通気緩衝工法
<FRP防水通気緩衝工法>

より耐久性を求める場合、FRP通気緩衝工法という雨漏りに強い工法では、3.0mm~5.0mm の厚みで施工することもあります。

FRP防水通気緩衝工法
<FRP防水通気緩衝工法の断面図>

通気緩衝シートを貼ることで、下地に溜まった湿気や蒸気を脱気筒やドレン(排水口)に逃がします

 施工方法による違い

FRP防水の厚みは、施工方法によっても変わります。

防水層は通常、以下の3つの層から構成されます。

プライマー層(下塗り) 

プライマー塗布
<プライマー塗布>

下地との密着を高めるための、接着材の役目を果たします。

防水層(ガラスマット+樹脂)

ガラスマット敷設
<ガラスマット敷設>

ガラスマットに樹脂を含んだ防水層(1.5mm~3.0mm)です。

2枚重ねて使用することもあり、その場合は防水層がより厚くなります。

トップコート(仕上げ層) 

トップコート塗布
<トップコート塗布>

紫外線や摩耗から防水層を守る仕上げ層(0.2mm)です。

施工の際には、これらの層を適切な厚みで仕上げることで、耐久性の高いFRP防水が完成します。

ガラスマットの積層枚数での違い

ガラス繊維マット
<ガラス繊維マット>

FRP防水における「プライ(PLY)」とは、ガラス繊維マットの積層枚数を指します。

一般的に、1プライ(1PLY)2プライ(2PLY)の工法があり、それぞれの厚みと特徴は以下の通りです。

1プライ(1PLY)工法

  • 防水層の厚み: 約1.5mm
  • 特徴: ガラスマットを1枚使用する工法で、コストを抑えられます。
  • ベランダなどの人が歩行する場所で採用されることが多いです。 

2プライ(2PLY)工法

  • 防水層の厚み: 約3.0mm
  • 特徴: ガラスマットを2枚積層する工法で、1プライに比べて防水層の強度と耐久性が向上します。
  • 屋上など、より高い防水性能が求められる場所で採用されることが多いです。 

FRP防水の厚みが重要な理由

均一に塗られた塗膜
<均一に塗られた塗膜>

FRP防水の厚みが適切でないと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 厚みが薄すぎる場合:ひび割れや摩耗が起こりやすく耐久性が低下する。
  • 厚みが厚すぎる場合:硬化不良を起こしやすく、施工不良のリスクが高まる。

そのため、適切な厚みを確保しながら、均一に施工することが重要です。

まとめ

FRP防水の厚みは工法によって変わります。

また、選択する工法は、施工場所の条件や、求められる耐久性、予算などによって異なります。

ご自分の建物にはどの工法が向いているのか、どの工法を選んだら良いか迷ったら、防水アドバイザーの福島までお気軽にご相談ください。

以下の記事では、FRP防水の工法や工程をより詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

カテゴリー :FRP防水  タグ:FRP防水 

[hoverner id=8873]