FRP防水の厚みはどのくらいですか?
FRP防水の厚みについて、防水工事見積もり.comの防水工事アドバイザー福島が回答します。
■福島 慎介
神奈川県出身 一般社団法人 防水工事推進協会 代表理事 防水アドバイザーとして12,000枚以上の見積りや防水工事を診断 お客様の立場・視点から分かりやすくお伝えします。
FRP防水の厚みについての質問と回答
【 質 問 】
FRP防水の厚みはどのくらいですか?
【 回 答 】
FRP防水の厚みは、使用する材料の種類や施工方法によって異なります。
今回は工法ごとの厚みの一般的な基準についてご説明します。
一般的なFRP防水の厚みについて
同じFRP防水でも、工法により厚みが違います。
標準的な厚み
FRP防水の標準的な厚みは 約2.0mm~3.0mm 程度です。
これは通常の住宅のバルコニーや屋上などに施工される際の一般的な厚みになります。
次に説明するFRP通気緩衝工法とは異なり、下地と防水層の間に通気シートを貼らない工法のため、雨水を逃すことができません。
強化仕様の場合
より耐久性を求める場合、FRP通気緩衝工法という雨漏りに強い工法では、3.0mm~5.0mm の厚みで施工することもあります。
通気緩衝シートを貼ることで、下地に溜まった湿気や蒸気を脱気筒やドレン(排水口)に逃がします。
施工方法による違い
FRP防水の厚みは、施工方法によっても変わります。
防水層は通常、以下の3つの層から構成されます。
プライマー層(下塗り)
下地との密着を高めるための、接着材の役目を果たします。
防水層(ガラスマット+樹脂)
ガラスマットに樹脂を含んだ防水層(1.5mm~3.0mm)です。
2枚重ねて使用することもあり、その場合は防水層がより厚くなります。
トップコート(仕上げ層)
紫外線や摩耗から防水層を守る仕上げ層(0.2mm)です。
施工の際には、これらの層を適切な厚みで仕上げることで、耐久性の高いFRP防水が完成します。
ガラスマットの積層枚数での違い
FRP防水における「プライ(PLY)」とは、ガラス繊維マットの積層枚数を指します。
一般的に、1プライ(1PLY)と2プライ(2PLY)の工法があり、それぞれの厚みと特徴は以下の通りです。
1プライ(1PLY)工法
- 防水層の厚み: 約1.5mm
- 特徴: ガラスマットを1枚使用する工法で、コストを抑えられます。
- ベランダなどの人が歩行する場所で採用されることが多いです。
2プライ(2PLY)工法
- 防水層の厚み: 約3.0mm
- 特徴: ガラスマットを2枚積層する工法で、1プライに比べて防水層の強度と耐久性が向上します。
- 屋上など、より高い防水性能が求められる場所で採用されることが多いです。
FRP防水の厚みが重要な理由
FRP防水の厚みが適切でないと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 厚みが薄すぎる場合:ひび割れや摩耗が起こりやすく耐久性が低下する。
- 厚みが厚すぎる場合:硬化不良を起こしやすく、施工不良のリスクが高まる。
そのため、適切な厚みを確保しながら、均一に施工することが重要です。
まとめ
FRP防水の厚みは工法によって変わります。
また、選択する工法は、施工場所の条件や、求められる耐久性、予算などによって異なります。
ご自分の建物にはどの工法が向いているのか、どの工法を選んだら良いか迷ったら、防水アドバイザーの福島までお気軽にご相談ください。
以下の記事では、FRP防水の工法や工程をより詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。