和室をリフォームして快適に過ごせる部屋を作ろう

最近は昔ながらの従来の和室が求められなくなる一方、モダンな和室にオシャレを感じ、若い方でも和室を作るパターンが増えてきました。
和室は、洋室と違い柔らかい雰囲気を発揮してくれる空間です。
リビングの横等、1部屋設ける事で家の機能を上げる事が出来ます。
洋室ばかりではなく、1部屋和室を設ける事は日本人としてとてもオススメです。
今回は和室のリフォームを中心に快適な部屋を作るためのリフォーム方法についてまとめました。
1.和室のリフォームポイントと費用
和室は古臭かったり、使いにくいと思ったりするケースが多くなってきています。
しかし、リフォームのポイントを理解していれば、今以上に使いやすい部屋にすることができます。
今回は使いやすい和室にリフォームしたい場合に、どのような部分に目を向けて進めるべきなのか、費用がどれくらいかかるのか、ご紹介していきます。
1-1.畳を綺麗にする

畳は、古臭くなってしまうと清潔感が失われてしまいます。
ある程度古臭くキレイではない場合は、畳をリフォームするようにしてみましょう。
畳のリフォーム方法は、これらが挙げられます。
畳の表替えや裏返し
畳床がしっかりしている場合、畳の中身を残して表面のみをリフォームする方法があります。畳表面のい草の表替えや裏返しをする事で、見た目的に綺麗な畳の状態へと導く事が出来るのです。
採用するい草の種類にもよりますが、3,000円程度かかる場合が一般的です。
6帖間の畳の表替えや裏返しの場合は、3,000円×6枚=18,000円の費用となります。
畳の表面が新しいものとなりますので、見た目も良くい草特有のいい香りがします。
畳自体の入れ替え
古い畳であり畳床も寿命を迎えている場合は、畳まるごと取り替えるリフォーム方法が効果的です。
畳床や表面のい草の種類にもよりますが、1枚12,000~20,000円程度になり、6帖間の入れ替えですと、72,000円~120,000円程の費用となります。
無地のヘリを採用してみる
昔は、亀甲柄やダイヤ柄がヘリの柄として定番でしたが、今現在はあまり求められておりません。
本格的な和室の雰囲気より、和室に現代っぽさを取り入れるパターンが多いのが現状です。
畳のヘリのオススメは、無地です。
薄いグレーや深緑、紺色、黒などが人気の色となっています。
ヘリ無し畳を採用してみる
近年は、フチにヘリが無い琉球畳が流行っておりますが、ヘリが無いだけで現代的でモダンな和室へと導く事が出来ます。
琉球畳というと半畳の正方形の形になっておりますが、一般的な長方形の和室でもヘリが無いだけでモダンな和室へと変身させる事が出来ます。
1-2.壁紙の張替え
壁紙を張り替える事で、一気にお部屋の雰囲気が変わります。
和室6帖間の壁紙張替えで、10万円程となります。
天井も張り替えると、合計20万円程となります。
和室の壁紙の選び方は、このようなポイントで考えてみると良いでしょう。
和室っぽさにこだわらない
昔流行った古くさい壁紙の和室は、現代的な壁紙に張り替えるだけでガラっと雰囲気が変わります。
和室という概念にとらわれず、和室らしくない壁紙を採用する事で、ポップでオシャレな和室へと導く事も出来ます。
アクセントクロスの採用
近年は、和室でもアクセントクロスを採用するお宅が増えました。
窓や収納が無い壁面にアクセントクロスを採用すると、現代的でオシャレな和室に変身します。
暗い和室は明るい壁紙を採用
昔の和室は、どうしても暗い雰囲気となっている場合が大半です。
その雰囲気が嫌な場合は、白っぽく明るい壁紙を選ばれる事がオススメとなります。
真っ白ですと違和感が出てしまいますので、白に近いクリーム色やベージュ等がオススメです。
反射率を高くする事で、和室はグっと明るくなります。
1-3.長押や台輪、竿を外す

本格的な和室の場合、長押や台輪、竿を使っております。
この3つは和室の重圧感を発揮させるアイテムであり、和室にこだわる大工さんや工務店は採用する事が多いアイテムです。
しかし、現代の和室には、この3つのアイテムを採用する事は少なくなりました。
その理由は、そこまで仰々しい和室を求めていないからです。
この3つのアイテムが取りついている和室は、この3つのアイテムを取り除く事で、モダンで現代的な和室に変える事が出来ます。
1-4.ふすまには壁と同じクロスを使う
昔の和室のふすまには独特のふすま紙を採用している場合が多く、どこか古臭く時代に似合っていない状態となっております。
ふすま紙を壁と同じクロスで張る事で、さりげない収納の雰囲気を発揮させる事が出来ます。
1-5.障子は使わない
障子は昔の和室っぽさを発揮し、どこか古臭さを発揮させてしまいます。
日光に弱く変色しやすいので、扱いも面倒です。
障子を取り外すだけで、一気にモダンな和室に変身させる事が出来ます。
内窓として障子を採用している場合は、障子を外した後カーテンやロールカーテンを取り付けてあげると良いでしょう。
1-6.照明器具を取り換える
昔の和室の照明器具は、古臭く時代遅れの物も多くあります。
照明器具をモダンな物に変える事で、一気に今風な和室に変身させる事が出来ます。
天井付け照明器具やボンボリ型の照明器具など、個性的でモダンな雰囲気を発揮させると良いでしょう。
1-7.真壁から大壁へリフォーム
そもそも和室に柱が見えているのが嫌だという方は、柱の見えない大壁和室に変更するリフォームが必要となります。
見えている柱の上に新たに壁を張り、柱を見えなくさせる方法です。
柱が見えない事で、一気にモダンな和室に変身させる事が出来ます。
1-8.押し入れの扉を洋風にする
そもそもふすまの押し入れの扉が嫌という方は、押し入れの扉を洋風な扉に変更してみると良いでしょう。
ほとんどの和室は5尺8寸の高さで押し入れを作っておりますので、現在多く使われている既製品の木製建具ではサイズが合いません。
その為、木製建具屋さんに依頼して特注で作ってもらう形となります。
無地の引違の扉の場合、既存の木枠を利用して使う事で5万円程の費用で施工が可能となります。
折り戸にしたい場合は、10万~20万円程かかります。
2.和室の良さとは?畳とふすまを取り入れよう
和室というのは時代遅れという方もおり、和室を洋室にリフォームしてしまうお宅も少なくありません。
しかし、和室というのはとても素晴らしい機能を発揮してくれる空間です。
ここでは、畳とふすまについて紹介していきます。
2-1.畳のよさを取り入れる
畳には想像以上に素晴らしい作用があります。
畳を撤去してフローリングにしてしまうお宅も多いようですが、畳が無くなる事で何か物足りなさを感じてしまう方も少なくありません。
畳がある事で助かっている事も多くありますので、畳の利用価値にも注目してみましょう。
2-2.畳のメリット
畳には生活する上でのメリットがいくつかあります。ここからは知られざる畳のメリットについて紹介していきます。
畳には浄化効果がある
畳のい草には、浄化効果があります。
臭いを軽減させたり、湿気の状態を緩和させたり等、とても効果的なパワーを発揮してくれます。
集中力を高める機能
畳のい草には、集中力を高める機能がございます。
畳の上で勉強をすると集中力が発揮し、よそ見をせず頭に入りやすくなるとも言われています。
夏休みにお寺で勉強する昔の姿というのは、根拠のある環境での勉強という事となります。
床に横になる事が出来る空間
住居空間の中には、気軽に床に横になる事が出来る空間というのは必要となります。
洋室はフローリングなどの堅い床材ですので、気軽に横になる事は出来ません。
しかし、畳の床には何も敷かずにも気軽に横になる事が出来ます。
ちょっとした事で横になったり、赤ちゃんを寝かせたり、来客者が泊まる際にお布団を敷いて寝床を作る事も出来ます。
足腰に優しい床材
畳はクッション性に大変富んでおり、足腰にとても優しい床材となります。
また子供や年齢を増した方、室内で飼っているペットにとっても大変良い床材です。
2-3.い草で作られた畳のメリット
近年の畳は、和紙などを使った建材畳など、本来のい草を使っていない畳が随分と増えました。
しかし、そのような畳では、畳本来の良さが全く発揮されません。
畳は本来、い草で作った物が正規品です。
い草で作った畳には多くのメリットがあります
香りのよさ
い草の畳の良さは、ほのかに香るい草の良い香りではないでしょうか。
い草のいい香りは、建材畳では絶対に出す事は出来ません。
リラックス効果もありますので、天然のアロマ代わりにもなる、不思議なパワーをい草は持っております。
抗菌効果
い草には菌の繁殖を抑える効果があり、O157やノロウイルスの殺菌に効果を発揮してくれます。
また、水虫菌にも効果を発してくれる程の素晴らしいパワーがございますので、家の中を清潔に保つ事が出来ます。
ささくれが発生してもあまり目立たない
い草の畳は、ささくれてしまう部分が嫌だという方が居ますが、建材畳も摩擦によりささくれてしまう事はございます。
建材畳がささくれ立つと破損してしまう事がございますが、い草の畳がささくれ立っても、自然な雰囲気をかもし出してくれます。
い草から発せられるスポンジ機能
い草は、断面を見ると無数の穴が開いております。
その為スポンジ効果を発揮し、程よい弾力性を発揮してくれるので、脚に優しく疲れにくくさせる効果を持っております。
また、スポンジ機能がハウスダストを上手く吸い込んで取り除いてくれるので、空気を浄化させる機能も持っております。
スポンジ効果は吸音効果も発揮するので、反響をやわらげ、 静かな空間つくりに、役立ってくれます。
2-4.畳のメンテナンス方法
畳は、摩擦や日焼け等の様々な外的刺激により、数年経つと劣化してしまいます。
表面が劣化してくると、 ささくれ立ってしまい危険ですので、畳のメンテナンスを行いましょう。
畳のメンテナンスは、
・裏返し
・表替え
・新しく取り換える
といった、3つの方法があります。
状態により、該当する方法を採用しましょう。
5年程経った畳は「裏返し」
5年程経つと、畳の表がどんどん劣化してきます。
畳表は表と裏の両方を使う事ができますので、畳表を剥がして裏返してまた張ると、使う事ができます。
あまりにも畳表の劣化が激しい場合は、裏返しが出来ない場合があります。
8~10年程経った畳は「表替え」
畳表は使えないですが、畳床は使う事ができます。
畳表を新しいものに取り換える表替えを行います。
10年以上経った畳は「取り換え」
畳を踏んだ際にヘタっている感じがする場合は、畳床の状態が良くない証拠です。その場合は、そっくりそのまま新しい畳に取り換えるのを、オススメします。
2-5.ふすま紙を効果的に使う

昔の家にあって当たり前だった、ふすま。
今は、和室が無い家も多くなった関係上、ふすま自体が無いお宅もございます。
昔の家のふすまは、松や山など昔ながらの模様のふすま紙を使っているお宅も多いと思います。
ふすま紙を貼り替えるだけで、現代的なオシャレな雰囲気をかもし出す事が出来ます。
2-6.現在のふすまの種類について
ふすま紙は、通常ふすま紙専門の見本帳より選びます。
あまり知られていませんが、ふすま紙は内装材料組合所属のメーカー分だけでも、約4千種類もあります。
その中から見本帳になっているふすま紙は、約80種類以上と言われています。
ふすま紙には大きく分けて2種類、織物系と紙系があります。
織物系は、見た目に糸が細かく走っているのが解ります。手で触れると糸の感触が伝わり、高級感を感じるふすま紙です。
紙系には糸の雰囲気が一切なく、平らな触感があります。
その為、織物系に比べるとグレードが下がった安っぽい感じがします。
ふすま紙の模様は、山や松のような昔ならではの物ばかりではなく、一般的な壁紙のような無機質のふすま紙もございます。
ふすま紙を使うと古臭いと思う方もいらっしゃいますが、このような無機質なふすま紙を選ぶ事でセンスのあるカッコいいふすまを作る事が出来ます。
2-7.機能性ふすま
最近のふすま紙には、壁紙のように機能性ふすま紙が増えました。
このような、快適なふすま紙がございます。
空気を洗うふすま紙
悪臭の原因物質を分解させる表面加工により、半永久的に効果を発揮してくれます。
防炎加工ふすま紙
結晶水が脱水分解する表面加工により、熱を吸収して防炎効果を発揮してくれます。
汚れ防止ふすま紙
表面を樹脂加工し、汚れが付き難い素材にしたふすま紙です。
汚れが付着しても、拭き取るだけで綺麗にする事が出来ます。
このように、機能的なふすま紙が沢山あります。
また、古紙を使っているふすま紙も増えましたので、環境対策にも一役買う事も出来ます。
2-8.張替時期の目安
ふすま紙は、
一般的に10年程度で貼り替える事が目安となります。
壁紙などにばかり目が行き、なかなか目に付かないふすま紙ですが、壁紙などの内装リフォームの際に、ふすま紙にも目を向けてみましょう。
ふすま紙を変えるだけでも、大きく雰囲気を変える事が出来ます。
3.和室から洋室へのリフォームポイント
建物を新築した際に良いと思った和室も、歳月を重ねる事で不要となってしまうお宅も多くあります。
使いにくい和室は、思い切って洋室にリフォームを行ってみましょう。
和室から洋室にリフォームをする方法と言えば、床をフローリングにし壁や天井にビニールクロスを張る事を想像されると思います。
しかし、それだけでは和室感が残ってしまい、中途半端な洋室へのリフォームとなってしまう事があります。
そこで、和室を洋室にリフォームする際に盲点になってしまうリフォームポイントを、まとめてみました。
3-1.和室の床高さを下げる
和室の場合、畳の厚み(60㎜程)の分、洋室より床の高さが高くなっている事が大事です。
洋室にリフォームする際は、余計な段差を残さないよう段差を解消させるようにすると良いでしょう。
段差がある状態の上にフローリングを貼っても、段差が残る事で違和感があるお部屋となってしまいますので、オススメ出来ません。
3-2.真壁から大壁に変える
昔の和室の壁の大半は、柱が見える真壁となっております。
洋室にリフォームする際は、柱が見えている真壁状態を改善させるようにしましょう。
出ている柱を隠す様にプラスターボードを張り、その上に仕上げを行うと真壁を大壁に変える事が出来ます。
この際、窓枠や出入り口の枠のチリとのバランスが大事となりますので、そこを計算した上で壁リフォームとなります。
大壁に変えるだけで一気に洋室感が発生するので、絶対行うべきリフォームとなります。
3-3.ビニールクロスに変える
壁や天井だけではなく木製建具にもビニールクロスを採用しましょう。
古い和室の場合、ふすまなどの木製建具にはふすま紙を使用している場合が大半です。
ふすまを壁と同じビニールクロスに張り替えると、和室感を無くす事が出来ます。
3-4.塗装をする
既存の和室の木製建具の木枠は青木という木材の「とのこ仕上げ」となっており、建具の表面をビニールクロスで洋風に変えても、建具の縁や木枠がとのこ仕上げのままですと和室感が出てしまいます。
建具の縁や木枠は、塗装をする事で用質感を発揮させる事が出来ます。
とのこを拭き取って落とし、オイルステンやガードラックのような木の質感を生かした塗装を行うと、現代的な木枠とする事が出来ます。
4.ポイントを理解し快適な部屋を作ろう
和室のリフォームや、和室から洋室へのリフォームにはたくさんのポイントがあります。しかしこのポイントを把握していれば、快適に過ごせる部屋を作ることが出来ます。
リフォームを行う際は、ポイントをおさえて行うようにしましょう。